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避難所

南へ向かえというニケルの言葉通り南に向かおうとしていたが獣道はグネグネですでに方角がわからなくなっていた。木々に阻まれ太陽は見えない。・・・それ以前に太陽は西へ沈むのか?

この世界の常識を良く知らないことが仇になっていく。

とにかく前へ進まねば。

木々の中を分け入っていくと岩壁にぶち当たる。見上げると4mほどの高さがあり素手で登れるようなものではなかった。仕方なく岩壁沿いに斜面が上がってる方向へ歩いて行く。


「ギィ、ギィィィィッ」


そんな鳴き声がして振り返る。まだだいぶん遠いと思われる。

たぶん先ほど倒した魔獣の死体のあたりだろう。

くそっ。やっぱりくるのか・・・・。

俺はセナの肩を抱き少し歩を速めた。

セナはもう自分でまっすぐ歩けないくらい消耗していた。

岩壁沿いに進むと岩壁に人が通れそうな切れ目を発見する。

その切れ目の少しくぼんたところに松明らしきものが刺さっており

なにかの目印のようになっている。

俺は気になり岩の切れ目の中を覗いてみる。

すると狭い通路の奥へと続いていた。人が1人なんとか通れるくらいの広さだ。

俺はセナに振り返り


「もしかしたらここで休めるかも。少し中をのぞいてくる。ここで待っててくれ」


そう告げて岩にもたれかけさせる。

セナは少し目を開けて一瞬俺の袖をつかんだが

すぐに手を離し


「お願いね」


小さな声でそう言った。

俺は背負った少女の頭が岩に当たらないのを確認して中に進んでいく。暗くて分かりにくいが奥へはいると広くなった場所へでる。さすがに真っ暗で分かりにくいがここは隠れることができそうだと判断した。

俺は一旦外に戻り、入り口にかけてあった松明に持ってきた雑嚢から火口箱を出すと松明に布を巻きつけて火をつける。


「セナ、この奥が広まっている。この通路なら魔獣はたぶん通れない。ここでやり過ごそう」


とにかくセナを休ませてあげたかった。

2人同時には通れない以上セナの手を引いて切れ目の奥へと進む。

背負った少女をぶつけないように、セナに気を遣うように進むのは至難の業だったがゆっくり歩を進めてなんとか広いところまででる。

火のおかげで中を確認するとかなりの広さだった。学校の教室より少し狭い、くらいだろうか?

しかも荷物が置いてあり、毛布や腐らない乾パン、ランプなどが置いてあった。たぶんここは村の避難所として準備された場所なのだろう。少し奥に湧き水が酌めるところもあり俺は毛布を敷きセナを座らせる。そしてすぐ水を置いてあった椀で掬いセナに飲ませる。


俺も湧き水を手で掬って喉を潤す。

・・・生き返るっ!!!

毛布をもう一枚敷いて眠っている少女を背中に縛っている紐を外して横たえて

俺も一息つく。

もう一度セナの様子を見る。

呼吸は安定しているが顔色は悪い。一度傷口を見た方がいいか?

「セナ、一旦傷口を洗浄しておくか?」

俺が声をかけると彼女は薄っすら目を開けてコクリと頷く。

縛った包帯代わりの布を取り除き、おさえていた布をのける。

傷口はまだ血が出ていた。おいてあった荷物から酒を見つけてあったのでそれを振りかける。


「ぐっぅ」


セナが痛みで声を上げる。

俺は一緒に置いてあった比較的綺麗な布を用意してそれにも酒を振りかけて傷口を抑える。そしてもう一度布できつく縛っておく。

顔色が悪いのはたぶん血が足りてないのだ。

なんとかしなければ。

俺はどうするか思案する。

いや。やるべきことは解っている。

一旦俺だけでも戻って道具を準備しに戻るべきなのだ。

だが彼女を放っては戻れない。

しかも・・・いつ戻れるのかが分からない。

『時空自在』は連続使用できない。一旦ペナルティが起こってからでないと使えないのだ。

おれはどうするべきか悩んでいると、


「パパ?ここは・・・どこ?」


か細い声が聞こえてきた。

眠っていた少女が目を覚ましたのだ。

有事の際の避難所はだいたい用意してあるもの。特に危険がある世界では。

サバイバル知識が皆無なのでこの辺の話どうしようってとこです。

突っ込みはできれば・・・勘弁していただけると・・・助かりますw

さて欄外スキル紹介

今回は『時空自在』

時空を超えて移動できる「どこでもドア」スキルなわけですが時間軸は超えれません。

時間軸を越えて覗くことは可能なんですが主人公は知りませんw

あとペナルティで体の一部機能停止を食らうのですがどこがどうなるのかはランダムです。

経過時間、ペナルティが起こるタイミングもランダムです。ペナルティが起こるまでは使用不可です。

ついでに身に付けている物は一緒に移動しますが生命活動しているモノは移動しません。

強力であるがゆえに制限を付けました。これがいつでも使えると「場所」の概念が崩壊しますからね。


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