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# 50 シェリーと天ちゃんと一緒に

その夜の宴は『凱旋パーティ』の様に盛り上がった

外交問題がひとつ解決した感じでこれからの国づくりが楽になったのかな?

ここフォレストグラン王国は接している隣国はユーラシアン王国だけだから万が一の事態にも対処しやすくて良いのかも。

もちろん他国との争いなんてないに越したことはないないんだけどね


宴はクラーク王の挨拶から始まり、あちこちでグループも出来てそれぞれに盛り上がっていた

私も色んな人から声が掛かり、あちこちのグループの輪に混ざりながら宴を楽しんだ

以前のこじんまりとした家庭的な宴も楽しかったが、今は人も増え出されている食事も種類が豊富でどれも美味しかった

今後、町のお店が増えたら食べ歩きする楽しみが出来た気がして嬉しくなった


私たちがユーラシアン王国へ行っている間に村へ戻って来た人も増えていた

これから必要な物資も届き、お店を持ちたい人はそれぞれに必要な物も用意しているらしい

ただ……難しいのは誰が何処に店舗を構えるか……

早い者勝ちって言うのも後々問題になりかねない

とりあえず大まかな町の設計図を作って何処に何を配置するかを話し合うらしい

神官殿に留守の間のあれこれを教えて貰ったのだった

「今日は英気を養うと言う目的も含めた宴です。サクラ様もどうか楽しんで下さい」神官殿にそう言われた

英気を養うかぁ。みんな頑張ってるもんね……

みんな希望に満ちたキラキラ輝く瞳をしている……私も頑張らなくっちゃ!


宴は夜遅くまで続き、私も少しはしゃぎ過ぎてしまったかも……頃合いを見て神官殿に声を掛け帰宅した

「ふぅ〜ちょっと食べ過ぎちゃったかな〜。お腹苦しい……」

「大丈夫ですか? サクラ様……お薬お持ちしますか?」

シェリーが気遣ってくれる

「ありがとう。でも大丈夫。しばらく休憩したら消化するから」と言って私はキッチンでお水を1杯飲んでソファーに横たわった

シェリーがブランケットを掛けてくれる

「ありがとう……シェリー」えっ? シェリー?

私はガバッと起き上がってシェリーを見た

「シェリー? 今ブランケット掛けてくれた? 」

「……はい……サクラ様にブランケットを……と思った事が現実になりました……」

「どうして? ここはアイテムボックスの中じゃないのに……」

「他の事も試してみます」シェリーはそう言うとキッチンへ移動する

何をしようとしているのか私も気になって後に続く

水道のレバーが上がり水が流れ出す……

さっきお水を飲んでそのままシンクに置いたコップが洗われている……

まるで透明人間が洗い物をしている様にコップとスポンジだけが動いていた……

「シェリーが洗ってる……んだよね?」

「はい。ワタクシの思う通りに動かす事が出来ます!」

「あ〜……ありがとうございます……」独り言の様に……何だか泣き出しそうな声でシェリーが呟いた


「どういう事だろうね? シェリーが進化したの? ユグドラシルの実に関係あるのかな? 」シェリーの急な変化の原因に思い当たる事がそれしかなかった

「ちょっとノーム様の所に行って来る」私は駆け出した

「ワタクシもお供致します」シェリーが追って来てその後に天ちゃんも「ボクも~」と続いた


「ノーム様」祠の前で声を掛ける

《おぉ、サクラか……入って来るが良いぞ》

あれ? 昼間の草原じゃなくて普通のお部屋だ……

《揃ってどうしたのじゃ?》

「あの、少しお聞きしたい事があるのですが……」


《ほぉ〜なるほどのぉ~面白い連鎖反応じゃのぉ〜》

「えっ? あの……ノーム様?」私は何も言ってないのにノーム様は何やら納得されている模様……

《おぉ、すまんすまん。話を聞くより見た方が早いと思ってのぉ》見た方が……って何?

《シェリーは家の中でも自由に行動する事が出来るようになった様じゃのぉ。言い忘れておったが、ユグドラシルの実を口にするとその者の能力(ちから)は2倍から3倍に増強されるのじゃ。サクラのステータスやスキルが大幅に上がった影響がシェリーにも出たのであろう。》

言い忘れたって……結構重要な事なんじゃ……

まぁ良いのですが……


《サクラよ、後片付けが面倒だとか思ったであろう?》

うっ……何故それを……

《そしてシェリー、サクラが洗い物をしている姿を見て自分がやりたいと思ったのであろう?》

「はい……思いました……ワタクシが準備も後片付けもしたいと……」

《お互いの気持ちが噛み合ったのじゃろうて……サクラの特殊スキルも増幅されておるから、シェリーの能力……アイテムボックス内で可能だった事を亜空間まで広げる事が出来たのじゃろうのぉ》

「なるほど……凄いねそれ……」

んっ? って事は……これからはシェリーがあれこれやってくれたりするって事? むふっ……口角が上がる……

《サクラよ……シェリーに頼りきりはいかんぞぉ……》

「あっ……はい……すみません……」

恥ずっ……また己の不甲斐なさ……体たらくを晒してしまった……

「ありがとうございます……」シェリーが呟く

「良かったね。シェリー……あ〜いや、良かったのは私……かな? ハハッ……でも私に出来る事はちゃんとするから……これからもよろしくね」

もしかしたら天ちゃんも何か新しい事が出来る様になるのかもしれないね? なんて思ったりしたのだった


《おぉ〜そうじゃ。使いの者からもうひとつあったのぉ〜》

「はい? なんですか?」

《サクラのスキルで手に入る物は未来永劫途絶える事は無いそうじゃ。たとえサクラのいた世界が滅し様とも……》

「滅し様とも……って……それは嫌なんですけど……世界戦争とか? 地球の寿命とか? まぁ有り得なくはないのかもしれないけど……やっぱりヤダな……」

《サクラが手に入れている物はサクラの世界のそれを元に……同じ物を出現させておるのであろう。儂も詳しくは分からんがのぉ》

「神の御業……って事ですか?」

《ふぉっふぉっ……じゃろうのぉ》


私たちはノーム様のお住いを後にして自宅へ戻り就寝した

もちろん、その前に露天風呂に入って疲れもしっかり落とした


翌朝……リビングへ降りると良い匂いが漂っていた

「おはよ〜。なんか凄い良い匂いがするんだけど?」

「サクラ様、おはようございます。朝食の準備が出来ております」そう言ってダイニングテーブルに朝食をならべてくれる

トーストにベーコンエッグ、コンソメスープにミニサラダ。これぞ朝食! って感じに並べてくれる

「簡単な物で申し訳ございません……」

「

え〜十分だよ。どれも美味しそう! いただきます!」手を合わせてシェリーの作ってくれた朝食を食べる

「う〜ん。美味しい〜。ありがとうシェリー」

《シェリーのご飯、美味しいよ》天ちゃんもバクバクと食べていた

食後のコーヒーを飲みながらまったりする

「サクラ様、お料理の道具や調味料、食材を購入したいのですが宜しいでしょうか?」シェリーに聞かれる

「もちろん! 作ってくれるのね? ありがとう〜」

「はい。ただワタクシにはお料理のスキルがないようなので……凝った物は難しいかもしれませんが……」

「大丈夫だよっ! 今日の朝ごはんも完璧だったし。あれこれ揃ったらシェリーなら大丈夫。楽しみにしてるね」


そう……私のシェリーのイメージはお料理は得意ではないけれど、レシピさえあればそつなくこなせる有能さを兼ね備えているんだから!

レシピ通りに作れる能力があるってそれだけで凄い事なのよ……うん


「ねぇ、シェリー? 窓から外って出られるのかな? 一軒家ってお庭があるじゃない? ここは亜空間だけど、お庭ってあるのかな?」

「お庭ですか……今まではお部屋のみの住まいでしたから……窓を開けて見ましょうか?」

《ボク開ける〜》天ちゃんが窓に向かって飛んで行く

「天ちゃん! ちょっと待って!」慌てて天ちゃんを捕まえる

「一緒に! 一緒に開けよう? ゆっくりね?」

《分かった。ゆっくりだね》

「もしかしたらお外は別の亜空間って可能性もあるからね? そっと開けてみようね」

天ちゃんにそう言って、2人で窓をそろそろ開けた……


窓の外は……お庭だった……

しかも広いを通り越して広大過ぎる庭とは言えない土地がそこにあった……

でも、やっぱり庭なんだろうと思う……だって芝が敷き詰めてあるのだから……

そして洋風の東屋があったりもした

バラ園とか作ったらハマりそうな豪華なお庭だった

「広い……ですね?」シェリーもびっくりしている

「ホント……家が数件建てられるね。

天ちゃんとボール遊びとか出来たら良いな〜って思ったんだけど……どこまでも転がって行きそうで怖いな」

あ〜でも! ふっふ〜! 良い事思いついた!

「ここをプチ公園にしちゃおう!」


――つづく――





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