20話 声が聞こえる、、
俺は怒っている。天野を利用していることもそうだがそうじゃない。天野は少なからず絶対に自我が残っているはずだ。そこからひしひしと伝わってくる。
『やめて!戦いたくない!』
天野が戦えないからというわけでもなく俺と戦いたくないとかでもなく、とにかく、
ゆ「お前、覚えておけよ」
澪弥をにらみ低い声で言う。
れ「怖い顔するなよ。今回ただのうららちゃんがちゃんと動けるかのテストだよ」
天野が俺に飛んで攻撃してくる。俺はそれを捌きながら、
ゆ「そういうところが気に入らねぇんだよ!」
さすが始祖光と言うべきか、捌ききれずに何度か食らう。
ゆ「っぐ!おい天野!そんなものに負けんな!」
れ「ハハハ無駄だよ。そんなことしたって、魔力の入った特製の薬だ。普通の声が届くはずが無い」
◇◇◇◇◇
…………?
◇◇◇◇◇
澪弥は遠くから観戦している。まじでぶん殴りてぇ。だがそれは後で、また猛攻を捌きながら声をかけ続ける。
ゆ「天野!起きろ!」
◇◇◇◇◇
ぼんやりとした意識の中
なんだろう?どこからか声が聞こえる。
◇◇◇◇◇
天野を傷つけるわけにはいかねぇ。
ゆ「くそ!っっぐぅ?!天野!もういい!やめろ!」
◇◇◇◇◇
最近よく聞く声だ。倉島くんだっけ?
◇◇◇◇◇
れ「なんだか無様だよ。滑稽だよ。そこまで彼女に思い入れる必要があるのかな?」
ゆ「っは!お前には関係ないね」
横やりがうるさい。もう本当に。
◇◇◇◇◇
そうだ、この感じだ。なんだか安心出来る、
◇◇◇◇◇
さすがに捌くのもきつくなってきた。こいつの体力どんなけだよ!いや、別の力が働いてるからか?
ゆ「天野、勘弁してくれ。さすがに、きつい、んだぞ」
俺は力が無くなってきて、最後に足を踏み込もうとすると膝がガクッとなって、
ゆ「なっ?!!」
バランスが崩れた。膝から落ちそれを天野が見逃すはずもなく来る。
れ「さよならだ、悠翔」
ゆ「っっ、な、なにがさよならだ!」
俺は天野の攻撃を、ギリギリで力一杯に避け、そして天野を抱き締めた。
れ「なに?!」
ゆ「っっぐ!くそ、暴れんな、落ち着けよ。いっだろ、お前は戦わなくてもいいって。なぁ、うらら」
俺はそう言ってうららを落ち着かせる。
◇◇◇◇◇
私が居てもいいんだって思える、倉島くんの、あの言葉。
『お前は戦わなくてもいい』
そうだ、この感じだ。安心と信頼を越えて、それが『普通』なのだと、そう言うことを。
そう思うと私は視野が明るくなっていった。意識がはっきりしてくる。そうだ、私れいくんに変な薬を盛られたんだっけ?それで…
う「………あ、あれ?私…」
れ「は?!そ、そんなことがあるのか?魔力が入っていたんだけどなぁ」
ゆ「起きたか…まあ、とりあえずいいや。どうする澪弥?」
れいくんは頭をポリポリかいて、
れ「う~ん、まあ今回は諦めるよ。深追いは良くないし疲れるからね。でも……僕は完全に諦めたわけじゃないからね。じゃ」
れいくんは一人去っていった。
ゆ「はぁ、もう諦めてくれよ、身内でめんどくさい。それより怪我はしてないかうらら?」
倉島くんが優しく聞いてくる。
う「え?わ、私は全然…それより倉島くんが…」
ゆ「なに、俺はどうってことないって」
倉島くんがそう言うんだったら…と、少し落ち着いて今の状況を確認する。2人してお互いの肩をもっている。
う「///あ、あああ///」
ゆ「ん?どうした?」
う「///ぇえ?///あぁ、れ?!///」
声が高くなり顔が熱くなる。
う「///ああああああああぁぁぁあ!!///」
ゆ「あぁおい!うらら!どこ行くんだよ!」
私はよく分からないけど走ってその場を離れてしまった。倉島くんは何か言ってたけど私には聞こえなかった。
よくよく考えたら私なんてこと思ってるのよ!安心するとか、それが普通だとか、私は別に、べ、別に…
◆◆◆◆◆
そのまま次の日になってしまった。昨夜はなぜか昨日のことばかり考えてしまって全然寝れなかった。
普段はいつも教室に着くのは私が一番で最初に着いてはいつも絵を描いている。でも今日はいつもおそくに来るはずの倉島くんがすでに居た。
う「っっあ!」
ゆ「よう、おはよう。ふぁ~、お前っていつもこんなに朝早いの?」
う「く、倉島くん。なんで…」
なぜだか…少し顔をみるのが恥ずかしかった。
ゆ「話がしたくていちいちお前が来る時間を他の奴に聞いてたんだよ」
う「え?そ、それなら私に電話してくれれば良かったのに」
ゆ「あ……」
まさか本気で気づいていなかったのかな。とりあえず…
う「あ、あの、昨日はごめんなさい。私が、その、ホイホイついていくから、こんなことに」
ゆ「まったくだ。その考えを一回改めろ」
う「ううぅ」
ゆ「まぁ、その、なんだ…すまなかったな。俺がもっと早く助けに行っていた方がお前が苦しむことも無かったのにさ…」
う「え?ど、どうしてそんなこと…私は別に…」
倉島くんは私に苦労をかけさせてしまって悪いと頭を下げてきた。私は倉島くんが謝るようなことじゃないとは思っているんだけどね。
ゆ「いや、俺のせいだ。約束を守れてないからな…俺は…っっ、お前を守るために来たのにな…これじゃ意味が無い」
う「っっっ?!」
守れなかったのは自分のせいだ、これでは誰も守れない、そんな風に言う。だけど、私はそうは思わない。
う「そんなことないよ。思うのは人それぞれだし倉島くんはそう思っても…私は違う。私は事実、倉島くんに何度も助けられた。物理的にも、精神的にも、だから私はそうは思わない…むしろ私はこう思ってるの…『ありがとう』って♪」
ゆ「っっ?!」
今回の一回や二回のダメだったことを浮き彫りにさせるのではなくて、他の一回や二回の良いことを思い浮かべた方がきっと良いに決まってる。
う「私はね、死んで天使になって、ちょっぴり後悔もしたけど、現に今、こうやって倉島くん、ううん、ゆうくんに会えたんだもの♪これはきっと良いことだから私にとってのある意味幸せなんだと思うの」
ゆ「……つまりいちいち落ち込むなってことか?」
う「たぶん…そういうこと」
ゆ「フッたぶんってなんだよ」
堅苦しい顔をしていたゆうくんは少し和らいだ。どうやらゆうくんも私に今の言葉で助けられたらしい。お互いがお互いに手を差しのべている関係なんだと私は思った。
ゆ「それよりその呼び方、谷村じゃあるまいし…」
う「ゆうくんも私のこと名前で読んでくれたじゃん♪」
ゆ「///っっ?!そ、それはだな…///」
とりあえず一段落です。ふゆふゆです。この物語の設定としてキーパーソンな人物は4人居ると考えてます。まず『うららちゃん』、これはまあ当然です。割愛。次に『倉島ことゆうくん』です。もう一人の主人公と考えてもいいかもしれないですね。それと『美鈴ちゃん』です。悪魔ながら天使側に着いているのでかなりのキーですよね。最後は『澪弥ことれいくん』です。まだ登場したばかりですが今後いろいろさせようと考えております。そんな感じでこの4人が物語を動かすキーパーソンとさせています。一応そんな報告、確認でした~(@^^)/~~~では




