うわさのすきる
「さて、大体のところは話し終えたんで、これからは純華ちゃんのレベルアップをしていこう。詳しくは戻ってからだ。ダンジョンの中で長々話しているのはあまりいいものじゃないからね。僕の謎スキルの効果で上がるとはいっても、上がる条件は不明だからこれをすれば絶対に上がるともいい難い。なので必ず上がるモンスター退治に戻るぞ」
「「「おー!」」」
三人揃ったいい『おー!』だ。
「じゃあ、カメラの音声戻して。純華ちゃん中心でスライム倒していくからね。もし、倒している最中に近づいてくるのがいたらリザが対処してね」
「命令受諾」
「千紗は純華ちゃんのサポート。僕は周りの監視をする」
「わかったー」
「よろしくお願いします」
「お願いされました。じゃあまず、近場のやつからやっていこうか。おトイレに使ったやつは後でね!」
「はい!」
二人が手をつないで一番近いクリアスライムに寄っていく。
うん、いい選択だ。
ウィンドだと手間取るとつむじ風攻撃を食らうからね。
それ自体はほぼ無害とは言え、またへそ出しNGを食らってはたまらない。
まあ、現在は自分のPCにしか転送していないから、その部分はカットしてお宝映像フォルダに入れとけばいいだけだ!
いや、それはまずいか。
反省。
「とりあえずは二人でやってみようか。純華ちゃんはペンチがいい? それとも手を突っ込んで見る?」
「最初はペンチがいいです。やっぱりちょっとモンスター触るの怖いですし」
まあ、単なるネバネバぬとぬとだからね。
某竜のクエストみたいに目がついたぷよぷよっぽい可愛らしさはないからね。
昔あった(今もある?)スライムのおもちゃみたいなねとねと感だ。
「んじゃ、いっくよー」
「えい!」
千紗が核を抜いて、純華が潰す。
それを何度か繰り返し、次は役割を交代。
そして。
「あっ、レベルが上がりました!」
「千紗もー」
「妾もだ」
「わかってると思うけど、僕もだね」
レベル二なら普通二十体から四十体のスライム討伐が必要だ。
それをたった十体ほど。しかも二人がかりでだ。
そればかりかほとんど見ていただけの僕とリザまでもがレベルアップ。
まだ、リザの方は寄ってきたやつ三体ほど倒してるけど、それでも早い。
「あっ! スキルも新しいの生えてた!」
「妾も増えてます」
「わたしはまだありません」
「流石にレベル二じゃ生えないよ。千紗たちだってレベル三だった」
「それでもレベル三ですか? すっごく早いです」
ちっさな女の子に早いですっていわれると、ちょっと微妙な気持ちにw
「どうする? レベル二なら階層ボスが最大最強最悪のぴんくでも問題ないはずだけど。どうせリザと千紗のワンツーフィニッシュで終わりだし」
「こんなに早く行って、技術の向上はいいのですか?」
「いいか悪いかで言えばだめなんだけど、ここはウィンドとクリアしくらいしかいないからね。ぴんくはそのうち出てくるだろうから置いとくにしても、火スラと土スラの経験を積みたいところだね。そうすると荒野フィールドまでいかないといけなくなる。ここからだと途中でボス部屋に行ってから荒野フィールドに行ったほうが効率がいいわけだ。もう一つの選択肢としてはボス部屋行って二階層のパターンだね。こっちも荒野フィールドには土スラがいるから。火スラはいないけど、こいつは荒野フィールドでもあんまり出てこないから、後回しでいいだろう」
「千紗は二層に行きたいかな? 新しく生えたスキルを試してみたいの!」
「使えそうなスキルなのか?」
「うん、たぶん一層だと役立たずなの。二層ならまあ、ちょっとだけ? 使えそうかな」
「あー、近接系だとねぇ。生身でだいたい足りちゃうからね。アミューズメント層だと」
近接系が光るのは三層以下だね。遠距離系もおんなじなんだけどスキルを得るのは普通三層以下に行ってからだし。
一、二層じゃモンスターの攻撃力も防御力も弱すぎて、職業が近接だろうが遠距離だろうがダメージを受けることはまず無いし、攻撃も殴る蹴るで終了だ。
しかもすでにレベル六。
気が早いやつならレベル五もあれば三層に行ってるしね。
「妾はここで新しい魔法を練習したい」
「魔法スキルってまたレアか?」
「予定通り?」
「まあそうだけど。そうなると練習しといたほうがいいよね。ここで練習できるスキルなの?」
「できれば水辺か、草とかないほうがいいかも?」
「あー、そっち系か。川ならそっちへ行けばあるけど、あんまり近づきたくはないんだが」
「大丈夫。近づく前に殲滅が可能です」
「うん、そうだね! ならとりあえずもう少し川に近づくか。河川敷までなら大丈夫だろう。純華にも水スラ遊び教えたいし」
雨の日の水スラと同じく水辺の水スラは強敵だ。
だが、川岸からある程度離れていれば、危険は少ない。
この間遊んだのも川岸から少し離れたところに出てきたやつだ。
リザたちはレベル六で、二層でさえ安全とされるレベルをとうにぶっちぎっている。
一層なら無敵だ。
純華はもう一レベルくらいほしいが、それだってボス戦を見据えた安全圏であって、雑魚ならまったく問題ないし、ボスですら一撃でどうこうなるレベルじゃない。
僕はステータス低いけど、レベルだけは六あるから、レベル三程度のステータスはある。
一層程度には過剰な戦力といえよう。
「水スラ遊びですか?」
「うん、面白いよ! 一緒にやろうよ!!」
「はい!」
「うっ。妾は魔法の練習が……」
リザのテンションがみるみる落ちていく。
君ら水スラ遊び好きだね!
「リザちゃんの分はちゃんと捕まえておくから、終わったらあそぼ!」
「わかった。速攻でマスターします」
おー。テンションマーックス!
殺る気だね、エリザベートよ!
なら我も本気で導こうではないか。
うん、リザの厨二病が移っちゃったよ。
「じゃあ、一回陣地を撤去して移動するぞ。でもその前に昼飯にしよう」
もうお昼すぎ。
お弁当はレベル一になってからと思っていたのだが何もしないでレベル一になったので、そのままレベル上げに勤しんでしまったからね。
僕のレベルアップ効果で三体も倒せば上がると思ってたら、レベル二なので十体近くかかってしまった。
「じゃあ、君ら先にどうぞ」
「ありがとうおにーちゃん!」
「命令受諾」
「お先にいただきます」
三人はテントの方に戻っていく。
いちおうおトイレ用を確保したら後はジェノサイドだな。
少女たちの憩いの時を邪魔するやつはこの僕が容赦しない。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ブックマーク、評価等していただければ励みになります。




