表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

 *** 数年後 ***

作中にはリアリティー追求の為、一部実在の設定・名称に基づく表現を使用しておりますが、こちらの物語は作品全体を通してフィクションです。



 八千種(やちぐさ) 百栄(ももえ)は学校を無事卒業し、社会人になり、ひとりの男性と出会う。

 やがて女の子と男の子に恵まれ、その数十年後には可愛い孫にも恵まれる。


 幸い、大きな怪我や病気を患うこともなく、人の平均寿命を少し上回ってから先に伴侶を見送った彼女は、その数年後、ついて行くようにその後を追った。


 恵まれた愛しい我が子と孫たちに見守られた光景に、彼女は思いを馳せる。


 まるで、『君の待つ部屋』の男の子になった気分だった。

 女の子の立場は夫を見送る際に感じたから、自分が死ぬって分かった時には女の子が感じた願いだって感じ取れた。


 けれど、男の子の立場になるのも悪くない。


 自分を悲しそうな、だけど熱い眼差しで見つめてくる孫たちに、彼女は嬉しそうな笑みを向け見送られることに甘んじた。



 ***



 一連の流れをそばで見守っていた()(ざめ)は、彼女の光を腕に一時(いっとき)抱き締めて解き放つ。


 ああ。私の役目は終わった。


 彼ーー東間(あずま)の代わりに百栄(ももえ)を見守った()(ざめ)は、衰えを感じる体に鞭を打ちながら自分の場所へと帰る。


 そして彼女自身、新しくこの場所を担う者に寄り添われながら、その後を追った。


 在るべき場所へと吸い込まれていく間、彼女はただ一人を思い出す。

 何のご褒美なのか、私の願いは届き実現されたらしい。


 彼は生きて、彼女を見守っていた。本人に自覚はなくとも、彼だけを見続けていた叉々女には分かるのだ。


 確実に、彼は生きて彼女の傍にいた。

 そして、薄汚れていない愛情で百栄の最後を見送った東間の顔は、やはり人らしい表情を浮かべていた。



試しに読んでくださった方も、ブクマしてくださってる方も、ツイートから飛んできてくださった方も、読了ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ