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あれは誰なんだ?


(明良くんおはよう!具合は良くなりましたか?)

    (おはよう。まだちょっと熱っぽいです。今日も大事をとって休むね)

(早く元気になれーーチョコも待ってるよー)

    (僕の分も可愛がっておいてね)

(それは任せといて!)

    (明日からは多分行けます)


 翌日の朝にこんなメッセージのやりとりがあって、僕は今日も早朝の散歩と学校を休んだ。その日の午後にはすっかり全快になっていて、2日休んだ分の勉強をしたりして過ごした。

 それでも夕方には手持無沙汰な感じになって、いつもの場所へ散歩に出かけた。


 夕方の城跡公園はやわらかい空気が流れている。冬だから寒くはあるのだけれど、早朝のような引き締まったものは感じない。こういうのも悪くはない。


「にゃあ、にゃあ」


 猫のチョコを見かけた。チョコは自転車を押して歩いているぽっちゃり目のおばさんに付いて行っていた。僕のことには気づいていないらしい。あのおばさんにエサを貰っているのかもしれない。


 僕はいつものベンチに座り、なんとなく持ってきた英語の参考書を開いた。すると、


「あれ?もう起きてきて大丈夫なの?」


 振り向くとチョコちゃんがいた。下校途中なのだろうか。

 夕焼けの中に映えるチョコちゃんに見とれてしまう。


「どうしたの?体調良くなった?」

「う、うん。なんか暇で散歩に出てきちゃった」

「どれどれ?」


 チョコちゃんが右手のミトンを外して、その手を僕の額に当てる。


 ちょっ・・・不意打ちがすぎる・・・。


「うん、問題ないね」


「チョコちゃーん。その子だれー?」

 チョコちゃんと一緒に下校していた女の子が聞く。


「うん、最近出来た友達ー」

「そっかー。じゃあ、あたし先に行くねー」

「うん。また明日ね」

「ばいばい」


 その時、その女の子と目が合った。


 僕は、なんとなく会釈をした。


 その女の子は手を振って帰っていった。


「良かったの?」

 僕はチョコちゃんに聞く。

「大丈夫。そこで別れるところだったし」

「そっか」

「チョコちゃん見なかった?」

「今見てる。・・・あっ」

「いやいや、わたしの事じゃなくてね・・・」

「ごめん。自転車のおばさんに付いて行ったよ」

「あーあの人か。あの人実質チョコのお母さんよね」

「そうかもしれないね」


 その日はそんな話をして、チョコちゃんと別れた。


 チョコちゃんとは城跡公園を北側から出てすぐの交差点で別れる。あれ?ということはさっきの女の子帰り道は僕と同じ方向なのか。

 そんなことを考えながら家路についていると、曲がり角に淳成の制服の女の子が誰かを待っているように立っていた。さっきの女の子だった。


「あ、やっぱり明良くんじゃーん。久しぶりだから気が付かなかったよ」




 えーっと、この子僕の知ってる人だったっけ?

今作は極力登場人物を増やさずに進める予定でしたが、この子はどうしてもストーリー上必要っぽいです。その正体は次回明らかに!

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