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こうして私は無双する・みかんVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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馬鹿な冒険者に福音の到来【5】

「ちょぉぉぉぉっと、待ったぁぁぁぁっっ!」


 移動費ゼロ!……と言う、ミナトの中では最大の出費が、パインの言い分を通す事で全てなくなる事実を知り、瞳をキラキラさせてパインの右手を握りしめ様としていた時、ココナッツのだみ声が周囲に轟いた。


 同時に、パインの右手を握ろうとしていたミナトの腕まで『ばっちぃぃぃんっ!』とぱたいて見せる。

 ハッキリ言って、痛い。

 ミナト的に言うのなら、そこまでする必要とか、あったの?……と、マジで言いたくなる様な行為ですらあった。


 しかしながら、ミナトの苦言が口から吐き出されるよりも早く、猛剣幕で捲し立てるココナッツの方が早かった。


「さっきから聞いていれば……何? 移動費がゼロになるからこの屋敷から引っ越すと? 話の構図からして矛盾してるじゃないの? もっと、柔軟に物事を考えてご覧なさい? 家はここに住んで、空間転移魔法テレポートも可能にすれば良いじゃない? 全く違うカテゴリーの内容なんだから!」


「……いや、そうは言ってもですね? ココナッツ様?」


 苛立った表情のまま喚き散らすココナッツに、ミナトはひたすらアセアセとなりながらも声を返すが、間髪を入れる事なくココナッツの口が動く。


「ってか、さっきから何?『ココナッツ様』って何? 私を何だと思っているの?」


「女神様だと思っております!」


「そうだけど……そうじゃないでしょっ!」


 そして、話の内容は地味にグダって行くのだ。

 ある意味、ミナトらしい会話でもあった。


「……あのね? こんな事を私は言いたくないの? 正直あんまり認めたくない部分もあるからね?……だけど言うわ? やっぱり言うべき事はちゃんと発言する必要があると思うから?……その上で行くとね? パインだって女神だと思うの? 違う?」


「まぁ、そうですね?」


「でも、ミナトはパインに対して『ココナッツさん』とか『ココナッツ様』なんて呼び方はしないし……態度だって、もっとフラットよね? 全然、女神様を崇める様な態度なんてしないわよね?」


「……だってパインですもん」


 ミナトはしれっと答えた。

 普通に、さも当然の如く、サラッと答えていた。


 言った直後に、パインが『はぁ? それっておかしくないですか? パインさんも女神様なのですよ? もっとミナトさんはパインさんを崇めるべきです、尊敬するべきです!』とか何とか言ってたけど、ミナトは平然とスルーしていた。


 つまるに、パインへの尊重なんて、最初からするつもりなど無かったのだ。


「……私も同じで良いのよ? 何度も同じ事を言うけど、私とパインは変わらない存在なの。だから、扱いも同じで構わないのよ」


「……それは難しいですよ、ココナッツ様……パインの奴は別に何処の宗派にも属していない、単なる野良女神ですし? もちろん信者も居なければ、誰からも崇拝されて居ないわけで」


 肩を竦ませながら答えるココナッツに、ミナトは少し困った顔になって言う。


 その直後、パインが『崇拝されて居なければ女神じゃないみたいな言い方は良くないですよ、ミナトさん! てか、そう言うのはこれからジャンジャンバリバリ増やして行く予定なんです! てか、近所の皆さんからは既に料理の女神様と呼ばれてるのです! ほら、もう野良女神じゃないではありませんか!』って感じで、必死にミナトへと訴え掛ける態度を思い切り見せて居たんだけど、やっぱり軽やかにパインをスルーしていた。


 本気でパインの扱いがぞんざい過ぎて、草しか生えないシーンと言えた。


「そこは認めるけど……別に、パインの能力が低い訳ではないのよ?」


「もちろん、分かっております……しかし、です? ココナッツ様? 例えば? 能力の高い冒険者がいたとして? その人のランクは極低だったとしましょう? 果たして、その人は周囲から尊敬の念を得られますか?……まぁ、無理です。そして、もう片方の人は能力とランクが同じく極めて高いとしましょう?……すると、どうなります? きっと高い羨望と尊敬の念が集中しますよね? つまり、そう言う事です」


「じゃあ、私が女神を止めれば良いとでも?」


「……普通に話すから、そう言う事はしないでくれ……」


 口を尖らせ、半べそになった状態で答えたココナッツの言葉に、ミナトはソッコーで白旗を上げた。


 なんとなくだが、本気で『女神を辞める!』とか言い出しそうだったからだ。


 そんな事になってしまったら大変だった。

 軽はずみなミナトの態度によって、ココナッツが女神を辞めてしまったのなら……彼女をを信仰する宗教団体が、ミナトを殺す勢いで殴り込みに来てしまう!


 宗教団体ほど、怒らせると怖い物はないのだ!


 ハッキリ言って笑えない暴挙に出そうだったココナッツを見て、ミナトは即座に及び腰となってしまった。

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