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#26 温泉活用ガイド

「ねぇシェリー、温泉……スーパー銭湯とか大衆浴場とかのデータをガイド的にまとめたらどうかなって思うんだけど……

色んなタイプの浴場の画像とか出してもらえるかな」

「はい、かしこまりました」

「あと、脱衣所の画像に、受け付けとか……フロント? あ〜番台ってのもあったかな? それから……他にはどんなのが必要だと思う? 」

「そうですね……今サクラ様が挙げられたものでよろしいのではないでしょうか? 建物等は専門家に任せて、温泉に関する設備だけで宜しいかと」

「うん、そうだよね……まずは大衆浴場を定着させて、それから温泉宿を建設する事にすればそっちの……宿の専門家に温泉をどう取り入れるかのアイデアが出てくるだろうし……

私たちの知ってる『温泉』『大衆浴場』はこんな感じだよ〜みたいなので良いかな? 」

「はい、それで良いと思います」

シェリーと2人でスーパー銭湯の浴場や脱衣所の画像をあれこれチョイスしてプリントアウトした

最初は画像をそのまま見て貰おうと思っていたのだが、そうするとシェリーにも打ち合わせの現場に出て来て貰う事になる……

出来ればそれは避けたいと考えて、画像をプリントアウトする事にした

プリンターの購入が必要になるし、その他必要な物もあるけど……必要経費として思い切ってあれこれ購入した

思い出したんだけど私ってばお金持ちだった……

でも、お金は使えば無くなるんだから……

今回は無駄遣いな気もしないではないのだけれど……

また何かの役に立つ事を信じて!!

ポチポチと購入しました!!


そして、更に念を入れての作戦を実行する事にする……


部屋を出て、アレクかアレスがいないかな? と辺りを見回す……う〜ん、こういう時に限って見当たらない……まぁ、そんなものだよね……一種のあるある?

あの2人とは一緒にいる時間が長かった事もあって、何となく色々話しやすいんだよね〜

村の中を歩いて見つけた子供たちにアレクかアレスが何処に居るか知らない? と聞いてみた

「神官様の所だと思うよ、精霊様のお社のお話してたから」と2人の情報が得られた

早速、神官殿の所へ向かうと『社』建築の打ち合わせをしているようだ

神官殿がすぐに私に気付いてやって来た

「サクラ様、今新しく建てる『精霊様のお社』についての大まかな設計図を作っている所です。ご覧になられますか?」とニコニコ説明してくれた

「……ありがとうございます。でも私はそう言うの詳しくないので見ても分からないかと……すみません……あっ、もしかして建築とかそっち系がお好きなのですか? 」と何となくそんな気がして聞いてみた

神官殿は少し驚いた表情を浮かべたが、

「はい……実は子供の頃から建物を見るのが好きでして……今度新しい『社』や町づくりに参加出来る事はとても楽しみなのです」と少年の様な瞳で語ってくれた

「……あっ、すみません、何か私に御用があって来られたのですよね? 」と思い出した様に神官殿が恐縮する

「いえいえ、大丈夫です……お忙しい所、お邪魔してすみません……実はお願いがあって……」と話を始める


「私たち今、温泉の浴場とかのイメージを作ってるんですけど、絵を描くのが上手な人が居たら手伝って欲しいな……って思ってるのですが……」

「絵……ですか? 」

「はい、建物とか風景とか描くのが上手い人って居たら紹介して貰えませんか? 」そうお願いすると

「ちょっと待って下さい」と言うと「アレクー」とアレクを呼んでくれた

そして「この村の人間に一番詳しいのはアレクです」と言った

アレクがすぐに走ってやって来た

「はい、なんでしょう? 」相変わらず元気の良い好青年だ

「アレク、サクラ様が絵が描ける人間をお探しだ、心当たりはあるか? 」と聞いてくれた

「絵……ですか? それでしたらアレスが良いとと思いますよ」そう言うと「アレスー」と今度はアレスに声を掛ける

アレスもすぐにやって来てくれた

アレスに事情を説明し、手伝って欲しい事を話した

それと同時に、アレスがこちらの作業から抜けても大丈夫かと神官殿に確認した

「俺で良ければ……」とアレスも快諾してくれ、神官殿からの許可も降りた

じゃあ早速……と、アレスには私たちの所へ来て貰う事にした


まずはアレスにあれこれ印刷した画像を見てもらう

「……………」無言で印刷物を見ていくアレス……

「これ……どうかな? みんなに見せても驚かないかな? 」

「驚きます……俺はサクラ様のとんでもない力を少しは知っているので多少は平気ですが……」

「……やっぱり……そうだよね……」

まぁ、それは想定内だからアレスに来てもらった訳だし!


「それでねアレス、この写真を……あ〜これは『写真』って言って見たものをそのままの姿をこうして紙に記録出来るの、もちろん元の物にはなんの影響も与えないよ」

「そうなのですか……」要領を得ない顔をしているが、私には分かりやすく説明する能力はない!!なので話を進めよう!!

「それで、これをみんなが見ても大丈夫な様にアレスに描いて欲しいの」

そう言ってアレスの前ににスケッチブックと鉛筆・消しゴム・定規などの筆記用具を出した


とりあえずお手本的に描いて見せようと思う……

スケッチブックじゃ勿体ないから、普通のコピー用紙に『大浴場』を模写してみせる……

「え〜っと、私は絵が得意ではないからこのレベルで使い物にならないんだけど……

アレスだったらこの写真と同じ絵が描けるんじゃないかな? 」

私の絵を見て唖然としてアレスにそう声を掛ける

そんな顔しなくたって良いじゃない……

まだ笑ってくれた方がマシな気がする……さすがの私も傷付くよ〜


「あっ……すみません……

俺……サクラ様には出来ない事なんてないって勝手に思ってたから……ぷッ……」

「あ〜今笑ったでしょう?!」

「いえっ!!決して笑ってなど!!」

……そうは言っても肩震えてるよ?!

「も〜……私も自分でも酷いと思うから良いよ、でも他の人には内緒にしといてね! 」

そう言いながらアレスの背中を叩いた

何だかアレスの顔つきが穏やかになった気がした……


「それにしても凄い量ですね……」

アレスは分厚くなっている資料を見やる

「うん……ついあれもこれも……って欲張っちゃった……ははっ」


「アレス様に描いて頂く画像をもう少し絞りましょうか? 」シェリーに提案された

「うん、そうだね、え〜っと、こっちに避けてある分が一番使えそうなやつだから……まずはこっちから描いてくれるかな? 」

と、アレスの前に画像を並べた


アレスが画像を見てスケッチブックに鉛筆を走らせる……

おぉ〜なんか絵描きさんみたいだ〜

思わずパチパチと手を叩きそうになったが堪えた……

みるみる『大浴場』が形どられて行く

「凄〜い……ほんと上手だね……」感嘆のため息と共に口から出た

「いえ……そんな事は……」

照れくさそうにしながらもアレスは絵を描き続けている

「こんな感じですかね? 」

ある程度描いた所でアレスが鉛筆を置いた

「うんうん、凄いよアレス!!こんな上手いなんて驚いちゃったよ〜完璧だね!!」

アレスの描いた『大浴場』を見てテンションが上がった


「アレスの絵があれば『大浴場』やその他の施設がどんな感じなのか分かりやすいね」

そう言ってアレスに向き直り「ありがとう、アレス」とニッコリ微笑んだ


「大丈夫です……俺で役に立てるなら……これ、描き上げちゃいますね」と、何だかアレスがアワアワしている様に感じたのは気のせい?

「うん、じゃあお願いね」


「シェリー、アレス、少しの時間ここは2人に任せても良いかな? 私、ちょっと精霊様の所に行って来たいの、良いかな? 」


「はい、承知しました、行ってらっしゃいませ」

シェリーにそう言われて私は立ち上がった

アレスは頷いて、またスケッチブックに向かった


《サクラ様〜ボクも行きたい〜》

天ちゃんが私にまとわりついて来た

「うん、良いよ、一緒に行こうか?!天ちゃんもずっとお利口に待っててくれたもんね、一緒にお出掛けしよう! 」

私は可愛い天ちゃんを連れて精霊様の元へ向かった


――つづく――


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