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240話【魔法陣】

随分山道を下りてきた。

そろそろ、月が頂点に昇る頃。

山は、やっぱり寒かった。

それに歩いて帰ることもできないため、ハーちゃんに連絡を入れないと。

もう直ぐ、山の麓に着く。

そこに出れば、舗装路があり車通りもある為その道に沿って下れば携帯電話の電波も届くようになるはず。公衆電話もキャンプ場が近くにある為、何処かに設置されている筈。


山の麓は、予想通りで車が数台、目の前を通り過ぎて行った。

どれもプレートにはこの辺りの名前が書かれ地元民だろうか。

麓についても、やっぱり姿は見えなかった。

携帯電話の充電は5%と、すっかり無くなり、仕方なく財布を取り出す。

案外あっさり、公衆電話は見つかり少し痛む足を気にしつつ受話器を手に取る。

ずっしりと来る重い公衆電話を右手に持ち替え、ボタン式のカシャカシャ鳴る公衆電話に電話番号を打ち込んでいく。

もうすっかり、電話番号を覚えてしまった。


プルルルル、と少々長めの呼び出し音を聞くと「もしもし」と気怠そうな声が聞こえ、少しホッとする。

しかしながら、その気持ちは直ぐに直後の『声』に掻き消されてしまう。


《早く通話を切るんだね……アハハハハハハハハハハ》


まだ、あの謎の占い師は本部に居るようだ。

良い人そうだけれども、やっぱり素性が分からない。


《ん?あぁ……篠川というさっきのヤツと話しているのか。代わりなさい》


随分と賑やかな本部に耳の痛みを感じる。

しかも、大切な被験者をヤツと呼ぶなんて…。

でも、あの笑い声がなければ少しはマシかな?


《もしもし。今、変わった。クロだ》


「あ、はい……」(帰りたい……)


《本来は未来の占い師、この世界に長居はできない。

あぁ、そちらにシロを送り込んで置いた。

帰りは安心したまえ。

本部に帰り掛けによるよう、伝達してあるが一応今、伝えておこう。

あ……シロはその公衆電話の近く、その辺りに居ると思うから探してくれ》


プツンといきなり通話が切れ、耳を撫でていると白いローブの占い師がこちらに手招きしているのを横目で確認し、受話器を置いて落ちてきた小銭を取ってから白いローブの占い師の方へ歩いていく。

篠川の方へ向うも走り寄ってきて、息を切らしている。


「あぁ……シロです。初めまして。いやぁ……そのぉ……帰りましょうか」


「まだ、屋敷に残ってる人いるけど?」


後で迎えに行きますから、と話すと(ブラック)(ボックス)を作り出し中に入るように進めてきて、魔法陣を描いていく。

白い二重円と、ラテン文字が書かれいるのはわかるが、何を書いているのかまでは分からない。


「あぁ……これは、ラテン文字。厨二病でふざけて書いてるわけじゃないからね。

基本的なラテン文字は、AとかBだっけね?それにアキュート・アクセントや、グレイヴ・アクセント…………いろいろ、付くのさ。

まぁ、そんなのどうでも良いだろう?帰れりゃ、いいのさ」


特に聞いてはいないが、いろいろ教えて貰えた?

殆ど耳を通り過ぎて行ったが………。






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