Side 第2王子 裁かれる兄ブタの謁見の間
前作「醜いブタの王子様」を読んでいただけると、
比較できるかもしれませんが、
読まなくても、多分内容が分かるはず。
それでは、よろしくお願いいたします。
第2王子のリックは、ある日すぐに謁見の間に呼び出されていた。
原因は分かりきってた、先日第1王子で兄のオグマが、王家代々の呪いで醜いブタになってしまった事についての緊急会議であった。
僕は今、兄の廃嫡の議題で謁見の間で立ち会っている。
謁見の間に居るのは、
父上、僕、兄の婚約者のイリヤ、宰相、宰相の息子、騎士団長、騎士団長の息子である。
会議の内容をまとめるとこんな感じ。
宰相息子と団長息子から、第1王子がブタになった日の生徒会室での事件の報告から始まった。
・婚約者が居るのに、自ら魅了の指輪を外した
・生徒会室に男爵令嬢のモモを連れ込んだ
・生徒会長にあるまじき行為の数々
・このままブタであると、王家の外聞が悪くなる
など、かなりブタになった王子をディスる内容だった。
兄の惨状を聞いていくうちに、青ざめる参加が徐々に増えてきた。
玉座に座っている父上も、もはや有耶無耶にできないといった表情をしている。
兄の罪状では、九分九厘、廃嫡になりそうだ。
あの優秀だった兄が廃嫡される。
このままブタのままだしどちらにせよ王にはなれない。
むしろ、婚約者放って男爵令嬢に入れこむのは王子に相応しくない。
これで僕が次の王か。
僕の中に言い知れない喜びが生まれた。
喜んでいると、扉が開いた。
「ぴぎぃーー。」
ブタになった兄が、メイドに引っ張られながらやってきたのだ。
父は、すぐに口を開いた。
「皆の物、よく集まってくれた。では申し渡す。第1王子オグマを廃嫡とする。第2王子リックを王太子とする。」
よし。僕は王太子になれた。
「ぴぎぃーーーーーーー。」
汚いブタの声がする。往生際が悪すぎるよブタさん。
「ぴぎー、ぴぎー」
「オグマよ、直答は許していない。」
父の声に怒りや呆れなどが混じっている。
本当に失望しているようだ。
美しい婚約者のイリヤが居ながら、男爵令嬢のモモに心奪われたのだから。
ブタさんは愚かすぎたんだよ。
「婚約者のイリヤについては、第2王子の婚約者とする。」
「ぴぎぃーーーーーーー。」
なんと義姉さんが僕の婚約者に、兄さんの婚約者だから絶対に手に入らないって思っていたのに。
今日はなんて素晴らしい日なんだ。
僕は謁見の間で感激していた。
次の一言までは。
「陛下お待ちください。殿下の呪いの解除には、キスが必要だと聞いています。殿下に最後のお別れのキスをしてもいいでしょうか?」
まさかイリヤ義姉さんにも、ブタに対する優しさが残されているのか。
イリヤ義姉さんに口づけをされるのは許せないが、兄がいつまでもブタなのも嫌だな。
父が止めないことから、父もブタの息子は許せないらしい。
まあ僕は口を挟めないか。
でも感情的には兄さんが許せないよ。
イリヤ義姉さんがキスする寸前に蹴ってでも止める。
そして、ブタまであと1歩というところで。
「ダメ、殿下がブタ臭い。やっぱりキスなんてできません。」
「ぴぎぃーーーーーーーーーーーーーー。」
くはははは。
やっぱり、ブタは人じゃないんだ。
イリヤ義姉さんも人が悪い。
希望を見せておいて、絶望に落とすなんて。
父上は、不憫そうな目でブタを見つめながら。
「イリヤの優しさも、ブタの臭さには敵わなかったか。もうよい。メイドのミナよ。指輪を外した愚か者のオグマを馬小屋に返してこい。」
「はっ。」
「ぴぎぃーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
ふごふご。ぴぎぃ。ぴぎぃ。」
ブタが居なくなって、新鮮な風に謁見の間に流れてくる。
何かイリヤ義姉さんが言っていた気がするけど、
この呪いでブタになるのは同時に一人だけだ。
僕たちの未来は輝いて見えていた。
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次の日の王立学園の昼休み、生徒会室に男爵令嬢のモモがやって来て。
そして僕は醜いブタになった。
「ぴぎぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
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あとで、男爵令嬢モモ視点あげます。




