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ボツ  作者: MC:テキtowtaka
第一章 ドン底ってこんなもん?
9/10

第九話 ペット拾いました。


「刀の場所は...」


ニーナと大和の二人は刀があるとされる場所に向かっている。相変わらず魔物は全くおらず2人の会話だけが響いている


「そう、だから連れてきた王国の騎士達も道中ではぐれてしまって...」


「そうなのか、ていうか、どうやってここまでたどり着いたんだ?」


「それなんだけど、多分中間地点のボスと戦ってたんだけど、部屋の床が抜けちゃって...多分その時に騎士達とはぐれたんだと思うんだけど...」


「中間ボスなんかあるのか...戦ったってことはお前もそこそこ強いのか...?(『鑑定』で覗いちゃおうかな...)」


「?....中間ボスを何体か倒さないとここまで来れない筈だけど、どうやってきたの?それと、こう見えても魔法には自信があるのよ!」


ニーナは自慢げにそう言うと無い胸を張った


「ソーナンダ、ココロヅヨイナァ」


「なんて棒読み!?露骨すぎるよ!!」


「別に全然棒読みじゃ...ん?あれは...」


「え?なにか見えたの?」


そんな他愛ない会話をしていると遠くになにか見える、大和はサバイバル中に獲得した『遠目lv3』と『身体強化lv5』の恩恵で辛うじて見えている位なので当然ニーナには見えていない。


「これは...『ハイ・ウルフ』の親子...?」


「え?そうなの.....ホントだ」


2人で近付いてようやくニーナも視認できたらしくそんな声を上げる。


「クゥーン」

「ガルルゥ」


親らしき『ハイ・ウルフ』が子供を背に喉を鳴らしている。虚空に向かって。


「一体何がおこっーーーーーーな、何!?」


その状況を見てニーナが呟いた瞬間、大和がニーナを抱えてその場から横っ飛びで退く。


「っ!?これは...」


ニーナがもといた地面をふと見やると放射型に地面にヒビが入っていた。


ズシン、ズシンと重いものが地面に叩きつけられる様な音が響く。言わずもがな透明な何かの足音だろう。


「...聞いたことがあるわ」


二人がジリジリと後退している中、ニーナが小さく呟く。大和は臨戦態勢のまま、目線だけニーナに送ると続けるよう促した。


「洞窟系ダンジョンの奥地には透明なゴーレムがいるって...」


「対処法は...?」


「...逃げる、だった筈だわ...」


「...」


ニーナの返答を聞くと再び沈黙する大和。


「どうするの...?このままじゃ...」


「.....!ーーーーーーそぅれ!」


何とも間の抜けた声で懐の自家製ポーチから飲料水の入った瓶を取り出し真正面に投げる。この行為は完全に運だったが、運良くゴーレムに当たってくれたらしい。


「!!ーーーーーー『フローズン』!」


一瞬だけ呆気に取られたが、流石は魔法に自信があると言うだけのことはある。直ぐに持ち直し7属性から外れた氷を詠唱破棄で発動する。


ゴーレムが凍りついたが、止まることはない、こちらに歩を進めてくる。...そう、氷のお陰で若干だが輪郭が見える。こうなればこっちのものだ。


ゴーレムの狙いはその場に棒立ちになった大和はだった。


「なっ!?ヤマト!!何やってるの!?」


ニーナがそれを見て叫ぶ。ゴーレムが腕を振り上げる。ニーナが魔法を打とうとするが、俺が射線にいるので打てないらしい。俺が邪魔してやったぜ。


「ヤマトォォォ!!!」


ゴーレムの肩から先がブレた。腕が振り下ろされたのだろう。凄まじい衝撃と暴風が土煙を巻き起こす。


「な...なんで、ヤマトぉ!」


今にも泣き出しそうな声で叫ぶ。目の端には涙を浮かべている。


「うるさいなぁ」


「.....へ?」


まだ収まらない土煙の中から、そんな気だるそうな声が帰ってくる。ニーナから間抜けな声が漏れる。それもそうだ、確実に死んだと思った、それが声を聞く限りピンピンしている。すぐさま魔法を打てるように準備する。


「大したことなかったな...」


土煙が収まるとそこには....可視化した、一見クリスタルで出来たゴーレムに片足を乗せて勝ち誇った顔をしている大和の姿が....

「.....」


今度は声すら出なかった。口をあんぐりと開けて思考停止しているようだった。


ティロリン♪


レベルアップしました。


その声で我に返る。一応ニーナもダメージを与えたから少しだが経験値が手に入る。


大和がこっちに向かってくる。


「どうやったの!?」


「あぁ、また今度な...それより」


「うぅ、絶対に後で説明してね!」


「確か干し肉持ってたよな?少しくれ」


大和の申し出に素直に従うニーナ、ポーチから干し肉を数個取り出す。


「はい」


「あんがと、ほら...これでも食えよ」


今度はこちらを警戒しているらしい『ハイ・ウルフ』の親子に肉を差し出す。


「グルルゥ.....クゥーン」


最初は警戒心剥き出しだったのが、肉の匂いを嗅いだ瞬間大人しくなって足に擦り寄ってきた。懐かれたらしい。可愛い。


「決めた、こいつらを飼う」


「...分かったわ。ひとまず拠点に戻ろう、魔物がいなかったのも本能的にゴーレムを避けていたからだろうし」


「そうだな」


こうしてペットを手に入れたヤマトたちは一度拠点に帰ることにしたのだった。

書ききれなかったので、大和のステータスやゴーレムとの戦闘(大和視点)は次回とさせて下さい、ごめんなさいm(_ _)m

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