◆第三十四章:五条 是清 ?
……僕はどうなったんだ?
世界の全てをカードにする!
そう思ってカードの力を使ったから全てはカードに取り込まれ僕の意識はないはずだ。
……なのに意識がある。
……真っ暗闇の中、意識がある?
「おめでとうございます。」
神様の声がする。
「あなたのお陰でカードはあの世界から失われました。」
「カードはカードでは読み込めない、故にあなたとカードはあの世界から取り残されました。」
え?
どうゆうことですか神様?
「カードの使用者はなんでも一つカードに記録出来ます。」
「それは一つを一つと対象にとり認識出来るが故にです。」
「故に対象を意識するあなた自身を対象にとることは出来ません。」
……何言ってるかわかんないや。
「私の目的は世界をカードに記録していただくことでした。」
「世界をカードに取り込むなんて馬鹿なこと、子供しか考えませんからね。」
自分で入れればいいのに?
「折角なので一つ種明かしをしましょう。」
何ですか神様?
「私はあのカードが使えませんでした。」
最初に使ってたじゃないですか?
「あれは本当の手品です。」
お茶目ですね。
「それもこれもカードに世界を取り入れた者にここに訪れていただくためでした。」
ここはどこなんですか?
「今にわかります。」
勿体振るなぁ。
「先に歓迎しておきましょう。」
なにをです?
「おめでとう!新しい私!」
奈落の底のような闇
不定形の暗い影がみえる
それは無窮の中心で
冒涜的な言辞を
吐き散らしている
時空を超越した
想像を絶する
明かりなき洞窟の中で
押し殺したような
気を狂わせるような
忌まわしき太鼓の音と
呪われたフルートのかぼそく単調な音……
それが聞こえてくるだろう
それは根元的な恐怖
世界の始まりからある混沌
誰もが名を言わぬ魔王の夢
あの男の主にして
沸騰する混沌の中心
僕は知ってしまった。
それを知ってしまった。
この事実を前にして僕は僕ではいられない。




