武器屋での出会い。
これからもよろしくお願いします!
24 武器屋での出会い。
俺とマヤ、一矢団結、鷹の爪のメンバーがカルガルドさんと別れて一週間が経った。
アリサはあの後、一矢団結に入り、俺達と別れた。鷹の爪とは話し合いをして、もう少し一緒に居ようと言うことになり、二階層、三階層と共にボスを撃破し、昨日の夜、別れを告げて俺達は四階層に足を踏み入れた。
四階層には二つの国がある。が、それ以外に街などは存在しない。今から少しだけ、その二つの国を説明しよう。
ライトヒル城塞王国は二重の城壁に囲まれた、見た目通りに城塞都市の名に恥じない立派な国である。
そんな国の、各城壁内にはそれぞれ違った特色が設定されている。
まず外周部の城壁内にはこの国を死守する数多の兵士が待機している駐屯地と、市民エリアが広がっている。
市民エリアとは中世ヨーロッパの街並みを再現したもので、道端には毎日たくさん露店がひしめき合っている、とても活気のある場所なのだ。
更に内側の最奥部、もう一つの壁の中には重要軍事施設や貴族エリア、そしてこの国の王がいる煌びやかな王城が一際目立っている。
そんな国といつも争いを繰り返している国が一つある。その国の名前はエリシアン帝国。
この国は騎士や魔術師を中心に育成する機関を保有しており、少数精鋭と言った言葉が合う兵力を持っているのだ。
そんな王国と帝国、二つの国があるこの階層の名前は王国と帝国という、何ともそのまますぎる名前なのだ。
そして今日、俺が今いるのは王国である。なぜ王国を選んだかと言うと、王国は帝国にない様々な武器や防具、クエストが豊富にあるため、これから上の階層に行く為の準備がとてもしやすいのだ。
逆に何故、帝国を選ばなかったかと言うと帝国にはレベルの高いクエストや日数をかけて行うクエストしかなく、また武器や防具も重装備型の鎧や盾、魔術師が着るマントしかないため前衛である俺やマヤとは、相性が悪いのだ。
俺たちは今、ボス攻略で貯めた少しのお金を使って新しい武器や防具を買う為に王国、市民エリアの露店街にいる。
ある所では店主が張りのある声で、道行く人々に向かって、店頭に並ぶ多様な商品を紹介したり、商人とご婦人が新鮮そうな食材を交渉し会ったりと今までの中で一番、活気のある街。そんな露店街を俺は今、二人の少女と共に歩いている。
一人はマヤで、いつもと同じ軽装鎧に紺のスカートを履いている。いつもと違うのは特徴的な大剣を背負ってないことで、この大剣は第三階層のボスを倒した時に壊れてしまったのだ。
そして、二人目とは昨日の夜に一緒に行動することを決めた。その人物の名前はミドリ。鷹の爪に所属していたあのミドリである。
事の始まりは昨日の夜、俺とマヤが四階層に行こうと門まで歩いている時に突然、ミドリが俺達二人の元に飛び込んできて俺に言ってきたのだ。
「私を! リュートさんの弟子にして下さい!」
俺は理由を聞いたら、ミドリは俺の剣の技術に惚れたと言うのだ。一応メッセージをカイに送ってみたが、返事には 「ミドリの気持ちは分かっているので、ミドリをお願いします!」 と書いてあった。
なので万が一にもーー無いとは思うがーーチームのいざこざなんかに巻き込まれるのはごめんなので、ミドリに「本当に俺の弟子になりたいのか?」と聞くと「はい! 本気です!」と言うわれてしまったので、マヤの方を向くと、マヤは笑顔で「ミドリなら大歓迎です!」と言ってきたので俺はミドリを弟子兼チームの一人として仲間に迎え入れたのだ。
最初は俺の少し後ろを歩いていたが、俺はそれが嫌になったので。
「ミドリ、お前は確かに俺の弟子だが同時にチームの一人だ。そんなに、弟子です感オーラは出さないでいい。普通に俺達の横に並んで歩けばいいんじゃないのか?」
「いいのですか?」
「いいよな? マヤ」
「はい! そんなにおどおどしなくても大丈夫ですよ! 堂々と歩きましょう! ミドリ!」
「…はい」
そうしてミドリは少し顔を俯けながらも俺の横に並んできた。
それからミドリは最初こそ口数は少なかったが徐々に慣れてきたのか笑顔を浮かべるようになった。
そんな感じで俺達は睦まじく露店に並ぶ数々の品を見ながら目当ての武器屋と防具屋まで歩いて行った。
ーーーー
まず最初に行ったのは武器屋で、ここではマヤの大剣とミドリとの稽古用の剣を買おうと思っている。
壁は木で、柱はレンガで作られた平屋の屋根には武器屋と書かれた木の板がついてあった。そんな建物に俺達は入っていった。
部屋の真ん中には長方形の机が置いてあり、その上には様々な武器が並べられていた。
壁にも多種多様な武器がかけられていた。
部屋の奥には若い金髪男が机に突っ伏しながら寝ていた。
「何でこんなお店を選んだのですか?」
寝ている店主を見て、マヤが俺に小さな声で言ってきた。
「まぁ、ここの店の店主は寝ているけど腕は確かだし、意外にいい武器を置いてる事が多いんだよ、ここは」
そう言うと俺は棚や机に置いてある武器を見ながら歩き出した。
俺がこの店を選んだのには理由がある。
一つはこの武器は全て、この店の店主が作っていると言うこと。
店主が作る事によって多種多様な武器がこの店には置いてあるため、他の店には置いてない、品質の良い武器や、強い能力を宿した武器があったりと、中々に無視する事が出来ない店なのだ。
もう一つ理由がある。それは武器の安さである。銅剣一本が普通なら五千円、銀貨五枚に対してここでは銀貨三枚で買う事が出来るのだ。とてもお得である。
え? ケチって? しょうがないだろ! ボスしか倒してないからお金があまりないんだよ!
まぁ、そんな理由でこの店を選んだのだ。次に行く、武具屋も大体同じ理由である。
俺は箱に入っている剣を手に取って見ては直す。取って見ては直す。を繰り返した。
「これも違う…これも違う…これも違う…これも違う…これも違う…これも……ん? 待てよ?」
俺は慌てて一個前の手に取った剣を再び箱から取り出した。
刀身は黒一色の反りのある片刃。鍔はついておらず、柄の部分には黒のグリップがついている。柄、刀身と直接繋がっているため形は確かに少し違う。だがこの特徴的な片刃と黒の中に波打つ更に深い黒色は波紋だ。そう考えるなら……この剣は正しくあの「折れず、曲がらず、良く切れる」を具体化した武器、日本刀である。
俺はすぐに立ち上がり、寝ている店主の元に行くと店主を叩き起こした。
俺の行動を見てマヤとミドリが俺の事を見ているのが分かるが今はこの剣の方が大切なのだ。
「おい、店主! この剣! どうした!」
「うるさいな〜…俺が作ったんだよ〜…ん? お前……客か?」
「ああ、客だ、客! それよりこの剣、どうやって作った? この世界にはこの手の武器は無かったはずだよな?」
俺がそう言いながら剣を見せると、金髪店主は座り直し、机に肘を置くと体を前に出して俺が持っている剣に目を向けた。
「ああ、これは失敗作なんだ。切れ味と耐久力の二つだけに置いては、俺が今まで作った剣の中では一なんだがな、何せ片手剣にしては重いし、片刃だけだから対応力に欠ける、更に鍔がないから剣同士の戦いになったら不利になる。メリットよりデメリットが多い武器になっちまったんだ。だから、売れ残ってしまってな……この剣には済まない事をしたと思うよ」
なるほど…たまたま作れたのか。でも、もしこれが自分の意思で作れるなら訓練用の剣としては合格なんだがな。
俺がそう考えていると店主は剣から目を離し、再び寝ようとしたので、俺は慌てて声をかけた。
「ちょっと待ってくれ! この剣をもう一本作る事は出来ないのか?」
そう聞いた瞬間、店主の肩が震えた。
「あんた……その剣を買ってくれるのか?」
「もし、あんたがもう一本作ってくれるなら買おう。で、どうなんだ? 作れるのか?」
「……作れる。いや、作ってみせる。だが、一つだけ聞きたい。どうしてその剣を買おうと思った」
「俺は昔、これと似た剣を使っていたからだ」
これは俺がまだ中学生の時の話である。オリジナル剣技を作ってやろうと思って勉強をほったらかしにして世界各国の剣や流儀を勉強している時に俺は日本刀を使ってゲーム内でプレイをしていたのだ。
その結果、俺が今使っている剣技なんかも自己流の型なのだ。
話を戻してそれを聞いた店主は少しだけ口元を緩めると俺に言ってきた。
「その剣と俺が作った剣……どっちの方が優れている」
「……昔使っていた方だな」
そう俺が言った瞬間、店主は突然笑い出した。
「はっはっはっはっはっはっ‼︎ そうか! この剣より優れた、同じ型の剣があるのか! 分かった! 作ろう! いや、作ってみせよう!そのあんたが使っていた剣を超える剣を俺が作ってみせよう!」
あまりのテンションの差と一体何の言葉が彼の心に火を付けたのかは分からなかったが剣を作ってくれるのならありがたいと俺は思い、店主に手を差し伸べながら名前を言った。
「俺の名前はリュートだ」
「俺の名前はパウロだ! これからよろしくな!」
そう言ういながら握手を交わした。
「剣はどれくらいで出来上がる?」
「三日くれ。そしたら、必ず作ってみせる」
「そんなに早く出来るのか⁉︎ 凄いな、分かった。じゃー三日後にまた来る。それとパウロ。お前が作った大剣で彼女に合う大剣はないか?」
「そうだな……ちょっと待っててくれ! 奥に何個かあったはずだから取ってくる」
さっきの寝ていた時とは大違いのパウロを見ながら、何で勝手に話を進めるんですか! と、マヤに怒られ、戻ってきたパウロと話し合い、ミドリの訓練用の剣を買ったり、マヤの大剣を決めたりなどをしていた為、全てを終えて外に出た時には既に夜になっていた。
俺達は話し合い、防具屋は明日行く事にして、宿に帰った。
日本刀かぁ……何でか分からないけど自分は日本刀にロマンを感じます! 分かりますか? この気持ち?
今回も読んで頂き誠にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!




