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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三部 第一話 その大発生の理由を彼らは知らない
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その大量発生の理由を僕らは知らない

「ダラァッ!!」


 辰真の一撃でゴブリンが沈む。

 これでようやく鎮圧出来たらしい。

 僕らの周囲にはむせたくなるほどにゴブリンの遺骸が無数に積み重なっている。


「いくらなんでも、多すぎない?」


「ぶひ」


 ネッテの言葉にバズ・オークが同意する。

 僕らが通っているのは街道、つまり整備された道であり、普段は行商に無数の人が歩く道である。

 なのに、今回は既に六回、ゴブリンの集団に襲われていた。


 それも一度の集団が30以上の大集団。

 今のメンツだから何とかなっているものの、もしも初期メンバーでバズ・オーク退治に向った時にこれに遭遇していれば、確実に全滅していたのは僕らだった。


 クーフや辰真、葛餅にネフティア。彼らの活躍があるからこそ今ゴブリン集団に囲まれても普通に対処しているというか雑魚が群れてるくらいにしか思えないけれど、確かに前回に比べると異常な事態だろう。

 前の行程じゃ一度も出会わなかったし。


「カイン、これ、ギルドになんか情報出てた?」


「いや。注意事項の欄にはしっかり目を通した。このことは知らされてなかったぞ」


「となると、ギルドに連絡した方がいいかしら?」


「大丈夫だろ。腕利きは俺らだけじゃないし、ここまで来ちまったらむしろ村の方が近い」


「そうよね……でもなるべく早く戻った方がいいわ」


 ネッテの言葉にも一理あるんだけど、その村の方は安全なのかね?

 僕は心配しながらリエラの肩を叩く。

 振り向いたリエラにアルセを使ってジェスチャー。今までの道を指差しゴブリンの死体を指差す。

 その後僕らが向う村の方を指差してゴブリンを指差す。

 意味は伝わったかな?


「どうしたのリエラさん?」


「あ。エンリカさん。その、と……アルセが何か伝えようとしてるんだけど、私にはちょっと分からなくて。アルセ、もう一度お願い」


 今、透明人間さんが、と言いかけたねリエラ。まぁいいんだけど。

 僕はアルセの腕を使ってもう一度同じジェスチャーをする。

 すると、エンリカが青い顔をし始めた。


「あ、あのネッテさん、カインさん、ここまでの行程はゴブリンがいましたよね」


「え? ええ、そうね、大発生みたい」


「これから向う村、大丈夫でしょうか?」


「っ! そうか。王国ばかりに目を向けてたが、この状況、村まで続いてたら村がヤバい、向こうにゃギルドがないから冒険者も殆ど居ないぞ!」


「急ぎましょ!」


 と、走りだそうとするカインとネッテ。その動きを、バズ・オークが止める。


「ブヒァ!!」


「み、皆さん、敵、またゴブリンです!!」


「どんだけ居るんだよゴブリン共は!?」


「……そうだわ。リエラ、魔物図鑑でゴブリン全部を調べてみて、もしかしたら別種が混じってるかも! ゴブリンにリーダー格がいるならそいつを倒せば瓦解するのが早いわ!」


「わ、分かりました!」


「皆、私とリエラで相手を調べるから、それまでフォローお願い!」


 襲ってきたゴブリンの群れは今までより大集団だ。

 見た感じ100匹位いるみたいだ。

 先制とばかりに辰真が睨む。

 威嚇で怯んだのは腰布しか付けていない棍棒を持ったゴブリンだけだ。


「ドルァァァァッ!!」


 弓を射掛けようとしたゴブリンに向け、辰真が咆哮を上げる。

 さらに突撃する辰真。先に遠距離部隊を潰すようだ。

 それをフォローするのがエンリカ。辰真に襲い掛かる剣を持ったゴブリンの頭蓋を穿つ。


 近づくゴブリン達は巨人殺しを持つクーフに一薙ぎにされ、あぶれた敵をカインとバズ・オークが叩っ切る。

 リエラとネッテのフォローに回ったのはネフティア。

 洩れて来たゴブリンを頭から両断する無表情少女は正直怖い。

 血飛沫がついてますよ……ひぃぃ。


 ネッテとリエラは必死に魔物図鑑をゴブリンに向けて新しい種族が出て来ないかと調べる。

 ここにいるのはゴブリンとゴブリンアーチャー、そしてゴブリンソルジャーだ。

 それ以外が見つかる様子は無い。

 アルセはそれを見ながら激しく回る。皆頑張れと応援しているように踊りまくっている。

 いや、可愛いけど今はそういうのいらないから。うろちょろして皆の迷惑にならないようにねアルセ、ほら、あんましそっち行くと工具の餌食なるから。


「いましたっ! ゴブリンマジシャン!」


「辰真! あいつよ!」


 ゴブリンアーチャーを潰し終えた辰真がネッテの声に反応して空を跳ぶ。

 空中からの飛び蹴りで魔法を唱えようとしていたゴブリンの首をゴキリと蹴り折った。


「ダメ、あれじゃない。他のゴブリンよ。リーダー格はどこ!?」


「ネッテさん、アレ! 少し大きい個体がいます! 赤い帽子!?」


「アレは……レッドキャップ!? なんでこんな場所に!?」


 なんか、変な生物がいるらしい。まぁ、ネッテの驚きは驚愕というよりは困惑みたいだからそこまで強い敵ではなさそうだ。

 ゴブリンアーチャー

  種族:グリーンスキン クラス:下級鬼族ゴブリン

 ・弓の扱いを始めたゴブリンたち。

  その膂力から繰り出される矢は強力で、下手な弓兵より強い。

  基本的に馬鹿なのでやり方によっては同士討ちさせることが容易い。

 ドロップアイテム・筋張った肉、弓、矢、矢筒、刺激臭な腰布、ゴブリンの鼻


 ゴブリンマジシャン

  種族:グリーンスキン クラス:下級鬼族ゴブリン

 ・魔法を扱い始めたゴブリンたち。

  ゴブリンなので下級魔法だけだが、人間たちの見よう見まねで打ち出される魔法は初見殺しで有名。

  基本的に馬鹿に毛が生えた知恵しか持っていないので雑魚であることに変わりは無い。

 ドロップアイテム・筋張った肉、杖、刺激臭な腰布、ゴブリンの鼻


 レッドキャップ

  種族:グリーンスキン クラス:中級鬼族ホブゴブリン

 ・赤い帽子に燃えるような赤い瞳がトレンドマークのグリーンスキン。

  戦場跡や廃墟と化した古城などを好んで住みつく事が多く、一所に留まる事は余り無い。

  獰猛な性格で斧を扱い、倒した相手の血で帽子を赤く染め直す習性がある。

 ドロップアイテム・筋張った肉、斧、真っ赤な帽子、レッドキャップの歯

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