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異世界移住生活日誌 短編集  作者: 葉月ナツメ
10/10

新生活開始~ラクロの鉄槌編~

"恋語りに至るまで"を書いたあとなのに最初のほうに戻ってしまいますが、順不同なのでご了承下さい。

一日の仕事を終えたあと、ふと気になって華原さんの様子を映し出した。

するとそこには沈んだ様子で籠と釣竿を置き項垂れている彼女の姿があった。

何かあったのだろうかと、彼女の心の声までを聞くべく、意識を集中させる。

次の瞬間、『うぅ、お腹空いた……』という心の声と共に、きゅるきゅると鳴るお腹の音が聞こえてくる。

……お腹が空いた?

それならば、冷蔵庫から食材を取り出し調理して食べればいいだろうに?

食材はとりあえず日本のものを冷蔵庫に入れておくようにルークに指示してある。

まさか、入っている事に気づいていないのか?

冷蔵庫を開けて確認していないのだろうか?

ならば食材が入っている事を手紙で知らせなければ。

そう思いペンと魔法の手紙を取り、そこにペンを走らせようとして……その手がピタリと止まる。

……食材を入れておくように、ルークに、指示。

その一文が頭の中に浮かび上がり、俺は眉根を寄せた。

まさか…………。

ペンを置き、映像を彼女からリビングにある冷蔵庫へと移す。

そして透視の術を追加し、その中を映し出した。


「……ほう?」


俺は口元にだけ笑みを浮かべ、短くそう呟いた。

ついで転送魔法を用い、リビングのテーブルの上へ料理を送り、再びペンを持つと魔法の手紙を書いて、それも送った。

そして転送された料理に気づいた彼女が手紙を読み、俺に感謝の言葉を告げながら料理を口にするのを確認したあと、立ち上がって部屋を出る。

向かう先は、食堂。

食事を取ろうとして突然料理が消え、困惑しているだろうあの馬鹿の元へ、早足で向かう。

……さて、どうしてやろうか。

ああそういえば、右頬と違い、左頬に湿布がなくて寂しそうだったな。

よし、せっかくだからそっちにもプレゼントしてやるとしよう。

そう結論づけると、俺はニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。


という事で、あの日クレハが食べた夕飯は実はルークの元から転送されたものでした(笑)

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