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アーシャネット少佐と盗賊退治③ レイモンド大佐とアーシャネット少佐

盗賊団のアジトを総力戦です。

今回は伯爵側も手勢を集めてきました。

今回は攻城戦をシミュレートして、

ひと癖ありそうなレイモンド大佐が主攻として

盗賊退治を行います。

盗賊団のアジトを包囲する。

山間の洞窟に立てこもりをしていた。

地元では有名な存在であったらしい。


「こんな山奥に潜んでいたとは。」

「盗賊としてはありがちかもしれませんね。

 裏側の出口を調べて逃げ道を抑えるのが優先かもしれません。」

「それは今部下に調べさせている所だが、直ぐには見つからない。

 奴らを逃さない様に遠くから見張るしかない。

 くそ、守るには容易い良い場所を抑えているな。」


アーシャネット少佐と会話する。


「この山間は確かに砦としては有意かもしれん。

 盗賊団どもを退治したら余の砦を建設しよう。

 監視にはもってこいの位置にある。」

「これは伯爵様。

 御自ら出陣でございますか。

 ここは我らの手勢で奴らを逃さない様、監視をしております。」

「良い。

 アーシャネット少佐も見事な勝利と聞いた。

 よくやった。」

「ありがたき幸せ。」


伯爵様が合流なされた。

そして何故かトーマス殿下までついてきている。


「トーマス様。

 ここは危険です。

 もうキルテル村も見学なされたし、

 王都にお帰りになられては如何でしょうか?

 皆様も多分心配していると思いますよ。」

「坊主。それを言うな。

 俺は今だけは非常に残念ながら暇なんだ。

 あと、王都の事は今は口にするな。

 後の事は考えるな。今が楽しくて仕方がない。」


あ、これ実は忙しいパターンだ。

後で王都でお説教を貰うな。

じゃあそちらに任せて放置しておこう。


「伯爵よ。

 相手は盗賊団だが、形の上では攻城戦だな。」

「はい、殿下。

 ここは我が軍も攻城戦を経験する絶好の機会かと。

 ふふふ、盗賊どもめ。

 長年領内を荒らし回った借りを返してやるぞ。

 領民の痛みと共にな。

 皆の者、決して逃がすでないぞ。」

「・・・」


盗賊団の本拠地を見つけた事で

伯爵様は戦意が向上してハイになっている。

周りはドン引きである。

相当のストレスが溜まっていたのであろう。

領内の安全を確保出来ない領主など無能扱いされても仕方がない。


「伯爵様。

 国境警備隊が只今到着しました。

 レイモンド大佐以下、

 騎兵300人、歩兵400人でございます。」

「よく来てくれた。レイモンド大佐。

 卿の先の戦いの突撃は見事だった。

 此度の攻城戦も頼むぞ。」

「はっ。ありがたき幸せ。」


レイモンド大佐が到着した。


「伯爵様。

 親衛隊長ローラッド大佐以下中央守備隊。

 300人と筆頭魔法使いのアイヴィーリ以下

 100人到着しました。」

「王都駐留部隊のコネット中佐以下

 200人到着しました。」

「傭兵隊長ジェレール中佐以下

500人到着しました。」


各隊長が集まる。

総動員に近い集合っぷりである。

実際は現地に急行出来るメンバーだけではあるが。


「うむ。卿らも良く来てくれた。

 盗賊団共を攻め滅ぼすぞ。

 卿らをわざわざ集めたのはこの山間を完全に包囲するためである。

 王都への街道の確保は父上の世代からの長年の課題である。

 盗賊団の首謀者の首を見事召し捕ってみせよ。」

「ははっ。」


これで伯爵様と我ら麾下100名合わせて総員1,900人。

実際の戦争では傭兵団を多数雇うのでこれの数倍程度にはなるだろう。

盗賊団は近隣住民の情報より500人前後と推定される。

先の戦いで盗賊団を200人ほど減らしたのは大きかったな。


「ところで坊主。

 お前があの有名なエリオス内政官殿か。

 俺がレイモンド大佐だ。

 よろしくな。」

「これはレイモンド大佐殿。

 エリオスでございます。

 お会いできて光栄でございます。」

「それは良いとして、一つ教えてくれ。

 あの超堅物のアーシャネットお嬢ちゃんととても仲が良いなあ。

 堅物娘をどうやって口説いた。

 10歳も年上の女を。まさか年下好きだったとはな。

 俺にもその秘訣を教えてくれ。」

「・・・(このオッサン、超NGワードじゃないのか?)」


怒り狂ったアーシャネット少佐がそばに立っていた。


「これはこれは、レイモンド大佐殿。

 今聞き捨てならない言葉が聞こえたのですが、

 本官に対する侮辱発言は許せませんな。

 例え上官と言えどもそれは聞き捨てなりません。」

「怖い顔をするな。お嬢ちゃん。

 綺麗な顔が台無しだぞ。あははは。」 

「(ブチ)。

 この騎士に対する侮辱発言ゆ、許せませぬ。」


見かねた伯爵様が止めにかかる。

 

「止めろ、卿ら。

 レイモンド大佐も不要な挑発するな。

 これから大事な戦さだぞ。」

「申し訳ありません。伯爵様。」

「・・・(このジジイ。後で覚えてらっしゃい。)」


怒りに満ちたアーシャネット少佐がとっても怖い。

このオッサンは相当の危険人物なのでかかわらないようにしようと思った。

おお怖。

残念ながら将来、それは無理な相談だったのであるが。

レイモンド大佐とは今後、腐れ縁になる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

盗賊団の本拠地内。

団長のニーゲッツとその配下。


「大将。

 伯爵が攻めてきました。

 既に包囲されている様です。」

「・・・お前は街道を襲撃している部隊。

 何故ここにいる。

 伯爵共をわざわざここに連れてきたのか?」

「私共は情報を持ち帰っただけです。」

「おい、この無能共を始末しろ。

 こいつらのお陰でここが見つかった。

 もはや戦闘は防げぬ。」

「ひえー。お助けを。」


連れて行かれる盗賊。

ニーゲッツは苦い顔をしながら、周りを見る。

戦意は低い。

まともな軍隊とは交戦した事は無いのだ。

早い段階でここから撤収すべきだった。


「ちっ。

 閣下とは連絡が取れそうにない。

 ここで一戦交えても退路を切り開くしかなさそうだな。

 伯爵という存在に油断したか。」

「まだここは天然の要害。

 スキを見て裏口から逃亡すれば再起は可能です。」

「しかし伯爵もかなりの兵力を集めてきた。

 先程の傭兵団との戦いとは違う。

 奴らがもうちょっと戦力になれば各個撃破できたのに。

 使えない連中だ。」

「では逃亡のチャンスを図りましょう。

 表側をおとりにして裏口から逃亡しましょう。」  


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

主要メンバーが集まる。


「では作戦会議を行う。

 まずは主攻として裏口からレイモンド大佐。

 敵の逃亡ルートは多数あるだろうから逃げ道を塞げ。

 次に囮として正面から余とアーシャネット少佐が攻め上がる。

 敵が正面突破を図れば迎撃する。

 そして逃亡した敵の追撃として親衛隊長

 騎兵を率いて機動攻撃しろ。逃がすなよ。

 最後に殿下とエリオス内務官とその一同は更に後方に配置して

 逃げ延びた盗賊共を更に追撃してもらいたい。

 アウトレンジからの攻撃も頼む。

 残りは包囲して隙間を作るな。

 敵は今でも逃亡の準備を開始しているだろうから、

 時間が最優先だ。今直ぐにでも行動に移れ。以上だ。」

「ははっ。」


伯爵様から指示がおりる。

各位がすばやく行動に移る。

これから盗賊団包囲攻城戦が開始されるのであった。

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