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はじめてのてつづき

「さて、細かいところは教頭先生と担当教諭に任せてある。指導方法やカリキュラムの作成などについては、彼女らと相談しながら進めていってくれ。非常勤講師となるための手続きとか、セキュリティ教育なども受けてもらわねばならないが、そちらも彼女らが対応してくれることになっているから、指示に従うように」

「はい、承知いたしました」

「では二人を紹介しよう」


 校長先生はデスクのパソコンで二人へ校長室に来るようチャットを飛ばしたようだ。


「二人ともすぐに来れるようだ。少し待っていてくれ」


 待つというほどのこともなく二人がやってきた。

 隣が職員室だからね。

 僕はソファから立ち上がり、相対する。


「こちらが、今回ダンジョン教育の非常勤講師として来てくださった進士和斗くんだ。知っての通り教諭の進士君の息子さんになる」

「進士和斗と申します、よろしくお願いいたします」


「こちらが教頭の日下先生。必要な備品教材の手配、人員の調整、様々な手続き関係などを行って頂く予定です。その他必要があれば相談してください」

「初めまして、よろしくお願いいたします。日下です」

「こちらは岩崎先生です。主に授業内容のカリキュラム等は岩崎先生と相談しながら作成してください」

「こんにちは。岩崎です。怪我をされてリハビリ中と聞いています。ダンジョンのことはわかりませんが力仕事には自信があります。教材等の運搬の仕事があれば遠慮なく声をかけてくださいねー」


 ダメダこいつ、早くなんとかしないと。

 完全に脳筋系だ。


「はい、これからよろしくお願いいたします」


 僕はあらためてお辞儀する。


「早速で悪いが、教頭先生。非常勤講師の採用手続きをお願いいたしますね。校内のルール等についても説明してください」

「はい、校長先生」

「岩崎先生は手続き等が終わったら、彼の使うパソコンの引き渡しと、初期設定を手伝ってあげてください。その後は当面の出勤時間の調整をお願い致します」

「はい、承知いたしました」


「進士くん。当面はできるだけ岩崎先生の空いている時間に出勤してほしい。後の時間については休みでも、テレワークでも構わない。基本的にはカレンダー通りで一応一日八時間までは給与が支払われる。残業代は出ないので八時間以上は働かないように。休日に働いた場合は代休を取ること。サービス残業もだめだからね。そっちがサービスのつもりでも、こっちの管理不行き届きとされれば学校の名誉にかかわるし、回り回って経営にも支障が出る。私立の学校にとって評判が下がるというのは命取りになりかねん事態だ。くれぐれもコンプライアンス違反は起こさないように。その辺のことは教頭先生が説明してくれるはずだから、詳しくはその時に確認してくれたまえ」


「承知いたしました」

「ではよろしく頼むね」

「はい」

「ではまず手続きを済ませてしまいましょう」


 僕は教頭先生に連れられ、各種手続きをする。

 契約書だけでなく、問題行動を起こさない等の誓約書に、入館証の発行手続きなどなど。

 その後主なルール等レクチャーを受け、ルールやコンプライアンスに関しての小冊子をもらったりしているうちにお昼となった。


「進士先生、えっとお父様がいらっしゃるので和斗先生とお呼びしましょうか?」

「先生というのはちょっと気恥ずかしいのですが」

「校内ではそう呼ぶのがルールですので慣れてくださいね。食事はどうなさいますか? 一応給食がありますが、あなたは非常勤ですので事前に申請しないと用意されませんし有料です。申請するのであれば二週間前には申請を出してください」

「それなら外で適当に食べてきます」

「そうですね。出るときは守衛さんにこの臨時の入館証を預けて、外出用の証明カードを貰って外に出てください。入るときにまた守衛所で交換すれば大丈夫です」

「はい」

「では、午後からは岩崎先生と打ち合わせをお願い致します」

「わかりました」


 僕はなれない校内を歩き、一旦外へ出る。


「……腹が減った」


 なれない環境で緊張したせいか、余計に腹が減った気がする。

 ってことで、駅前に行って適当に入ろうと歩いて牛丼屋に。

 牛丼なら片手で食べるのに問題ないし。レンゲやスプーンとかも置いてるし。

 これがラーメン屋だったりすると、カウンターに載っけられるとそこから下ろせない問題が発生するからね。

 牛丼屋みたいなカウンターではだめなんだろうか?

 なぜか大抵のラーメン屋は前が一段高いんだよね。昼時に一人でテーブルを使うのも気が引けるし。

 そんなことを考えながらも、ちゃっちゃと食事を済ませて校内に戻る。

 学校を出て食事ができそうなところまで歩くだけでそれなりに時間がかかるから、戻ってきてもほとんど休む時間が残っていない。

 やはり外で食べるのには時間が足りないか。

 お昼をまたいで勤務するときは、弁当にするかコンビニでなにか買ってきておいたほうがいいかもしれないな。

 それか給食を頼んでおくか。


 授業時間は日によって結構ばらつきがあるようだが、昼をまたいで授業があるのは週二日だし、準備に時間がかかるのは最初だけだ。

 それもほぼ前準備の段階で作り終えるであろうから、授業時間以外にここにいる必要もないだろう。

 週二日のためだけに給食を頼むのもなぁ。

 まあ、当面僕が担当する必修クラブの時間は午後だし、課外活動も放課後だ。

 課外活動に関しては非常勤講師ではなく、部活動指導員という名目で給与が支払われるようだ。

 まあ、外部のスポーツで言うところの監督やコーチ? みたいなものらしい。

 どちらも午後なので、午前はリハビリ行って食事をし、午後からクラブ活動か課外活動に参加する形になるだろうから給食はいらない。


「和斗先生、あなたのパソコンもらっておきましたので設定をしてしまいましょう」


 ここでは非常勤にもパソコンが支給されるようで、授業で使う他テレワークもできるよう、タブレット型のPCだ。


「ここがあなたの席になります。外部ディスプレとキーボード、マウスはすでに設置してありますので、必要に応じて使ってください。片手だと接続や取り外しが難しいかもしれませんね。その時は私か近くにいる先生方にお願いしてください。今日は私が接続しておきますね」


 そういってテキパキとPCとディスプレイなんかを接続していく。


「こちらのワイヤーロックは机に置きっぱなしにするときは必ず着けてください。でなければ離席するときは鍵のかかる引き出しにしまうかですね。先生の場合はワイヤーロックの鍵は難しそうですから、引き出しにしまったほうがいいかもしれませんね」

「そうですね」

「基本的な設定や必要なアプリは入っていますので、この紙に従って個人設定をしてください。パソコンは使えますよね?」

「ええ大丈夫です。大学のレポート書きに必須ですから」


 こんな確認をするのも今どきはパソコンを使えない学生も多いとか。

 大抵のことはスマホで済んじゃうしね。

 文字入力でさえスマホの方が早かったりするとか。


「私は次の授業の準備がありますので、とりあえずこれを見ながら一人でやれるところまでやってください。わからなければ隣りにいますので。そうそう。PCにUSBメモリとかスマホを接続して充電とかしないでくださいね。すっごくおこられますから」


 岩崎先生の机は隣だ。

 僕は紙を見ながらタブレットPCをセッチングしていく。

 とはいってもやることはBIOSやWINDOWSの初期パスワードを変えて、WINDOWS UPDATEを実行するだけだ。

 あとは、勝手に設定してくれるらしい。

 とはいえアップデートが終わったのは岩崎先生が次の授業から帰ってきたあとだった。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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script?guid=on異世界のジョブズに、僕はなる ~定年SEの異世界転生業務報告書~
もよろしくお願い致します。こちらは異世界ファンタジーになります。
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