第七話 寝床の確保
「今に見てろよ・・・その掌、返させてやる・・・」
そう静かに決意した直後―――――――
――――――――ぎゅるるるるるるるうう~~
猛獣が鳴いたような音が響き渡る。
「いつの間に腹に猛獣を飼い始めたんだよ・・・決まんねえな・・・っ!?」
唐突にのどの渇きと飢えが凄みを増す。体中から汗があふれだして、空腹に耐えきれず膝を付く。
「あ・・・・あぁ・・・」
まともな食糧なんてどこにもない。あるのは目の前に転がった生の魔物の肉のみ。大和は両手を地面に付き犬食いの要領で『ワイルド キャット』に噛り付く。咀嚼して飲み込もうとするが、体が受け付けない、今すぐ吐き出せと警鐘を鳴らしている。
「ぐ・・・ゴクン」
無理やり飲み込む、もとより食べるものなんか他にはないのだ。喰えば生きるかもしれない、だが喰わねば確実に死ぬのだ。
一口食べた後は早かった。二口、三口、ガツガツと食べ進める。生臭い血肉により口が、食道が支配されていく。
「っ!?・・・・ぁぁぁあああ!!」
激痛が体中に走る。それでも食の手を止めない。いや、飢えが完全に体を支配してしまっているので、体がいうことをきかない。見れば腕の皮がベロンと剥がれ落ちている。まるでニンジンをピーラーで剥いたかのようだった。
「ぐふッ!!」
遂に体の破壊が内臓に至りそこでやっと肉から離れる。
「やばい・・・やばい・・・」
地面を這って薬草の群生地帯に向かう。薬草を採っては食べ、採っては食べ、ようやく体の痛みが引いてきた。
「マジで・・・やばかった・・・」
仰向けに寝転がり体を休める。しばらく休んだところで体の異変に気付き、急いで立ち上がる。
「まじかよ・・・またテンプレか・・・」
大和の額に青筋がちらほら見える。もともと165cm位だった身長が175cmほどまで伸びているのが実感した。髪も伸びており、肩にかかるかという所まで伸びている。
「うわ・・・なんだこれ・・・すっげぇ視点がたけー」
そこじゃないはずだ・・・大和。ここで普通に驚くとテンプレにハマってしまったようで気に食わないので、誰に言うわけでもないのにそんな反応をとる。
「取り敢えず、安置探しにこの先でも進むか」
そういうとコケが生えた道の奥へと進んでいく。
どれだけ歩いただろう。3時間?4時間?・・・案外歩いてないかも・・・
そうやって歩いていくと壁沿いに人一人分やっと通れるような割れ目を見つける。
「お、ここ俺以外入れないんじゃね?」
そういって割れ目に入っていく。中にはテントやら机やら日記などがあった。
「この机どうやって入れたんだよ・・・」
そこだった。なんとなく日記を読んでみる。プライバシー?そんなものは地底にはねえんだよ!
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私はアルグレイ・レッドルーク。これを君が読んでいるということは、私はもう死んでしまったということだろう。君がどのような経緯でここにたどり着いたか分からないが、ここでは力が絶対だ。だからこそ君に力を授けよ――――
パタン。遺書?を閉じる。これ以上は読みたくなかった、だってこれ以上テンプレで力を手に入れたくないもん!でもこのテントとかは使わせていただこう。見れば暖炉もあるじゃないか、これで生肉とはおさらばだ。
こうして大和はテンプレを放棄して寝床を手に入れたのだった。テンプレでもいいから力もらっとけよ!というのは心のうちにしまっておこう。
遂にテンプレ否定しましたね。今までテンプレで力を手に入れていたのでちょっとやばかった(小説的に)




