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接吻

さすがにその後全裸でボッコボコにされる気にはなれず、彼女たちも今日はここまでと思ったのか2人は俺に興味を失ったように談笑しながら帰っていく。

・・・・俺は放置だった

ファイネンだけはまだ待っててくれたが舌打ちしそうな怖い目で俺が起き上がるのを待っていた。

俺はなんとか立ち上がり毛布をかぶる。こわいよー。


「では戻りましょう」


彼女はスタスタと歩き出す。

速い・・・おれは重い体を引きずりながらなんとかついていく。

必死に追いていってなんとか自分の部屋まで辿り着く。

ファイネンはボロボロになった俺をさっさと部屋に放り込むと一礼をして去っていった。

俺はその場に倒れ込みそのまま深い深い眠りについた。



コンコン、コンコン

部屋のノック音が聞こえる。

俺はその音で起き上がる。

いってぇぇぇぇぇぇ。全身が痛すぎて動けない。


「は・・・はぃぃぃ」


なんとか返事をすると扉が開きファイネンが立っていた。


「・・・・芋虫の真似ですか?」


かなりひどいことを言う。


「す、すいません。あのままここで寝てしまって・・・・体が痛くて動けんのです・・・・」


俺は情けないがもぞもぞと芋虫のように移動する。

ファイネンは情けない芋虫を冷たい目でみて


「・・・・お夜食をお持ちしました」


そう言って厳しい目で見る。

その眼をみて


「あ・・・」


俺は「夜食」の意味を理解した。

一気に飛び起きて服を探しさっと着る。

そしてファイネンの元へ飛んでいき


「・・・ありがとうございます」


そう言って台車を受け取る。

ファイネンはお辞儀をして


「また2時間後に」


と言って部屋を出ていった。

俺は台車を昨日と同じ位置までゆっくり運び台車の上部を持ち上げる。

中にはやはりルシアナがちょこんと座っていた。


「・・・・こんばんわ」


彼女は照れ臭そうに笑った。



彼女は昨日と同じように水晶球を持ってベッドへ上がる。俺もベッドに上がるがさすがに体が限界だった。ばたんと倒れるのが精いっぱいだった。

ルシアナは心配そうに


「大丈夫ですか?相当大変だったと伺ってます。シュレンにもセナにもあまりひどいことはしないようにお願いしていたのですが・・・・」


彼女は申し訳なさそうに謝る。

そんなルシアナにせいいっぱいの笑顔を見せて


「俺が頼んだのさ。『完璧防御』がどこまでできるかを知っておくことは俺の命を救うことだからな」


そう強がって見せた。

ルシアナは俺の頭を引き寄せて自分の膝に乗せる。

ああ、ついおとといのことなのになんか懐かしい感覚だった。


「あまり無理をしないでくださいね」


そう言いながら俺の髪を優しくなでる。

俺は今日一日をこのために頑張ってこれた気がしてならなかった。

彼女は俺の頭を撫でながら


「明日はマーファに会ってみてください。彼女は教団内では魔力も知識もある魔法使いです。『時空自在』に興味をもってましたからその解明に尽力してくれると思います」


ちょくちょく聞く名前だった。そういえばシュレンもセナもその名前を挙げていたな。


「シュレンもセナもその子のことを知ってたみたいだけど?」


そう聞いてみるとルシアナはちょっと困った顔をして


「ああ、私たちは子供のころからの知り合いなんです。マーファはそうでなくとも教団内では・・・目立った子ですから」


彼女は苦笑いをしていた。ちょくちょく物騒なところで名前を聞くあたりトラブルメーカーなのだろう。・・・明日も覚悟をして臨んだ方がよさそうだ。

気がつくと俺はウトウトしていたようだ。

彼女の膝枕の暖かさとその優しい撫で方は一瞬で俺の意識を刈り取ったらしい。

俺が目を開けるとルシアナの顔がドアップになっていた。うおっ、びっくりした。

彼女もまたスースーと寝息を立てていた。

座ったままという大変しんどい恰好なのに寝入ってしまっている。

俺は痛い体を動かし彼女の下から這い出る。

それでも気づかぬくらい寝ているようだ。

俺は優しく彼女を横たえる。

軽い体だった。こんな体でたくさんの人と関わる仕事なのだと思うと大変だなと思った。

どれくらい時間が立ってるのかが分からない。

水晶球の効力はどれくらい残ってるんだ?

そろそろ起こすべきなのだろうか?

とか考えていたが彼女の寝顔が可愛くてついそちらに気がいってしまう。

昨日と同じように子供のような天使の寝顔だった。

ほっぺたにふれるとぷにぷにして気持ちいい。

優しく髪に触れ頭を撫でると擽ったそうに首をすくめ薄っすらと目を開けた。


「あれ・・・私も寝てたのですか?」


彼女はまだ夢み心地な顔で言葉を発する。


「そうだね。ルシアナも疲れてたんだろ?いつもありがとう」


俺はそう言いながら頭を撫でる。


「いいえ、右も左もわからないのに協力してくれて私こそありがとうございます」


ルシアナは申し訳なさそうに俺を見て俺の顔に手を伸ばし頬を撫でてきた。

その彼女の優しい眼に俺は釘付けになった。

潤んだ彼女の瞳、柔らかそうな唇。吐息の甘い匂い。

頭がくらくらして何も考えられなくなる。

ゆっくりと引き寄せられるように彼女の唇を自らの唇で塞ぐ。

これが女の子の唇の感触。

頭の芯から蕩けるような感覚。

湧き上がるルシアナへの感情。

もうぐちゃぐちゃになって分からなくなっている。

もうどうなってもいい。頭の中が真っ赤かに脈打っている。いったん唇から離れて彼女を見る。

ルシアナもゆっくり薄く目を開き熱い吐息を漏らす。俺はもう一度彼女の唇を奪い強く吸い上げる。


「コンコン」


ドアのノックが鳴る。ハッと我に返る。

彼女はまだトロンと惚けていたが


「ルシアナ、まずい時間だ」


そう言って頬を軽く叩く

パチリと瞬きをしたルシアナはガバっと起き上がる。その拍子におでこで顔面どつかれる。


「~~~~~」


「ぐあぁぁぁ」


2人で頭を抑えて転がる。

だがすぐに起き上がり帰り支度を急ぐ。

ルシアナは狭い台車の中に戻り、こちらを見上げる。俺は彼女を見てもう一度軽く口づけををして


「じゃあ、また明日」


そういうと彼女照れながら優しく微笑んで


「また明日、ゆっくりお休みください」


それを聞くと俺は台車を閉めてゆっくり扉の前まで移動させ扉を軽くノックしたあとベッドに戻りもぐりこんだ。

もう一度ノックがされて扉が開き台車は持ち出される。


俺は忘れてた体中の激痛に耐えながら彼女の唇の温もりを思い出す。

しばらく悶々とベッドの中でごろごろして眠ることはできなかった。


ラブロマンス。難しくてつらい・・・。

こう体がむず痒くなりますやねw

あんまし主人公がまともになりすぎないように注意したいと思います。

目指せ!!ハーレム。


ルシアナ可愛い。と思った方は高評価、ブックマーク、ルシアナ可愛いと感想をください。

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