106話 そのころ
ここはレッケルの居城。始祖光とルシファーの衝突を遠くながらも気配でなんとなく分かっていたレッケルおよびムスタファとダヴィッド。
そんな彼らが気づかない、むしろルシファーの事で頭がいっぱいだったので侵入者など知るよしもなかった。
?1「じゅ、準備はいいですか?」
?2「えぇ、もう大丈夫よ」
その侵入者は2人で1人はサキュバスでもう1人は悪魔だった。名前を……
?2「うらら……すごい魔力ね…」
?1「クレアさんはそんなに始祖光のことが気になるのですか?」
2ク「あたりまえよエリノア。元はとは言え私が巻き込んだようなものだから」
1エ「でも始祖光は元から悪魔に狙われていますよ?」
ク「そうだとしても! よ…」
エ「私は正直、始祖光は助けたくないです。むしろ私の敵なのです!」
ヴィンフリートにやられたはずのクレメンティア、もといクレアとサキュバスであるエリノアがこっそり城を進んでいた。
◇◇◇◇◇
ク「それにしてもまさか私が天使の手を借りちゃうなんてね……」
エ「そ、そうですよ! どうして天使なんかと……」
ク「おかげで恩を売りまくられたわね」
◆◆◆◆◆
これは少し前に遡る。私がこのサキュバスと出会った時のこと。
エ「キャァァァ?! 血、血がぁぁ! だ、大丈夫ですか?」
ク「だ、誰?」
目の前にゲートが開いたかと思えばそこからサキュバスが出てきた。
エ「わわわわ! 本当に最上位級悪魔のクレメンティアだぁ?! ご、ごめんなさいごめんなさい私はそのエリノアといいまぁす! そのそのええと、わ、私と来て下さいませんか?」
ク「え? え??」
いきなり現れたかと思えばなんなの? というか傷に響くから静かにしてほしい。
エ「あああぁぁうう動けないですよねでした?! な、なら私が送らさせてもらいます!」
ク「えぇぇ?! ど、どこに?」
エ「こ、こちらでぇす!」
ク「ちょっ?!」
私はエリノアとかいうサキュバスに動きたくないのに無理やり手を引っ張られゲートの中へと入っていった。
◆◆◆
ク「いっ……痛いじゃないの!」
エ「わわわわそ、そうでした! ご、ごご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」∞
ク「わ、分かったから止まりなさいよ!」
私の傷を見た後で私をゲートに送る時に傷のことを忘れてたエリノアは永遠と謝ってくる。黙らせようとしたが結局うるさかったのでどうでもいいと思い辺りを見渡す。
ク「ちょ?! 待ってここって……?!」
?「あなたが最上位級クレメンティアですね」
ク「っっ?!」
声が聞こえた方を向くと椅子に座っている天使とその横に立っている天使が居た。
ペ「私は大天使ペラシュエルです。少し訳あってここに連れてきてもらいました」
ここは?! 天…界……?! そもそもなんでサキュバスがこんなところで、しかも天使なんかとつるんでるのよ?
ク「くっ!」
私は痛みを我慢して戦闘態勢に……
ペ「敵対するつもりはありません。事情は知っています」
ク「それを信用するとでも?」
ペ「始祖光から聞いた。と言えば?」
ク「っっ?!」
うららから? いや、無い話でもない。私と一度別れた後時間はあったはず。ここに話しにくることも出来る。
ク「……分かったわ。ならさっさと要件を言って。こんな所私にとったら気味が悪いもの」
天使は嫌い。性格とかもそうだけど存在自体が嫌い。でも、うららは別。
ペ「そうですね……では」
ク「フンッ………っっ?!」
急に体の痛みが治まった。急いで確認すると傷が消えていた。
ク「な、なんのつもりなの……?」
ペ「傷ついていたおかげで多めに恩を売れそうですね。でも元々始祖光の名前は出そうとしていましたが」
ク「なにが言いたいの?」
ペ「あなたはそちら側で仲間割れなのはこちら側にとって都合のいい駒です。ですので簡単に言って始祖光のために動きなさい」
うららから敵で悪魔である私と繋がっていることを知ってすかさず利用しようとしてきたってわけね……傷を治したから余計に言うことを聞け、と……
ク「私を利用ね……これでも私は最上位級なのよ。それなりの力はあるのよ。だからあんたの言うことを素直に聞くとでも……」
ペ「……」
ク「……っっ、分かったわよ……手伝うとしても私は私のやり方でやるから」
ペ「よろしい」
敵地だから私を生かすも殺すも手のひらの上というわけね。悪魔の傷を治したんだもの、すぐに抹殺出来るくらいの力は奴にもあるのは当然か。ペラシュエルのそんな目を見て私はそう感じた。
ちなみにエリノアはデトレフとかいう悪魔と一緒にペラシュエルに脅されて?うららに手を貸すように仕向けられたそうで、デトレフはうららの仲間を『魔界』に連れていく役、エリノアは私を迎えに行く役を任せられたそう。
◆◆◆◆◆
私のやり方、それは大元から狙うこと。この場合はアスタロトを解放すること。さっきからうららと何かがぶつかり合っている。レッケルはそれに注目しているに違いない。
元はとは言え私はレッケルの言いなりが嫌だったからうららを巻き込もうとしたのだけど今ではなぜかアスタロトを助ける感じになってる。
でもなんだろう?
それがすごい楽しい……
やっぱりレッケルに従ってないからかな? 気分がいつもより昂ってる気がする。もしこのままアスタロトを解放して、レッケルを完全に裏切って……
そうすればうららは喜んでくれるだろうか?
ク「あれ?」
エ「……?」
なんで私そんな事考えてるの? 他人なんかどうでもいいのに、なんでうららのことにはそんなに本気になれるの? 自分には対して本気じゃない部分もあるのに……
変だな……私……
その後、しばらく進み難なく地下牢に着いた。さっきからこのモヤモヤが消えない。なんなの?
エ「アスタロトさんはどこに居るんでしょう?」
エリノアは小心者だというのに牢屋をズカズカ進んで行く。
ク「あ、そうだ、隠し通路があったはずよ」
エ「隠し通路?」
地下牢の奥の方にある1つの牢屋の中から別の通路が出てくる。人間の言葉を借りるなら『からくり部屋』というやつだ。
エ「す、すごいです……」
ク「きっとこの奥に……」
ドオオオオオオオン!!
エ、ク「っっ?!」
進もうとすると突然大きな音がして地下牢が崩れてきた。安全な所まで逃げて何が起きたのか確認すると、
ルシ「またここまで戻されたか……」
エ、ク「っっな?!」
こ、こいつは?! さっきまでうららとぶつかり合っていた何か!
ルシ「ん? なんだお前ら?」
大悪魔のトップ、ルシファー?!!
あら? アスタロトにあまり触れられなかった。ごめんなさい。でもようやくクレアが動き出したのでよしとしましょう。
次回は、次回こそはアスタロトに触れます。(@^^)/~~~では




