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女神様の使い、5歳からやってます  作者: めのめむし
第4章 帝都編2

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第74話 獣人救出

 美羽とクララ、レーチェルが戯れ合っていると、叫び声が聞こえてきた。


「「ミウ様ー」」


 2人分の声だ。

その聞き覚えのある声に3人はゲンナリした顔をする。


「来ちゃったの?」

「来たわね。ごめんねミウちゃん。隠し通せなかったみたい」

「きましたわね。おねえさまごめんなさい。わたしもバレてしまったようですわ」

「仕方ないね」


 申し訳なさそうな顔をするクララとレーチェルに、苦笑いで返す美羽。


 仕方なく3人は声の方に振り返る。


 すると、犬獣人よりも犬っぽく大きく尻尾を振り回している姿を幻視しそうな雰囲気で駆け寄ってくる、エルネスト第2皇子とカフィ伯爵令息の2人だった。


 近寄ってくると、2人が同時に話す。


「「ミウ様、お怪我はないですか?」」


 そう言って、2人が美羽に必要以上に近づこうとする。


 その間にクララとレーチェルが入り込む。


「兄様、レディーに無闇に近づかないでくれますか?」

「おにいさま、わきまえていっていのきょりをあけてください」


 カフィとエルネストは抗議する。


「何言っているんだい、クララ。私はミウ様の身を案じているんだ。体を触って無事かどうかを確認しなければ」

「いらない心配だわ。それは私たちが確認しているし、レディーに気安く触ろうとしないでくれますか?」

「レーチェル。僕はミウ様のことが心配できたんだ。無事を確認させてくれ」

「おねえさまのことはだいじょうぶですわ。わたしたちがついているから。だからさがってください」

「何言っているんだ、ミウ様だって女の子だ。怖かったに違いない。さあ、私の胸に飛び込んでおいで」

「ミウ様、今でも君への僕の気持ちは本物なんだ。僕が君を守ってあげるよ」


 エルネストとカフィは妹たちを押し込みながら、にじり寄ってくる。

満面の笑みで……。 


 美羽の背筋がゾワワ〜とする。


(な、なんなのこの2人。エルネストはいつも変だけど、カフィまで変。2人でいるとおかしくなるの? 気持ち悪い)


「「さあ、ミウ様。さあ!」」

「ミウちゃん、抑えきれないわ!」

「おねえさま、ふだんよわっちいおにいさまがなぜかつよいですわ〜」

「ヒィィィィ」


 美羽は2人の目を見ていると気分が悪くなってきた。


(なんなのよ、この人たち。何か悪い薬でもやってるの? 本気で気持ち悪いんだけど! 『あっちいって』)


 もう少しで、エルネストとカフィの手が美羽に届きそうなところで、美羽が目を瞑る。

しかし、一向に手は届かない。


 そーっと、目を開けてみると、カフィとエルネストはそれ以上前に進めなくなっていた。

2人の後ろで何頭ものブルハウンドたちが彼らのズボンや上着を引っ張っていたのだ。


「「「「「グルルルルルル」」」」」」

「わんちゃん!」


 ブルハウンドたちに美羽の心の声が念話として届いて、ミウの窮地を救いにきてくれたのだ。


「な、なんだこの犬たちは」

「は、放してくれ。僕は犬が苦手なんだ!」


 2人を引っ張っている以外のブルハウンドたちがミウの周りに集まり壁を作った。

エルネストとカフィは犬に振り回されボロボロになる。

2人の護衛騎士たちは、御使いである美羽と仲良くしている犬のため、手が出せないでいた。


「わんちゃんたちありがとう!」


 美羽はブルハウンドの一頭の首に抱きついた。

その一頭を他のブルハウンドたちが羨ましそうにみる。


 その様子を見た美羽は思わずニヤァ〜とする。


「なぁにー、羨ましいの? じゃあ、みんな撫でてあげるねぇ」


 一頭一頭撫でてあげると、頭を手に押し付けてくるもの腹を見せて腹を撫でてもらいたいもの色々いた。

20頭もいたため、全部撫でるのは時間がかかったが、美羽は横着せずみんな撫でてあげた。


「ミウちゃん、さっきから思ってたけど、この犬たちは?」

「ここで、番犬やってたの。仲良くなったんだよ」

「おおきくてこわそうなのに、おとなしくてかわいいですわ」

「そうだ、この子達とダンス踊ったんだよ」

「ええ、見たいよ。ミウちゃん」

「みたいですわ」

「いいよ!」


 そこに、きんちゃんの声が聞こえる。


「ミウ様、そろそろ行ったほうがいいかと」

「なぁに〜? あ、もう、きんちゃん。さっきはいなかったから、乙女の危機だったんだよ」

「申し訳ありません。犬たちに護衛を任せて、屋敷の中を見てきたのです。

ボロボロだったため、安全確認してきました」

「そっか、私が壊しちゃったからね。ハッ、そうだ。奴隷の獣人たちはどうなったの?」

「そう言われると思ったので、確認してきています。だいじょうぶです。地下牢の区画は無傷でした」

「そっかぁ。じゃあ、迎えに行かないとね。シアちゃん、アミ、お待たせ。獣人たちを迎えに行こう」

「ええ、ありがとうね。ミウちゃん」

「はい、ミウ様」

「あ、忘れていたけど、この2人はねぇ」


 クララとレーチェルとシアとアミの紹介を済ませる。

シアとアミが皇女と聞いて膝をつくが、それを止めさせたりした。

そんなことをしながら、ようやく獣人たちの地下牢に向かった。


 屋敷の中に入ると、中の装飾品は落ちて壊れ、絨毯は剥がれ、壁には穴が空き、天井を見ると2階部分が見えているという状態だった。


「これ、ミウちゃんがやったの?」

「うう、はい」

「これはひどいですわね」

「やり過ぎたと思ってる」


 流石にやり過ぎたと思って、美羽は縮こまっている。

しかし、クララが続ける。


「でも、天罰ですもの。当たり前よ」

「そうですわ。むしろこれくらいですんでラッキーですわ」

「2人とも」


 美羽はパァと明るい顔になった。


「ふふ、ミウちゃんはやっぱり笑顔がいいわ」

「ふふ、そうですわね。さあ、はやくじゅうじんさんをたすけにいきましょう」


 地下室に入ると、そこは石造りの湿気を帯びた暗い牢だった。

左右に五個ずつ牢があり、そこに獣人たちが分けられて入れられていた。


 ある牢を見ると、アミが走り始めた。


「フィオナお姉ちゃん! ミルカ!」


 呼ばれた2人は驚いてアミを見た。


「「アミ(お姉ちゃん)」」

 

 フィオナと呼ばれた獣人は狼獣人でダークブラウンの毛並みを持っている14歳くらいの少女だ。

ミルカと呼ばれた獣人は狐獣人で黄色と白のツートンの7歳くらいの女の子だ。


 フィオナもミルカも、慌ててシアに言う。


「こんなところに来てはダメだ。また、ジェフに酷いことされるぞ」

「アミお姉ちゃん、またいじめられちゃうよ」


 アミは笑顔になりながら誇らしげに答える。


「御使い様が助けてくれたんだよ。もう、あの人たちは悪いことしないから、だいじょうぶだよ」

「御使い様?」

「御使い様だって?」

「ああ、そちらのお方が御使い様では?」

「おお、桜色の髪に桜色の瞳だ。女神様の遣わしたお方に間違いない」

「じゃあ、俺たちは助かったのか?」


 獣人たちは牢の中から美羽を見ると、膝をついて頭を垂れた。


 美羽は、苦笑いをしながら、言葉を発する。


「みんな、そんなことは後にして、とりあえずここから出ない?」


 こうして、シアとアミの村の獣人たち30名は無事に救出された。

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