04:一応彼氏ですから。
私は、寂しくて悲しくて一人で泣く日がある。理由は98%位の確率で、推しが死んだ時なんですけどね!!
今期イチオシで録画して見ているアニメを全裸待機してからリアタイで真夜中に見ていたんですよ私は。
『大丈夫、わたしはずっと、リュウのそばにいるからね。』
「あああああ!!!!死なないでよぉぉぉぉおおお!!!!」
儚い系美少女だから死亡フラグは立ってた。分かってたのに!!!ボロボロ泣いて、もう立ち直れない辛すぎるほんと無理、なんで推しキャラすぐ死んでしまうん……?なんて事をツブヤイターで呟いたら、凛から電話が来た。
《生きてっか。》
「うぇ、むり、しんど、しぬ」
《はぁ。今からそっちいくから。》
1分後に本当に来たんだけど、私はバスタオルで涙拭きながら号泣なうでして。
エンディングが推しキャラの名シーンに変わってて、んもおおお!!!ってまた泣いてる最中だったんだよおお!!!
「りん、ミーナたんがしんでしまった」
「ヒロイン?」
「ヒロイン、らいしゅーさいしゅーかい」
「蓮が1番苦手な終わり方しそうだなおい。」
「かみあにめだけどなきすぎてつらい」
凛はもう慣れっこだから、ちょっと呆れた顔して床でごめん寝してる私の横に座ってあぐらかいて、ほら、って言うから。
いつも通り股間にごめん寝して号泣。股間の使い方間違っててごめん!!しかも泣きまくってスエットの股間の部分がびしょ濡れで、お漏らしってか……夢精しちゃった!みたいになっててほんとごめん!!!
「落ち着いた……毎度すんません。」
「ちょっとスエット履き替えてくる……」
迷うこと無く寝室に行って迷うこと無くクローゼットの中のクリアケース【りん】って書かれたそれから、私の家に置いてるスエットに履き替えて戻ってきた。
ぶっちゃけ、洗濯はするけど干しっぱなしだから、凛が畳んで片付けてくれてるんだよね!!掃除も凛がしてるし、完全にお世話されてる。女子力は母ちゃんの子宮に置いてきた。
「明日バイトだろお前。」
「午後からね。」
「特別に一緒に寝てやるよ。さっさと寝るぞ。」
「……なぜときめけないんだ、私!!」
「毎回これじゃ新鮮味も何もねぇだろ!!」
その通りです。
落ち込みつつも寝室に行ってベッドに潜り込んだら、本当に凛はここで寝るらしくて、布団の中に入ってきた。
「ほら。」
「滾る。」
腕枕してやるよ、って腕伸ばされて、これを!!あのカプで!!是非!!!と思ったら滾ってしまいました!!ごめんなさいませ!!!
「寝とけ。俺も寝るし。」
「うん。」
「泣いてる彼女一人にしておけねぇだろ、って言いてぇよ……なんでアニメで泣いてる彼女慰めてんだ俺は。」
「心痛めた可愛い彼女だからでしょ、うん。」
「可愛いのは顔だけだけどな。」
「中身を見て中身を!!」
「オタク、腐女子、喜怒哀楽激しい。ひねり出して褒めるとしたら、寝顔がクソ可愛いことくらいしか出てこねぇよ。」
「それも顔なんだけど??」
「とりあえず優しいやつってことにしといてやるからもう寝ろ!」
一応彼氏なんで。たまにこうして甘えるけど、私を甘えさせてくれるのは凛だけだから、その好意は有難く受け取る。
でもごめん!やっぱりあのカプに腕枕で寝て欲しいから、起きたら支部行ってちょっとイラスト漁るわ!!!