くされ縁のなかった幼なじみ
「えっと、さっきのが初対面ですよね?」
「やぁーねぇーあたしよあたし!春香!」
僕は『はて?』というポーズをとる。
「もう!本当に覚えてない?」
「だって、春香なんて・・・あっ」
「思い出した?」
思い出した。僕が幼稚園の頃、何かと絡まれてた子だ。小学生に上がってからは同じクラスにならなかったのですっかり忘れていた。
「6年以上ぶりじゃん。分かる訳ないよ、春香ちゃん」
「あたしは分かったけどー?明良くんあんまり顔変わってないよね」
「なにそれ、幼児顔ってこと?」
「ふふん。まあいいじゃん」
「千夜子ちゃんと一緒だったから先輩なのかと思って候補が出てこなかった」
「部活が一緒だからね。文芸部」
「それと、タメ口だったし」
「ああー、部活の方針で上下関係うるさく言わないからかな。3年生とかにはさすがに敬語で話すけど、チョコちゃんはなんかタメで話しちゃう」
「部活でって・・・それは珍しくない?」
「まあ、文化系はそんなもんよ?多分ね」
「それで、何か用だったの?」
「いやー、なんかつれないなー。せっかく共通が友達もいるのが分かったし、あたしらも改めて友達になれないかなって」
「・・・今の僕らって接点なくない?学校も別になってるし」
「それを言うなら明良くんと千夜子ちゃんもたいがい接点なくない?」
「あるよ・・・」
「なに?」
「話すと長い」
「それじゃわかんない」
「わーかったーよ。連絡先交換しよう。それでいい?」
「うん。許してつかわす」
どうしてそんなに上からなんだろう。と思うところはあったけれど、突っ込むと長くなりそうなのでやめた。
「おっけ、ありがと!それじゃよろしくね」
「うん、それじゃ」
「ばいばい!」
そう言うと、春香ちゃんは手を振って去っていった。
その日の夜、僕はチョコちゃんに別れてから起こったことをメッセージした。こういう事で隠し事は多分良くない。すぐに返事が来て
(もう春香ちゃんから聞いたよー)
とのことだった。押しの強い性格で、誰にでもぐいぐい行くところがあるらしい。そういえば、昔の彼女もそんな感じだったかもしれない。
翌朝は3日ぶりに猫のチョコに会うことが出来て、可愛がる役は僕に一任された。
「そういえば、僕と千夜子ちゃんが知り合ったきっかけって、春香ちゃんには聞かれた?」
「聞かれたよ。そりゃまあ気にはなるかもね」
「なにか言ってた?」
「「あたしはそんな早起き出来ないなー』だって」
「習慣になっちゃうと苦にはならないんだけどね。夜更かしは出来ないけど」
「そうだね、わたしは10時には寝てるかな。・・・あ」
「雪だ」
僕らの住む地域には珍しい12月の雪が、本格的な冬の訪れを告げていた。
春香は見た目は派手ではないもののギャル気質なところがあり「友達は多ければ多いほうがいい」というポリシーのもとに明良に近づいています。
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