第二十話 露店巡り?
露店巡りは、カケル、アイ、ミア、セレス、クレアの五人で回っていた。
カケルが微妙な顔になってる理由は、闘技場に居た頃から今までずっとカケルは今周りから鋭く尖ったナイフのような視線を受けてるからだ。
それも複数だ。カケルが後ろを振る返ると、視線を向けていた人達〔ほぼ男性〕はそっぽを向き知らない振りをしていた。誤魔化してるのはバレバレだが、別に悪いことをしなければ何にも言わなかった。が不満に思ったチンピラ達が絡んできた。
「おいおい、そこのねーちゃん達学園の生徒だろ?隣に居る糞みたいな奴より俺らと一緒に回ろーぜ」
どこの世界でもナンパの仕方は変わらないんだな。なんか安心したなぁ。
カケルに対して悪口を言われたが、そんなことは前の世界で慣れっこだった為そんなに気にしなかったが、四人の女の子達が許さなかった。
「はぁ?あんたみたいなチンピラよりこの男の方が百倍良いよ!!」
とクレア。
「すみませんが、お断りします。こちらの男性の方がそ、その好みというか……」
途中からソワソワしながら断ったセレス。
「私はこの男性のことが好きなので、無理です」
きっぱり言い切るミア。
「わ、私はあなた達みたいな人は嫌なのでごめんなさい!!」
慌てて嫌と断るアイ。
どうやら四人とも付いて行くのは嫌だったらしい。
いつの間にかスッと一歩下がってる状態で、僕一人が前に出て孤立していた。
こ、これはガツンと言わないといけないパターンかな?あんまりそいうの得意ではないんだよなぁ~。
「四人とも嫌がって付いて行かないそうなので、これで」
カケルは最悪な事態になる前に退散しようと早めに会話を切り上げ、四人を連れて立ち去ろうとしたとき、ミアさんの腕が掴まれた。
ごつごつした手が、自分の腕に触れたからなのか振り向く前にゾワっと震えた。そして『離して!離して』と嫌がっていたが、離す気は無く汚い笑みを浮かべていた。
『このままでは最悪の事態になってしまう』と悟ったカケルは、声のトーンを落とし相手の腕を掴み、真面目顔で止めに入った。
「あの彼女嫌がってるんで、この手離して貰えますか」
「ああぁん?……ひ、ヒィィィィ!!!」
チンピラはカケルの姿を見ると、握っていた腕を放し何か怖い物を見たようにパニックになり逃げていった。
「ありがとうカケル。って出てる出てる。力のオーラが」
「あ!本当だ。ありがとうございます」
何故か自然と力が外に流れていたらしく、その姿を見て逃げたらしい。
カケルは大切な人が危険に襲われてるのが本心では嫌だったのがトリガーとなって、自動発動したらしい。力はカケルの意志で発動するのと、思いで発動する二つのパターンがあるということだ。どっちらが強い力を発動するのかは分からないが、今は考えないでおこう。
力を何とか抑える出来たが、周りの視線を集めることとなった。
四人の背中を押しながら、視線から逃げるようにこの場を離れた。
行き着いた先は、人が少ない校舎裏だった〔特に意味はない〕。
「四人ともごめんね。僕のせいでこんな事になってしまって」
と謝るカケル。
「いえいえ。謝るのはこっちですよ。助けてもらったのに」
同じように謝罪するアイ。
「私のせいなのにごめんねカケル。公の場で力を見せつけてしまったし」
私のせいだと言い謝る。目立ってしまったこともだ。
「良いってことよ~。それよりさっきから言ってる力って何なんだ?」
疑問に思っていたことを三人に投げかけたクレア。
「それ私も気になっていました。一体なんです?」
クレアと同じく気になっていたセレス。
確かに二人には言ってなかったが、もうここまで話したら逆に隠しきれず怪しまれるだろう。別にエリン王女に口止めはされていないが、身近にいる人達には話すべきだろう。しっかりと口止めもして。てことで訳を話すことになった。
カケルが話し終えると、二人は難しい顔になった。
二人とも今後のことや、どう付き合っていけば良いのか考えていた。
今まで最弱だから気楽に話せていたが、相手の力が未知数で有る場合警戒しなければならない。今後は大事なこと以外は力を使わせないや、大勢居るところでは使わせないなど考えていた。だが、それはミアに言われたことだから大丈夫だろう。
「大体は理解できた。このことは誰にも言わないよ。言ったらミアが怒りそうだしね」
最後を冗談で言いからかった。
「そうね。雷が降ってくるぐらい怒るわね」
ミアはそのことが冗談と分かっておきながら、反応した。
「ハハハ!冗談だよ。な?セレス?」
「え?今の冗談だったんですか?それは今置いておくとして、私も誰にも言いません。もし私にも協力出来ることがあったら協力します!」
「ありがとう。今はないから大丈夫だよ」
「そ、そうですか」
今は役になれなかったのがショックだったのか、しょんぼりしていた。
会話が続かず、微妙な空気を断ち切る為に話題を振った。
「露店巡り再開しようか」
「そうね。もう辺りは収まってるそうだし」
「だな!早く回ろーお腹空いたよ~」
ミア、クレアの意見にうんうんと頷き意見にのった。
確かにさっきまで逃げることに集中していたからなのか、急に空腹が襲ってきた。
うう~朝あんまり食べてなかったからめっちゃお腹すいたなぁ。しかもおいしそうな匂いで、もっとお腹が空いてきてしまった。
「それじゃ行こうか!」
カケル達は人が混雑している中で露店巡りを再開した。
いくつもの露店を見てきたが、女の子四人が『これが良い!』という店がなかった。がやっと見つかった。それは以前食べたことのある串焼き肉にゴルソラをまぶしたものだった。
確かにあれはジューシーで食べやすく、ほっぺたが落ちるぐらい美味しかったもんな~。もしかしてあれってこの国の特産品だったりするのかな?特産品だとしたら納得できるなぁ。
カケルは串焼きのことを考えながら、三年の先輩に『串焼き五本下さい』と注文した。
学園の生徒はお金を払わなくても良いシステムになっていたので、少し得な気分になった。しばらくすると『はい。どうぞ』と串焼きを五本渡された。それを四人に渡すと、飢えた獣のように勢いよく肉を食った。そこまで勢いよく食わなくてもと思ったが、ふと気が付いたときには自分も勢いよく食べていた。
その後も色々と食べ歩き、途中で三年の出し物の漫才を見たり、充実した一日だった。
昨日のことがあったからなのか、いつもの日常がとても平和に感じた一日でもあった。
誤字、脱字ありましたら報告お願いします。
二作目順調に進んでいます。




