32話 最上位級悪魔
空は薄赤く重々しい空気が漂う場所。ここは魔界。そんな魔界で、
?1「先日、第三階級悪魔ベリアルの直属のルードワイアンが姿を消した。これにより勢力図が多少ズレが生じることになる」
?2「だからなんだ?そんな小物消えたところでどうでもいいだろ」
?1「いや、そうとは言えない。たとえ力及ばずしても奴は上位級悪魔。回りにはそれなりの影響を与えていた存在。奴が消えたことにより雑種が次を目指し溢れ出る」
?3「それは困りましたわねぇ~。雑種の駆除だけでもこちらの勢力の約100分の1が失われるというのに~」
?2「はん!それはお前の部隊だろ。雑魚の相手はお前自身でやれば被害はねぇはずだ」
?3「どうして私が出ないといけないの~?面倒よ?」
?4「それはそうと今後どうするつもりだ?」
?1「しばらく無かった動きがようやく動き出した。始祖光が現れたことによりさらに動乱が始まる。とりあえず今はベリアルの他の直属の者に任せておくほかない。我々最上位級悪魔もまた……始祖光を求めている。それに向け各々準備を開始する」
?2「ひっっさしぶりに暴れられるのか?」
?4「今は準備が先決だ。だが……いずれな」
そんな会話が成され空気がさらに淀めいた。
◆◆◆◆◆
う「いらっしゃい…ま……せ………あ、叶夏、ちゃん?」
か「え……あ!うららちゃん?!」
私はお母さんの手伝いで店番をやっていると以前いろいろあった時に知り合った獣人の叶夏ちゃんが私の店にやって来た。
母「うらら、届いた材料の数とあと……あら獣耳の!」
お母さんが奥に繋がる通路に掛かるカーテンの奥から出てきた。
う「獣耳?」
か「はいぃ~。ちょっと以前にありましてぇ」
どうやらお母さんが買い物の帰りでいつもの帽子を被った叶夏ちゃんがすれ違いざまに強風が吹いて帽子が取れて人より大きい耳が見えてしまったらしい。幸い目撃者はお母さんしかおらず叶夏ちゃんは言い訳を考えたが私のこともあってさほど驚きは少なく黙っておいてもらったらしい。
か「それからというものこうしてちょくちょくお邪魔してるんですぅ」
母「そうなのよ。暇な時はいつも話し相手になってくれてるのよ」
仕事の合間に?……
う「お母さんは獣人のこと知ってたの?」
母「まあ時々テレビとかでやってるのを観てるから知ってはいるわね。それに『アウトキャスト島』だっけ?そこにもいっぱい居るでしょう?」
アウトキャスト島、太平洋の中央辺りにある人工的に造られた島であのハワイ島の西側で日本に近い場所にある。そこは島の名前の通り、人間もいるけどだいたいは獣人やエルフが締めている場所で人外が住まう島がある。
逆に言えばそういう獣人やエルフらはそのアウトキャスト島が一番安全な場所とも言える。当然獣人というだけで嫌う人間も居る。だから世界規模で人工的な島が造られた訳らしい。
ファンタジーだけど現に私や叶夏ちゃんが居る時点で普通とは違うからね。本来ならその島に居た方がいいけどこぼれというか、はぐれみたいな者も当然居る。そういう人外たちは隠れて生きていくような環境になっている。そんな環境になってしまった。ただ人間の数が多いというだけで……
う「そっか…」
私もそのアウトキャスト島のことは知っている。
母「そうそう丁度良かった!さっき作るの失敗したケーキがあるから叶夏ちゃんにあげるわ」
か「ほ、本当ですか!ありがとうございます!」
聞くとこうして叶夏ちゃんは失敗作ちょいちょいもらっているらしい。端からみると完全にエサをあげる飼い主と犬……
◆◆◆◆◆
あのあといろいろあり今日の手伝いも仕事も終わり私は先に夕飯を作り食べた。自室に戻り絵を描いていると鉛筆の芯が奥から折れた。
う「あ、折れた。不吉だなぁ」
カッターでその分を削っていると背中に寒気を感じた。
う「っっ?!な、なに?!」
急いで窓を確認する。目では普通見えないけど今の私は気配で分かるようになってきた。一つの場合に力が集まっていく感覚がある。そこに何が……
プルルルルルル♪
う「ひゃんっ?!!」
急にスマホの電話が鳴ってビックリした。相手は美鈴ちゃんだった。
み「もしもし?うららちゃん?」
う「う、うんそう。もしかして美鈴ちゃんも……」
み「ええ。私もあれを感じたわ。何してるのか知らないけど行ってみるわよ!どうせ放って置けないからね」
う「わ、分かった!」
私はそのまま前回みたいに窓から飛び降り走り出した。力の流れは感じた場所に集まっている。私はその場を目指して走っていると……
突如叫び声がちょうど隣から聴こえた。
?「おいおい、まさかこんなチビが始祖光だとでも言うのかよ?」
う「っっっ?!!」
突然の出来事だったため私は何も対応が出来なくて一瞬の事だった。それは悪魔の姿をしていてその姿を見た瞬間に目の前が真っ暗になった。だけど真っ暗になったのも一瞬で気が付けば辺りは知らない荒野になっていた。
う「っっはっ?!」
ヴ「ようこそ俺の結界の中へ。俺の名はヴィンフリート。上位悪魔の更に上、最上位級悪魔だ。よろしく」
さ、最上位?!
ヴ「まあ落ち着け。って無理か。まあいい、どうせ捕まえる標的だ。おとなしくやられろよな!」
ヴィンフリートは恐ろしい笑顔を見せて手を前に出してきた。
ヴ「俺は久しぶりに暴れられると聞いてウズウズしてたんだ。始祖光、お前は俺の欲望を満たせるか?」
う「っっ?!ま、待って!!」
ヴィンフリートは構わず私に突っ込んで来た。私はそれを避けたけど相手は非常に速く手で押され後ろに飛ばされた。幸い飛ばされた先が何も無かったので羽を広げて勢いを落とした。
う「っっ?!かはっ!」
私は口から血を吹いた。痛った!確実にガードした。それでもこの衝撃!冗談じゃないよ。
ヴ「ほらまだまだぁぁ!!」
ヴィンフリートは一気に距離を詰め魔力を込めた力で攻撃してきた。まずい!
う「っっく?!」
私は咄嗟に魔力を発揮して光で守る。良ければそのまま相手を消し飛ばそうと力は強めに打った。バチバチバチッ!!と音が鳴る。しかし強めに打ったとはいえ相手の方が上だった。私はそのまままた後ろに飛ばされ壁に激突する。なんとも言い難い痛みが全身を襲う。
ヴ「おいおい、冗談よしてくれよ。これが始祖光か?他愛無い雑魚だな。これじゃあエサとって来た意味ねぇじゃねぇか」
そういうとヴィンフリートは手を横に出し何かを引き寄せた。そこには黒い魔力の中に入った叶夏ちゃんの姿があった。
設定上、舞台は同じ地球でも獣人やエルフなどが居る世界の設定です。なんだか久しぶりの戦闘シーンのような気がします。出来るだけ自分が思っている事を言葉に表せられるようにしたいです。(@^^)/~~~では




