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◆第三十五章:静海 望 その三

挿絵(By みてみん)


「今日の調査テーマは深海魚についてよ!」

「了解っす!三奈木さん。」

「なんやタコでも調べるんか?」

「タコは深海魚じゃねぇよ、小林。」


 私達は今学芸部の部室にいる。


 あの船での出来事から一ヶ月が経った。






 みんなが集まったあの時、真ん中で押さえられていた人が何か叫ぶと私達十人は港に戻っていた。


 それは丁度日が登りだしたくらいでした。


 港に戻って気付いたことはカードがなくなっていること。


 そして真ん中で叫んだ人もいなくなっていました。


 それでも三奈木さんの受けた傷や血まみれになってた人、冷たくなったアミュレットを抱き締めてあの出来事は夢ではなかったことに気付かされました。


 けどやっぱり……、マジックを見たあとのように……、どこまでが真実なのかはわかりませんでした。




 あの事件の後も行方不明になった石田先輩、夏目花梨さん、五条是清君は帰ってきませんでした。




 学校の連続失踪事件もそれ以上被害者が出ることなく事件は迷宮入りしてしまったらしいのです。






「楽しそうな話をしてるじゃない。」

「静海先輩!遊びに来ちゃいました!」

「俺も練習まだなんで話聞いていっていいすか?」






 かわりに三人目の行方不明者であった宇多田さんは発見され、長い取り締まりの結果ただの家出ということで落ち着いたそうです。




 宇多田さんはあの後沢山私に謝りに来ました。




 私は宇多田さんが悪いとは思ってません。


 あの人も戸畑先生がいなくなって悲しかったんだなぁって思うんです。


 戸畑先生はというと相変わらず私達の担任の先生です。


 ただ一つ違うのは宇多田さんとよく一緒にいるのを見かけるようになりました。


 もう一人最初に気絶していた人、風見君は一週間程学校を休んでいましたが今では立ち直ったようです。


 あの後、事情を警察に話ましたが私達の乗っていた船の目撃証言もなく、証拠になるカードもなくなっていたことから失踪事件の影響による集団ヒステリーということにされてしまいました。


 風見君はいなくなった夏目さんの恋人だったみたいで一番事件について強く説明していましたが受け入れてもらえず、この事件は自分で解決するためにジャーナリストを志すと語っていました。


 それで三奈木さんの不思議な話を聞きに時々うちの部室を訪ねてくれる様になりました。




 後の二人はというとヘルメットの人、不動先輩は将来も正義の味方であるためにまずは目の前の受験に専念すると語っていました。


 三奈木さんと春日原君はあの人がいなかったら私達は危なかった、あの人はもうすでに私達のヒーローだと豪語していました。




 もう一人血塗れになっていた人、筑波君はカードがなくなったことに気付くと一人足早に帰っていきました。


 宇多田さんが言うには今まで通り学校で過ごしているそうです。


 血塗れの制服をどうやって洗濯したんだろうと春日原君が訊ねると転売ヤーから新しい制服を買ったらしいと風見君が教えてくれました。

 二人の後輩から聞くと筑波君はカードを使って色々と悪いことをしていたようです。


 でも三奈木さんは危ないやつだが結果的に狩人はあいつだった、私達の探していたハンターとは違う、本物の狩人だったんだと言っていました。


 私にはよくわからないけれど筑波君のお陰で私達はハンターに殺されずに済んだらしいのです。


 私は筑波君のことを知りませんが単純に悪いこじゃないんだと思います。






 私達がカードに関わって約五ヶ月、高校生活の六分の一にもみたない僅かな時間でした。


 色んなものを手に入れたり、色んなものを失ったり……。





 小林くんの神社の裏にアミュレットのお墓をたてました。




 私が宇多田さんに襲われた時、アミュレットを守ることで必死でした。


 私は望んでいなかったはずなのに、アミュレットはカードから出てきました。


 もしかしたら私が無意識的に望んでしまったのかも知れないしはっきりとしたことはわかりません。


 アミュレットは死んでしまったけど、神谷君の言った通りアミュレットは生きていました。







「それでね!タコはデビルフィッシュと呼ばれ海外から悪魔としてイメージされるの!クトゥルフ神話のクトゥルフも海洋生物がモチーフになっているのよ!それもこれも…。」

「深海魚の話はどうしたんだよ。」

「いつもの三奈木さんっす。」

「来年の文化祭もたこ焼きやりたいでー。」


 アミュレットのお陰で私は大切な仲間達に出会えました。


「小林は文化祭よりも期末テストの心配をするんだな、今回は補講に来るんじゃ無いわよ。」

「堪忍やで戸畑先生ー。」

「私は先生の補講に行きたいです!」

「俺はいやだなぁ。」


 カードによって沢山のものが失われてしまったけど私はこのつながりを手に入れられた。


「委員長!また数学教えてくれや。」

「数学なら春日原に聞いた方がいいわよ、癪なことに俺より少し出来るしよぉ。」

「……少しどころか学年二位だろこいつ。」

「照れるっすよ神谷君。」


 結局あの謎の人物が誰かわかりませんでした。


 カードが結局なんだったのか、謎は謎のままです。


 きっと私達の理解を遥かに超えたものだったんだ、……と思います。




「ワイは委員長とがええんや!」

「……しょうがねぇやつだな。」


「……ふふ。」




 でもきっと私達はこれからもそれを追い続けるだろう。

 三奈木さんが言うには謎は謎として楽しむのだ。




「まて小林!俺の話はまだこれからだ!!」


「なんか最終回っぽいっすね、それ。」




 私達はこれからも探し続ける。

 謎が一杯のこの世界のことを。




To Be Continued……



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