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戦闘開始

そろそろ山脈迷宮のくだりも終わらせないと……

30 戦闘開始



扉を開けた先には、俺達の想像を遥かに超えた光景が広がっていた。

まず目に飛び込んで来たのは、これでもかと言うほど主張してくる大量の鉱石の原石が組み込まれた壁。キラキラと自ら輝くその様はまさにプラネタリウムを見ているようだった。

そして、次に驚いたのはその部屋がボス部屋と同等の広さがあると言う事だった。


俺はあまりの美しさについ思った事を口にしてしまった。


「なんて……綺麗なんだ」


多分二人も俺と同じ事を考えているのだろう。こんな事をしている場合ではないが、攻撃して来ないならもうちょっとだけ、この時間を満喫しよう。

そう考えた瞬間、その望みはアッサリと壊されてしまった。謎のどこか硬い声によって。


「そうか、皆を美しいと思ってくれたか……」


「誰だ!」


俺達は一斉に剣を抜刀すると、声の聞こえてきた目の前に視線を向けた。


数秒後、何処からか空気を切る、甲高い音が聞こえてきた。


「なんだ?」


そう呟いた瞬間、俺達の目の前(十五メートル先)で、謎の物体が着弾した。

凄まじい着弾音と衝撃波が床を揺らし、体全体に震えが響く。


「後退!」


俺はそう叫ぶとバックステップで後退した。隣では同じように着地音が聞こえたため、二人とも後退した事を知っていた俺はルシフェルを再び構え直すと魔法を発動させた。


「光を!《フラッシュボム》」


ルシフェルの切っ先に黄色の魔法陣を展開させ、

そこから光り輝く弾が勢いよく前方に飛んでいった。

そして光の弾は少し先に飛んでいくと破裂し、辺り一帯に光を呼び出した。

その光によって現れた姿は、仁王立ちでこちらを見る、ゴツゴツとした岩肌のゴーレムだった。


「ゴーレム? 何故ここに?」


この山脈にゴーレムがいる話なんて、一度も聞いたことがなかった俺はそう口にすると、目の前のゴーレムは再び口を開いた。


「我が名はゾーン。この山脈を統治し、支配する者」


そう名乗ると同時に《フラッシュボム》の効果は消え、再び辺りは暗闇に覆われた。俺は、再び魔法陣を展開し、魔法を発動させようとしたその時、パチン! と言う指を鳴らす音が響いた。


その音が部屋全体に広がった瞬間、先ほどまで微量の光を発していた数多の鉱石は打って変わって、大量の光を放出しだした。

その光量は部屋全体を照らすほどだった。

そして、目の前にいるゾーンと名乗ったゴーレムの姿がハッキリと見えた。


身長は二メートル程。全体的に石を繋ぎ合わせて造ったような、正直、不恰好な形をしている。ただ指の部分だけは精妙に造られており、人間で言う第二関節部分全てに五色の鉱石がはめ込まれていた。

目には紫色の鉱石が、怪しげな光を発していた。

俺はルシフェルの切っ先をゾーンに向けると言った。


「どうして俺達に姿を見せた。現れなかったら戦わなくても済んだんだぞ?」


「ふ、我はお前達にかけたのだ。かの通路を突破し、ここにある数多の鉱石を見て何と言うかを」


「どう言うことだ?」


「ここにある鉱石達は皆、何十年、何百年とここにいるのだ。鉱石とは元々、お前達人間に使われるために生まれてくる。が、ここの鉱石達は違う。どんなに待ち、どれ程の年月をかけようとも使われることも、見られる事すら叶わないのだ……我もそうだった」


「それは……」


「まぁ、今ここに来たばかりのお前達には分からないだろう。我は元々鉱石だったのだ。だが、長い年月をかけ溜まりに溜まった鉱石達の意思が我を新しい者へと生まれ変わらせたのだ」


「……は? あのー、話が見えないんだけど?」


「しょうがない事だろう。貧弱な人間には分かるまい……この姿の意味が……! 貴様らを待って待って待ち続けた我らの気持ちがー!」


そう叫んだ瞬間、ゾーンの体から黒い魔力が溢れ出した。

俺の視界に、ゾーンのHPバーが現れた。どうやら俺達を敵と判断したらしい。

そして、あの漆黒の魔力は一度だけ見たことがある、暴走化の前兆だ。


「なっ! 暴走化⁉︎」


俺はそう叫んだ。


「リュート、指示を! 私達はどうするのですか?」


「リュートさん!」


二人も予想外の展開に俺に指示を求めてくる。


考えろ俺! 俺のレベルは二十、マヤとミドリは二人とも十八、ゾーンのレベルは二十二、勝てるか? 三人で? 三階層のボスですらレベルは十八だった。俺達はまだレベル二十の強さを知らない。でも……


俺は再び目の前のゾーンに顔を向ける。

全身から、漆黒のオーラを纏ったゾーンは先程までとは格が違った。何となく、直感だったがそれだけは分かった。


だが、逃げることもまた無駄だと言うのも分かっていた。逆に、格が違うと分かっている相手に背を向けて逃げる方が自殺行為である。


なら、俺達に残された道はただ一つ。戦うしか道はない。戦って勝つ、または奴に俺たちの力を見せつける。勝てるか、負けるかじゃない。勝つんだ。俺達三人で!


俺は心を決めると二人に指示を出した。


「戦おう……戦って勝つ、それしか俺達に残された道はない!」


俺がそう言うと二人は顔を見合わせ、笑顔を浮かべると、俺の目の前に壁になるようにして立った。


「流石リュート! リュートならそう言うと思ってました!」


「任せて下さい! 必ず勝って見せます!」


二人は剣を構えると、笑顔をやめて俺に言った。


「前は私達に任せて下さい!」


「だから、リュートさん! いえ、師匠!」


二人は再び俺の方に顔だけ向けると


「「援護は任せました!」」


そう言うと同時に二人は動いた。

仁王立ちでこちらを見てくるゾーンに向かってマヤは右に、ミドリは左に分かれるとゾーンの両サイド約十五メートル程の位置で剣を構え直した。


「女二人にあそこまで言うわれたら……引きこもりの俺でもやってやるしかないだろ!」


俺はそう叫ぶとルシフェルを地面に突き立て、両掌に魔法陣を展開し、魔法準備をした。一方、二人はその間に秘奥義を発動させていた。


「秘奥義、《ファイヤーソード》‼︎」


マヤの大剣から、紅蓮の炎が巻き起こる。


「秘奥義、《ウィンドブレード》‼︎」


ミドリの長剣から緑色の光が吹き荒れる。


「さぁ、弱者の人間よ! 何処からでもかかってくるがいい‼︎」


ゾーンがそう叫ぶ。


「さぁ、始めようか! 俺達の戦いを‼︎」


そう俺が叫んだ瞬間、両サイドで待機していた二人は地を蹴り、ゾーンめがけて走り出した。


今回も読んで頂きありがとうございます!

結構、山脈迷宮のくだりが長引いてしまっているので、少し焦っています!笑

まぁ、後ちょっとだけお付き合い下さい!


これからもよろしくお願いします!

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