33話 結界の中で
最上位級悪魔ヴィンフリートが作った結界の中、私は痛みに耐えながらか細い声をあげる。
う「…か…叶夏……ちゃん…」
黒い魔力の中に入った叶夏ちゃんは目を閉じている。
ヴ「知り合いか?こいつはたまたまそこらに居たから捕ってきたが知り合いだったか。まあ誰でも良かったんだがなぁ」
ヴィンフリートは不敵に笑う。誰でも良かった、私なら誰でも助けようとするところを漬け込まれた。以前に本来敵同士である美鈴ちゃんを助けたことによってその噂は魔界にも広がった。たぶんそれが原因。
確かに犠牲なんて誰も出したくない。だけど相手はそんなことも気にしない残酷な悪魔。殺すことになんの躊躇いもない。でも叶夏ちゃんは殺させない。絶対に!
う「っっつぅ!」
私は力いっぱい立ち上がる。そして言う。
う「あ、あなたの相手は私だから叶夏ちゃんは離して」
ヴ「ハッハッハッそれをおとなしく聞くとでも思ってるのかよ?俺はあく……」
ヴィンフリートは言い終わる前に顔のすぐ横に光が通った。
ヴ「………ああん?俺はまだしゃべってんだよ」
う「離して」
私が光を出した。ヴィンフリートの顔が暗くなる。
ヴ「あぁ?なんだぁ?その目は?」
私はどんな闇にも囚われないような希望に満ち溢れた目をしているのをヴィンフリートが見てにらんでくる。
ヴ「もっと絶望しろよな」
ヴィンフリートは叶夏ちゃん向けて闇の魔力を放とうとするけど私が一瞬でその前に飛んで光で止めた。
う「させない!」
体中が痛い!でも!私は必死に我慢する。そんな私を見てヴィンフリートは笑う。
ヴ「ははっ!いいねぇ!そうこなくてはなぁ始祖光!!」
ヴィンフリートは力を強める。
う『魔力を、力を、解放する!』
私は始祖光としての力を解放する。出し惜しみしてる場合じゃない。相手は悪魔、それも最上位。
その場は大きな光と闇でぶつかり合う。結界の中とはいえ衝撃が強く振動している。結界は作った本人が解くか、殺されてしまうと解除される。つまりヴィンフリートが解くか、私が倒すかの2つ。
接近戦やその弾みで中距離戦を繰り返す。私が光をいくつも繰り出してヴィンフリートが弾き、ヴィンフリートの乱打を私が必死に捌いたりをしている。すると戦いながらヴィンフリートが話し掛けてきた。
ヴ「ルードワイアンとか言う奴を倒したのはお前だってな」
う「っっ?!」
ヴ「まあ聞けや。奴は第三階級悪魔ベリアルの直属の奴でな。そいつはそいつでかなりの影響があったんだ。だがそいつはもう消えた。戦局が変わったんだよ。始祖光を狙う奴が今後もっと増えるぜ。ま、早い者勝ちだからな!その力、俺が貰ってやる!!」
う「きゃぁぁぁ!!」
ヴィンフリートの渾身が強く私は押し負ける。だけど私も負けじと力を強くする。
う「だ、だからなんですか!私はそんなこと関係無い!始祖光を狙うのは皆敵だから関係無いの!!」
私は力を複雑に分けて光をヴィンフリート向けて押し返し放つ。
ヴ「お前は人気者だな!」
だけどヴィンフリートは更に強く闇を放ちあっさりと光を飲み込む。そのまま闇は私の方へ来て守る態勢になるけど力が及ばず私は倒れてしまった。
つ、強い!本当に強い!
う「っっかは……はぁ…はぁ」
誰も助けなんて来ない。私はここで終わりなの?それで?捕まって何されるのか知らないけど始祖光の力で世界を壊すの?それはダメ。でももう……
ヴ「やっぱりお前弱いな。始祖光だから強いと思っていたんだがなぁ」
ヴィンフリートが倒れる私に近づく。そして片手で私の両腕を手首から掴んで持ち上げる。
ヴ「悪いなオッサン達。俺がとっとと終わらせて……」
?「その汚れた手を離しなさい」
ヴ「っっぐぁぁ?!」
突如聞こえた声と同時にヴィンフリートの手を光が貫いた。私は再び地面に倒れる。ヴィンフリートは手を抑え叫ぶ。
ヴ「だ、誰だぁ!!っっ?!お、お前は!なぜだ?大戦で力を失ったはず……」
う「っっえ?!フェリさん!」
突然空からフェリシエルさんらしき天使が舞い降りてきた。
?「フェリ?……ああ、フェリシエルのこと、でも私は違います。私は…」
ヴ「な、なぜここに居る?!大天使でありながら天使の長、ミカエル!!」
み、ミカエル?!私でもその名前は聞いたことがある。
ミ「この子の魔力から私は居ます。ここで最上位程度の悪魔など簡単に浄化出来るでしょう。だから去りなさい。それがあなたに出来る最善の方法です」
ヴ「っっふん?!さすがに大天使ともなれば話は別か……分かったよ。ここは消えてやる。だがそっちがその気ならこっちも奴が居るからな!」
ミ「ルシファー、ですか……」
ヴ「おい始祖光!次は強くなっとけよな!もっと俺を楽しませてみろ」
そう言うとヴィンフリートは結界を解きゲートから帰っていってしまった。そこはこの町にある小さな山、普段は学校の理科の授業で来るような山に居た。隣には叶夏ちゃんも居た。目は閉じている。
するとミカエル…様?は私の傷を治してくれた。
う「っっ?!あ、あの、ミカエル…様?」
ラ「いいえ、私は癒しの天使、ラファエルです。始祖光、あなたの傷は治しました」
ラファエル、また聞いたことのある名前だ。すると今度はミカエル様が来て、
ミ「ご無事ですか始祖光?あなたはよくやってくれました。ありがとうございました」
う「……」
私は訳も分からずただ唖然としているしかなかった。
ミ「改めまして、私は大天使長ミカエルです。疑問が多々あると思いますが順にお話し致します」
◆◆◆◆◆
大天使、それは天使の上位な存在で聖書や宗教によって変わっているけど大天使は7ついるとされている。
話しは聞いた。まだまだ混乱しているけどとりあえず私の目の前に居るミカエルとラファエルは私の魔力から現れて居るらしく話し終えると消えてしまった。
み「うららちゃ~ん!大丈夫なの~?」
すると美鈴ちゃんがこの場所での魔力を感知してやって来た。
う「あ、美鈴ちゃん」
み「まったく、どこに行ってたのよ。電話しても繋がらないし」
う「え?ご、ごめん。それよりさっきのは……」
み「えぇ、それがね。急にに現れたかと思えばまた急に消えたのよ。現場に行っても何も無かったし」
何も無かった?もしかして私があのヴィンフリートに襲われた時にはすでに……なによりヴィンフリートは始祖光の私を探していた口振りだった。もしかして私を釣るためにわざとあんな風にしたの?
このあと私達は何事も無かったかのようにそれぞれ帰った。叶夏ちゃんは途中で目が覚めてさっきまでの記憶が無かったらしく覚えているのは昼頃のお母さんとのやり取りまでらしい。
さらに美鈴ちゃんは魔力が集まっていた現場でゆうくんと彩さんと出会っていたらしい。それで何も無かったと。
私はと言うと、表には出さないけどまた悩まされることが増えたなぁと思った。
急に天使らしい天使が出てきたけどあくまでこの物語での天使です。実際のこととは関係はありません。フィクションです笑。有名な天使といっても自分はゲームとかで知ったんですよねぇ。神話とかもそうですけど天使とか悪魔とかそういう現実から離れたような話が好きです。(だからなに?!)(@^^)/~~~では




