あぶないぴんくすらいむ
生成AIによるイラストがあります。
千紗の視線の先が示すのは僕の背後。
僕は背後霊でも確認するかの気分でゆっくりと振り向いた。
スライム中、見つけやすさナンバーワンを誇るだけあり、探すまでもない。
そこには紛れもなくやつがいた。
ピンクの憎いアイツ。
「緊急通報、緊急通報、緊急通報」
僕はオペレーターの緊急呼び出しをかける。
「えっ? おにいちゃん、急にどうしたの?」
千紗が戸惑いを隠せない様子で問いかけてくるが、そんなものに関わっている暇はない。
『こちらダンジョン管理局です。トラブルですか?』
管理局につながるカメラからオペレータと思われる女性の声が聞こえる。
AIが緊急通報を検知するとすぐさまオペレータにつなげてくれるとは聞いていたが、思ってた以上に早かったな。
「仙川第二階層でピンクスライムと思われる個体を発見! 至急確認をお願いします!!」
『ぴ、ぴんくですか!? 承知いたしました。カメラをそちらに向けてしばらく固定できますか?』
「大丈夫です」
すでに視線の先はピンクに釘付けだ。
カメラの真ん中に捉えられているかは分からないが、オペレータの方からカメラの方向やズーム操作等ができるはずだから、多少ズレていたとしても探せるはずだ。
頭の上から、サーボモーターの動く音が聞こえてくる。
数秒後。
『確かにピンクスライムのように見えます。カメラのIDから通報者および位置情報も確認できました。通報者は進士 和斗様で間違いありませんね?』
「はい。間違いありません」
『念のため確認いたしますが、もしいたずらであった場合、法的措置が取られる可能性がありますが、問題ありませんね?』
「問題ない」
『承知いたしました。緊急通報受諾いたしました。即座に避難準備と情報提供の呼びかけがなされます。状況によっては避難勧告や避難指示が出される可能性がありますので、速やかに避難準備を始めてください』
「わかりました」
通信が切れる。
「リザ! 周りになにか変なの見つけたら迷わず氷魔法で攻撃しろ! とりあえずそのピンクのやつだ。ただし魔力はできるだけ節約してくれ」
「命令受諾。アイスショット!」
小さな氷の弾丸が飛んでぴんくは光になった。
「うん、そんな感じでたのむ」
「千紗と純華はテントを片付けてくれ。僕は結界を回収する」
「「はい!」」
二人はテントに向かって走っていく。
『緊急事態発生、緊急事態発生。ただいま仙川ダンジョンで異常が発見されました。他に異常を感知した方は直ちに通報をお願い致します。なお、現時点をもって避難準備が出されました。仙川ダンジョンならびに西東京エリア内にいる方々は、速やかに避難の準備をするか、安全を確保する行動を取ってください……繰り返します……』
オペレーターの言葉通り避難準備が出されたようだ。
カメラのスピーカーからそんな放送が流される。
「異常がぴんくだけで済めばいいんだが……」
第二層にぴんくは出ない。
それがダンジョンの常識だ。
しかし過去、二層にぴんくなやつが出た時がある。
いわゆるモンスター溢れの時だ。
その時は地上だけでなく、ダンジョン内でも、その階層にいるはずのないモンスターが沸いて出たという報告がある。
溢れたモンスターが上の階層に押し上げられたのか、それともランダムに湧くのか。
今のところ結論は出ていない。
過去のモンスターあふれで、地上に湧いて出たのが比較的上層のモンスターであったことから、押し上げ派が優位とは言われている。
一層分の押し上げで済めば、ここ二層には三層のモンスターが湧くことになる。
千紗とリザはすでにステータス上では三層でも安全なレベルにある。
純華ちゃんはちょっと心もとないけど、集中攻撃でも受けない限り、まあ対処は可能だろう。
二層分押し上げられたら流石にきついか。
救助要請を出すことも考えておく必要があるな。
本音を言えば結界やテントも放置で逃げ出したいところだけど、万が一装備が必要になったときに困るからな。
とりあえず雑に鉄串しを抜いて糸を絡め取る。
本来なら糸はきれいに巻き戻すのだが、今は時間優先だ。
「よし、こんなもんだろう」
僕は集めた鉄串とタコ糸をリュックに詰め込む。
「そっち終わったらポンチョとゴム手袋、それからゴーグルもしておけ。フル装備だ」
「「はい」」
「リザ! なにか変なのはいたか?」
「いえ、今のところ見ていません」
「なら見張りを変わろう。リザもフル装備しておけ」
「それは魔法のステッキも含まれますか?」
「あー。そうだな。使え」
使えるものは何でも使ったほうがいいだろう。
「では。『魔法の国より来たれ! 我がしもべよ!』」
いきなりかよ!
リザはカードを取り出すとおもむろに開放コードを唱える。
ずがーん!
稲光とともに雷鳴が轟く。
リザの着ていた服が下着ごと閃光の中で弾け飛んだ!
正面向いていたので全部丸見えだ。
テントを片付けちゃったのでしかたないよね?
じゃねー!
せめて後ろ向いてからにしろ! 僕が!
とっさのことで後ろを向く間もなく、僕の目の前でリザは魔法少女へと変身する。
またモロに見ちゃったよ。
変身バンクは実際に今着ているものがなくなるわけじゃないから、見た目や触感がごまかされているだけとは言われている。
つまりコラ映像を見ているようなものだからセーフ?
中には空中元素固定装置のように着ているものは一回分解されて、空中の元素と一緒に固定されて別の服に変わるとか言うやつもいたりする。
こっちだとアウト?
あれ? そういや前回と衣装がなんか違う。
前回は、まず足にファンシーなブーツとオーバーニーソックスが装着。それからファンシーな手袋と手首にリボン。ファンシーなパンツとブラが装着され、これまたファンシーなミニスカ魔法少女ドレスがその上に転送されて、最後に頭部と首にファンシーなアクセサリーやリボンが装着された。
今回はもろだしまでは一緒だが、最初に頭のリボンが転送されてきて、次にレースのパンスト直ばき。
その上からシルバーのホットパンツがひざ下に転送され、それが上にずり上がって装着。
まるで女の子の着替えシーンを見ているようだ。
そしてこれもまた銀色のリボンが胸の前で結ばれてブラの代わりに。
最後はローファーと申し訳程度のスカートが装着されて、ちょっと大人っぽい魔法少女? の完成だ。
毎回衣装チェンジとはやるな運営w
いや、生成AIかもw
ダンジョン様侮りがたし。
「リザちゃん、今回のもかわいいね!」
千沙は絶賛するが、純華ちゃんの瞳からは光が消えている。
「リザちゃん? 変身するときは人目を気にしましょう。ね?」
「? ここには導師とリザたちしかいないから問題ない」
「わたし達はともかく先生はダメです。アウトです。ね?」
純華ちゃん的にはアウトらしい。
艶消しの瞳に見つめられたリザは思わずうなずく。
「は、はい」
「とりあえずリザちゃんの装備持ってきましたけど、これの上から着れるんですか?」
「多分問題ない。ちょっと着てみろ」
「命令受諾」
リザがポンチョを受け取り、上からかぶる。
ポンチョを着た途端ポンチョは消え去った。
ゴーグルと手袋も見えなくなった。
「不思議です。上に着たのになくなりました。触った感覚もないです」
見えなくてもゴーグルやポンチョによる保護に問題はないから、空中元素固定装置派説の弱いところだね。
元素が変換されたら、ゴーグルやポンチョの機能はなくならないとおかしい。
まあこっちは本気というより漫画ネタを言いたいだけだろうけど。
「千紗、こっちも装備するから手伝ってくれ」
左手が使えなくても一人で着れないこともないけど、手伝ってもらったほうが早い。
「わかった!」
ちょっとかがんで、被せやすくすると千紗がすかさずポンチョを被せ、ゴーグルとゴム手袋をはめてくれる。
「これでよし」
「みんな装備をつけ終わったな?」
「「はい」」
「よくわかりません」
「リザは着けたかどうかわからんけど。まあいいだろう」
この状態だと確認のしようがない。
やるなら一旦変身を解除して、もう一度変身しないといけない。
となるともう一度変身が見られるな。
いやいや、そんな暇はない。
そういや、解除バンクはあったのかな?
「じゃあ、荷物を持って……」
そういいかけたとき。
『緊急通報、緊急通報……』
管理局からの放送が始まった。
変身バンクをダンジョン生成AIによるランダム生成ってことにしましたw
同じ衣装をAIで作るのってめんどくさいし、毎回違うほうが見ていて楽しいですし。
今回は衣装が露出高めなので、えぱれっと送りがあります。
こちらもどうぞ。
森の泉で水遊びする魔法少女
https://45690.mitemin.net/i920915/
水浴び中の少女
https://45690.mitemin.net/i920916/




