クリパのお誘い
クリスマスが近ずいていた。
目下の課題は、チョコちゃんに贈るクリスマスプレゼントを考えること。
さりげなくて、気が利いていて、それでいて気持ちが入り過ぎないもの。まだ告白とか、そんな勇気は無い。気取られないように、気付かれないように。
キンコーン♪
12月は半ばの日曜日、自室でそんなことを考えているとスマホの通知音が鳴った。春香ちゃんからのメッセージだ。
(明良くん、24日の午後にうちでクリパやるんだけど来ない?)
え?どういうことだろう?そもそもどういう括りのパーティーなの?
(それはなに?春香ちゃんの家族のクリパに混ざれと?)
(ううん、文芸部で仲のいい1,2年の子数人で集まるだけ。チョコちゃんも来るよ)
う、それは少し惹かれる。けど
(女子ばっかりのところに混ざれとは、酷なことを仰る)
チョコちゃんと春香ちゃんが通う淳成は中高一貫の女子校だ。するとそこに集まるのも女子だけになる。そこに入っていくのは僕には無理な選択だ。
(えー?そんなの気にしなくていいのに)
(気にします)
(明良くん、チョコちゃんのこと好きじゃん?だからちょうどいいと思ったのにな)
(は?どうしてそうなるの?)
僕は動揺してそんな返信をしていた。
(いや、バレバレですやん。話を聞く限り)
(チョコちゃんがそう言ってたの?)
(いんや、チョコちゃんから話を聞いた上でのあたしの感想)
(じゃあ、否定させてもらっていい?)
(いいけど、あたしがそう思ってることは変わらないよ?)
いまさら否定するのは無駄なようだ。ならば、今の悩みについて相談してみるのはどうだろう。
(で、どうするの?来る?)
(行かないです。居場所無さそうだし)
(そっか。残念)
(行かないけど、クリスマスのことに付いて相談があってね)
春香ちゃんにチョコちゃんへのクリスマスプレゼントの相談をすると、チョコちゃんがいつも付けているニットのミトン手袋に合うコーデの防寒具、マフラーとかニット帽はどう?という意見をいただいた。
コーデの色見の事は分からないので、結局春香ちゃんに見てもらいながら選ぶということで一緒に買い物に行く約束をした。翌日、冬休み前で春香ちゃんの部活はお休みになっていたので、一旦学校から家に帰ってから駅前に集合した。
「あれ?制服のまま来たんだ」
「うん、かえって目立たないかと思って」
「ま、いいか。今日はあたしに任せといて」
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