第22話 アレース諜報部隊
なんか久々な気がする…
そうでも無いんだけどなぁ。GWなんだからもうちょい更新しろって事かしら?
精霊族のマインは資料庫に置いて、ゲイルを連れてやって来たのは俺の部屋。
最近ミリスは寝る時意外の大抵の時間を俺の部屋で過ごしている。
なんでも協力者である俺の部屋は落ち着くんだと。とは言っても、その表情の変化が乏しい顔からは中々読み取れないが。
それでも最近は俺の読み取り能力も上がってきたし、何よりミリスの表情は段々と色がついてきた様に感じている。
おそらく解決に向かっている今の状況がミリスを少しでも安心させる事が出来ているのだろう。
これで王様の精神支配も解くことが出来れば笑顔くらいは見れそうな物だが、王を誘拐するには流石に俺の技量が足りない。
居場所はなんとか判明した物の、守護している騎士達を突破するのが至難すぎる。
ちなみにゲイルを誘拐した時は、殆ど守護している騎士が居なかったので簡単に行う事が出来た。
まぁゲイルは魔王レグリズにとってそこまで重要な人物では無い、という事だろう。
「ミリス、ゲイルの精神支配を解いて連れてきたぞ」
「ありがとう、エイト」
俺はそれだけ行ってミリスの前から退き、ミリスもまた俺から視線を外しゲイルを見る。
ゲイルは一歩前に進み、椅子に座るミリスの前に片膝をつく。
「姫様、ご無事でしたか」
「えぇ、そこのエイトが私の精神支配を破壊してくれましたから。それよりも立ってください。それでは話づらいでしょう?」
「それは…いえ、そうですね」
厳ついおっさんのゲイルは一瞬ほっとした表情を見せ、スッと立ち上がる。
「姫様、私が精神支配を受けている間、何があったのかお聞きしても?」
「分かりました。貴方にはこれから色々動いて頂きますから。全てを知っていただいていた方がいいでしょう」
それからミリスは回りが少しづつ狂い始めるところからゆっくりとしゃべり始めた。
細部までかなり細かく話していたので、三時間程経ってしまった。
「ふむ、なるほど。それで今は魔王レグリズを倒す算段を立てているところ、という事ですな」
「そうです。彼の魔王が今回の黒幕なのはほぼ確定でしょう。ですが、フォレスガルムとの戦争の為に召喚されたエイトがかなり自由が許されているのは不幸中の幸いでした」
本当だったらこの国の正規軍の元、殆ど人としての扱いを受けていなくてもおかしくは無い。つまり兵器として扱われるが、様々な所でミリスやミリス私設騎士団が割り込んでいるお陰で俺はその様な生活をせずに済んでいる。
なので、魔王討伐に向け用意も着々と進んでいる。しかし、魔王に精神支配を掛けられている国王が何故魔王の対となる勇者の召喚を命じたのか、そしてここまでの自由を何故許しているのか、など疑問は尽きないが、いまはそれを考えていても仕方がない。
「小僧に魔王討伐に向け動いて貰っている事は分かりました。しかし、なぜワシを真っ先に精神支配から解放したのでしょう?」
「確かに戦闘面ではエイトやダン、ウィルが居ますから貴方に活躍の場は無いでしょう」
「そうですな。姫様の騎士団は他とは一戦を画しています。ワシに出番は無いでしょう」
『戦狂乱』なんて物騒な二つ名が付いているゲイルがそんな事を言うほどあの騎士団は凄いのか。どの騎士団も団長や副団長はあんな化け物揃いなのかと思っていたが、そうでは無い様だ。
「同じく権力的な部分でも私が居るのでそこまで必要とはしていません。私が求めているのは貴方の情報収集能力、諜報部隊を動かしてください」
「…まさかワシの家の諜報部隊の事を知られていたとは。流石姫様でございますな。国王様にさえ教えていなかったというのに」
「私の騎士団にも優れた者が居ますから。それでも一人では今回の件、難しいでしょう。そこで貴方の支配を解いた訳です」
ミリスの騎士団には優れた諜報員が一人いるらしいが、何分人数が少なすぎる。そこでゲイルの部下である諜報部隊を動かす事によって、いくつかの調査を同時に行う事にしたらしい。
「分かりました、姫様。して、その調査といのは?」
「貴方の諜報部隊には私が殺されなかった理由、並びに魔王レグリズのもっと詳しい能力について探って欲しいのです」
「それはまた…難しいご依頼ですな」
「おそらく貴族の中に初めから魔王レグリズと繋がっていた者がいるでしょう。そこら辺を当たれば少しは何か分かるかもしれません。出来ませんか?」
そう言って視線を鋭くするミリス。なんというか『王族』って感じだ。
「この人に逆らってはいけない」という威圧感をひしひしと感じる。
そんな視線を受けたゲイルはまた片膝をつき、臣下の礼をとる。
「承りました。この戦狂乱ゲイル・アレース、必ずや成し遂げて見せましょう」
「ありがとうございます。さて、貴方の部下も精神支配を受けていないとも限りません。エイト、お願いできますか?」
「分かってるよ、全員見ればいいんだろ?」
その後、三時間程掛けてアレース家の所有する諜報部隊、30名の精神状態を見たり、精神支配を解いたりしていた。
なんか最近やってる事が、異世界版精神科医の様になっているが…お陰さまで着々と精神魔法関連のレベルアップをしている。
なんか勇者とは違う気がするんだよなぁ。い、いや、魔法も剣も成長はしてるし大丈夫か?うん、ちゃんと勇者してる。
そしてそれから三日、今俺はレイダス、ロムと共に冒険者ギルドに来ている。
この三日の間には、遂に国王から戦争を1か月後に開始すると宣言され、国中が一時騒然となった。
俺はと言えば、その間に各方面においてそれなりにレベルアップ出来たと思う。
そして前回冒険者ギルドで依頼を受けた時に俺は異例の早さでAランクに到達、それに引っ張られる形でレイダスとロムもAランクに上がった。
という事で今回からはAランク依頼を受ける事になった。
「まさか俺達がAランクに上がる事が出来るとは」
「確かになぁ、俺とレイダスだけだったらずっとBランクだったろうな。ま、それはそれで良かったかも知れねーけど」
「いいじゃん、Aランク。そろそろBランクにも飽きてたんじゃねーの?」
Bランクの依頼ではゴブリンキングやオークジェネラルの討伐依頼が多い。ビジュアル的にはあまり低ランク依頼と変わらないので、俺は少し飽きた。
Aランクになると竜の下位種であるレッサードラゴンや石化の力のある煙を吐き出す蛇と鶏同体の魔物であるバジリスク、生前の能力をほぼ受け継ぎアンデット化したライフアフター、オークの頂点であるオークキングなどの依頼が出てくる。
もちろん、もっと低ランクの魔物が大量発生した場合も下位の冒険者には手に負えないので、こちらに依頼が回ってくる事もある。
「よっ、お前らも依頼かよ」
「ん、あぁゴージンか。そうだよ、そっちは?」
「俺らは一晩掛けてアンデットの討伐依頼をこなしてきたぜ。だが…お前ら西の山に行くなら気を付けろよ」
「どうしてだよ」
ロムが不思議そうな顔で理由を訊く。
「あぁ、いや。なんか嫌な予感がするだけなんだがな。冒険者ってのはこういう時の勘も大事にしなきゃなんねぇ。だから忠告をな」
「俺らが受けた依頼は西の山に住み着いたオークキングの群れの掃討だからな。忠告を感謝して気を付けて行ってくるよ。ホントにヤバそうだったら帰ってくるさ」
出来ればもう少し早くその話を聞きたかったが…既に依頼は受けてしまったので仕方ない。
キャンセルするにはAランク依頼はかなりの高額料金が取られる。俺達はキャンセルする訳にも行かず、そのまま西の山に向かうことにしたのだった。
ちょっと主人公弱くね?って思ってきた。
だって魔王と殺り合うんだよ?




