表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミシハセ  作者: 金子よしふみ
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/43

ミシハセ

 遠くから呼ぶ声が聞こえる。

 近くまで来てから声をかければ、そう喉に負担はかからないだろうに、幼児幼児(おさなご)というのは大きな声で呼びたがる。

 その声に彼女は手を止めた。心待ちにしていたのか、やれやれ仕方ないと言った具合なのかは、そのゆっくりとした動作からはうかがい知れない。

「行くよー」

 声の目的は外出の催促といったところらしい。続けて聞こえて来たかと思うと、戸が勢いよく開いて

「行くよっ! りさおばあちゃん」

「分かったよ、……」

 孫でもない、近所の男児はにっこりとして戸は開けっ放しにしたまま駆けて行ってしまった。

りさと呼ばれた女性は、ペンを動かして、了と書いた。男児・まもるの声がきっかけとなったように、もうそうすることをあらかじめ決めていたかのようなペンのあまりにもスムーズな進み方だった。それまで一か月もの間、結末をどうするか悩みに悩んでいた。彼女はそれを書かないままにしたのだ。いや、もうすでに  出来上がっていたのかもしれない。「ミシハセ」というタイトルの小説は。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ