その別格の変化の理由を誰も知らない
???
二つ名:元総長
種族:偽人 クラス:ツッパリ
スキル:気合いの一撃
怒りの上位進化
常時スキル:くいしばり
アルセイデスの忠誠闘士
種族スキル:威嚇
メンチ怪光線
爆熱アパカ
咆哮
唸れ俺のリーゼント
いろいろ言いたいことはあるけど、とりあえず上から。
元総長が二つ名になっとる!? 僕のせいか? せいなのか!?
名前は無いから???になってるらしい。後でネッテたちが名前を考えようかとか相談し始めていた。
まぁいい、その次、種族:偽人ってなんだよ! スキルの怒りの上位進化って、アレか、怒りに打ち震えると総長に変身すんのか!? 堪忍袋の緒が切れたとか叫ぶのか?
唸れ俺のリーゼントってなんだぁぁぁぁぁっ!?
はぁ、はぁ、はぁ……とりあえず言いたいのは、この世界は変なスキルが多過ぎる。
だが、待ってほしいのです。
これはまだ序章にすぎない。
コリータが最後の一枚を捲る。
ついにベールを脱ぐアルセイデスらしき生物のステータス。
大丈夫、前回コリータが見たときと大差ないはず……
アルセ
種族:妖精 クラス:アルセイデス?
二つ名:ツッパリ愚連隊総長
装備:木の枝
スキル:言語理解
知能の芽生え
忠誠豚騎士の姫
忠誠不良闘士の姫
超幸運
笑顔の圧力
テイム
???の過保護な加護
種族スキル:マーブルアイヴィ
光合成
水属性耐性Lv5
闇属性耐性Lv3
呪い無効
超回復Lv1
死甦血液
発光
あ、アルセぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――っ!!?
何、ツッパリ愚連隊総長って何!? お前いつの間に舎弟一杯になってるの!?
あれか、総長が負けを認めたからか!? 総長が魔王だったからそれを降したアルセが魔王みたいな存在になっとる!?
しかもクラスが地味にアルセイデス? とかハテナマーク付いてるし!?
種族は妖精だったのね。
いや、それはもうもはやどうでもいい。知識の芽生えと超幸運についても問題無いし発光のスキルが手に入った理由も分かる。
でもだ。いつの間に手に入れたのアルセ、呪い無効って! 超回復Lv1って! 死甦血液ってなんだぁぁぁ――――っ!!?
どうやら、死甦水を吸収したせいで彼女の血を飲むと死人が生き返る効果があるらしい。
何ソレ、何処の聖女?
もう、君がどこへ向っているのか僕には理解できないよ。
ニコラウスさんの髭を引っ張り続けるアルセに、僕らはただただ呆然と魅入るしか出来なかった。
うん、笑顔がいいね。笑顔が……
きっと、アルセは既にアルセイデスの枠を飛び出ていると思うのです。
誰のせいって? ……僕だよ!
それからしばらく、カインたちを中心に僕らは今までの報告や感想を述べ合っていた。
実にこの会議みたいなのが始まってから既に四時間。
そろそろ話しも区切りがついて、そろそろ帰るかといった空気が場を満たす。
「では、こちらをどうぞ」
ミクロンが立ちあがり際、カインに一冊の本を手渡す。
「なんだこれ?」
「コリータさんと共同で開発した魔物図鑑です。出会った魔物にこれをかざすことで相手の詳細な情報を得ることが出来る……というものなのですが、何ぶん作ったところですのでまだ試用期間なんですよ。折角なので冒険中に出会った魔物に使ってみてください」
魔物図鑑現れました。アイテム図鑑とかは?
「研究の役にも立ちますし、未知の魔物の情報も知りたいのですよ。お願いします」
「わかった。まぁ使ってみるぜ」
といって席を立つカイン。
「あ、リエラさんはちょっとお話があります」
来たよ。僕のことだ。
「あ、それでしたら皆さん先に帰っていてください。私はもう少し残ります」
ということで、リエラだけ居残りです。
アルセは……まぁ皆いるし大丈夫か。クーフ、アルセの御守は君に任せるよ。
バズ・オークは多分エンリカに掛かりきりになるだろうし。
そしてギルドマスターやミクロンも追いだしての三者面談。
用意していたらしいコリータさんは一枚の紙を差し出した。
リエラがそれを受け取り、僕が覗きこむ。
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ポシェット内部:クリスタルソード、アルセソード、アンダカギオギオの財宝、魔物の死骸、100リットルの死甦水、古代人の柩(ネフティア)
スキル:アルセイデスの過保護な保護者
異種族言語読解
位相ズレ
存在無効
エラー
ポシェット
CG閲覧
CG激写
うん、えっと……
「あの、CG激写って、なんですか……」
コリータさんからどういうものかの説明を受けたリエラさん。蔑むような眼が痛い。
怖いです。待って、無実。僕は無実だっ!! そんな思ってるようなことには使ってないよ!?




