その女が見ている光景を誰も知らない
「さてさて、ミクロンさん、驚く用意はいいですね」
「ええ、このために十年以上の驚きを溜めこんで来たんです。いつでも準備は出来ていますよ!!」
なんだ驚きを溜めこむって……
やっぱりこの二人の思考回路はかなりおかしいと思う。
というか、ニコラウスさん、カイゼル髭が三日月のような綺麗な曲線に!? アルセ、もう許したげて!!
「はい、とりあえず、さすがにこれは見せちゃダメだろ。みたいのは書かずにいろいろ書いてみました。とりあえず全員に見せるから、各々、皆に見せて良ければ机に置いて、隠したい何かがあれば私に返して場所を教えてね。指差しでいいですよ」
全員が自分のステータス、あ、一応僕は書かれてなかった。多分後でリエラと三人で見せられるんだろうと思う。
入手アイテムとかも出させられるんだろうな。あの柩に入れた水、死甦水だっけ、大問題になりそうな予感がひしひしする。
っと、今はそれより全員のステータスとやらを覗かせて貰おう。
って、皆裏返しで机に置いてるんですけど。
それをミクロンが纏めて、一枚残して自分が持つ。
机に残った一枚を捲る。最初はカインだ。
なるほど、こうやって一人一人公開していくと。お馬鹿を決めるテスト発表番組みたいだな。
カイン・クライエン
種族:ニンゲンG クラス:勇者
装備:鋼の剣、ロングソード、銀の胸当て、レッグアーマー
スキル:真空波斬
ステータスブースト
音速突破
千進突牙斬
常時スキル:
肉体強化Lv8
剣術Lv7
毒耐性・中
魅了耐性・中
麻痺耐性・小
種族スキル:
クリティカル発生率・小
勇者の心得
これがカインのステータスですか?
ツッコんでいい? ツッコむけどいい? ニンゲンGって、なんだ――――ッ!!?
とりあえず意味は分からんがGというからにはAとかBとかあるんだろう。
ネッテ・ルン・マイネフラン
種族:ニンゲンB クラス:魔術師・マイネフラン王国第三王女
装備:豊穣の杖、白のローブ、アレキサンドライトサークレット
スキル:シェ・ズ
シェ・ズルガ
ラ・ギ
ミュ・ズ
ミュ・ズル
ミュ・ズルリア
ラ・グ
コ・ル
コ・ルラ
コ・ルラリカ
フロ・ス
フロ・スト
フロ・ストラ
常時スキル:
肉体強化Lv2
詠唱速度Lv6
毒耐性・中
混乱耐性・中
石化耐性・小
種族スキル:
並列思考
王女の心得
魔術師の弟子
続いて見せられたのはネッテのステータス。
うん、さすがネッテ。驚きが無い半面きちっとした感じがする。
だからニンゲンBってなんだ――――ッ!?
そして気付いた。この国、マイネフラン王国なんだ……ようやく自分の現在地がわかったよ。
リエラ・アルトバイエ
種族:ニンゲンA クラス:村人
装備:アルセソード、魔導銃、ゴールドダガー、レザーメイル、ミミック・ジュエリー
クリア・オール弾、キュアラ・オール弾、コル・ラリカ弾、ラ・ギライア弾所持。総弾数722発。
スキル:スラッシュ
常時スキル:
なし
種族スキル:
悪運・小
うん、まぁ、なんて言えばいいんだろう? 新米冒険者にすら成れてなかったんだねリエラ。
とりあえず放置しよう。ミミックジュエリーが武器扱いされてるけどそれもスルーの方向で。
スキルを一つ覚えてるけど、スラッシュって、たぶん一閃とかだよね。横薙ぎの一撃の奴。
今まで使ったことないのは使う程の威力が無いからと見た。
バルス・ロードナイト
種族:ニンゲンF クラス:戦士
装備:魔剣エルガド、ガイアアーマー
スキル:スラッシュ
クロスラッシュ
V字斬
飛び一突き
常時スキル:
奇跡の一打
恐怖弱点
種族スキル:
努力家
さてバルス君たちもついでにステータスを見られてました。
だからニンゲンFってなんなのさ?
常時スキルにある奇跡の一打というのは、攻撃時1%の確率で攻撃力三倍どうこうとコリータが説明するが、本人も知らないスキルらしい。
やったねバルス君。君は英雄になれる素質があるようだ。
洩らし英雄乙。道のりは険し過ぎるだろう。
努力家は経験値が1・5倍になるとかそんな感じ。で、経験値ってこの世界あるの?
コリータさんも経験値って何かしらとか言ってるんだけど。
説明は見れるけど意味は分かってない感じだった。
ユイア・イレップス
種族:ニンゲンB クラス:魔法使い
装備:烈攻の杖、藍色ローブ、ウッドサークレット
スキル:ラ・ギ
ラ・ギラ
ラ・ギライア
バム・ド
バム・ドラ
恋する少女の魂
青き轟炎
常時スキル:
詠唱速度Lv2
毒耐性・小
種族スキル:
魔術の心得
なんて言うんだろう。ネッテの劣化バージョン? さすがにひどいかその感想は。
スキル欄の青き轟炎とか恋する少女の魂とかは気になるけど、誰も驚いていないのでそこまで珍しい魔法ではないのかもしれない。皆知らないだけかもしれないけど。
「あら、あなた魔術学校行ってないの? 魔術師の弟子にもなってないし」
「あ、はい。母が魔術を嗜んでいたのでその本で独学で……なので青き轟炎も一応覚えたんですけど今の魔力だと一撃放てるかどうかで。あはは」
「つか、この恋する少女の魂って確か誰かに恋心抱いてないと覚えなかったんじゃなかったっけ? おまえ誰か好きな奴いるのか?」
バルスがふと聞いてくる。その言葉にイラッとした顔をするユイア。
「そうね。居るわよ。教えないけどねっ」
鈍感君ですね。可哀想に。
さて、次は魔物組か。エンリカ? エルフだし魔族組でしょ?




