第9話:ヤコブの梯子、逃亡先で天と繋がる。
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、ヤコブくんはお母さんと協力して、お兄ちゃんのエサウくんから「長男の特権(祝福)」をまんまと横取りしてしまいました。
でも、やりすぎました。お兄ちゃんは激怒して「あいつ、マジで消してやる……」と復讐モードに突入。ヤコブくんは着の身着のまま、家を追い出されるようにして、遠く離れた親戚の家へと逃げる羽目になります。
これ、自業自得とはいえ、なかなかの絶望ですよね。家も、家族も、お母さんの愛も全部失って、一人ぼっちで砂漠を歩く逃亡生活。そんな「人生のどん底」で、ヤコブくんは不思議な光景を目にすることになります。
それでは、第9話「ヤコブの梯子、逃亡先で天と繋がる。」いってみましょう。
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野宿の夜と、石の枕
家を飛び出したヤコブくん、日が暮れたので、道端の何でもない場所で夜を明かすことにしました。
ふかふかのベッドなんてありません。その辺に転がっている「石」を拾ってきて、それを枕にして眠りにつきました。
首は痛いし、明日の命もわからない。「これからどうなっちゃうんだろう……」そんな不安に押しつぶされそうなヤコブくんの夢の中に、とんでもないものが現れました。
天まで届く「光の階段」
夢の中で、地面から天に向かって、巨大な階段(梯子)が突き立っていました。その階段を、神様の使いである天使たちが、忙しそうに上ったり下りたりしているんです。天と地が、一本の太い線で繋がっているような、圧倒的な光景。
そして、その階段の一番高いところに、神様が立っていました。
神様は、逃亡中のヤコブくんに向かってこう言います。
「私はあなたの父イサクの神。あなたが今横たわっているこの土地を、あなたとあなたの子孫に与えよう。あなたがどこへ行っても、私はあなたと共にあり、あなたを守る。そして必ず、この地へ連れ帰る」
ヤコブくん、びっくりです。自分はズルをして逃げてきた、ただの「ならず者」だと思っていたのに。そんな自分のことを、神様はちゃんと見ていて、「お前の旅には意味があるんだよ、ずっと見守っているよ」と、直接コンタクトを取ってきたわけです。
ここは「天の門」だ
目を覚ましたヤコブくんは、震え上がりました。
「神様がここにおられるのに、私は知らなかった! なんて恐ろしい場所なんだ。ここは神の家、天の門だ!」
ヤコブくんは、枕にしていた石を立てて記念の柱にし、そこに油を注いで、その場所を「ベテル(神の家)」と名付けました。それまで「お母さんに言われたから」とか「自分勝手な理由」で動いていたヤコブくんが、初めて自分と神様の間に、太い繋がりがあることを実感した瞬間でした。
補正の結末:不器用な「約束」
でも、ヤコブくんの面白いところは、ここでいきなり聖人君子に変わるわけじゃないところです。彼は神様に向かって、こう言います。
「神様、もし本当に私を守って、食べ物と着るものをくれて、無事に帰してくれたら……その時こそ、あなたを私の神様と認めます!」
神様に対して「条件付き」の契約を求めちゃう。どこまでも、損得勘定を捨てきれないヤコブくん。でも、神様はそんな彼の不器用な歩みを、長い時間をかけて育てていくことになります。
さて。
こうしてベテルを後にしたヤコブくんですが、逃げ込んだ先の伯父さんの家には、ヤコブくん以上の「ウワテ」が待っていました。
次回、第10話。
「ヤコブ、ブラック企業(親戚の家)で14年働く。」
お楽しみに。……次は、愛のために働いたはずが、朝起きたら別人だったという、衝撃のどんでん返しのお話です。




