再び月曜日 Ⅱ
あ……また、目が合った。
そしてすぐにそらされる。
今日何度目だろう。そらされても、しばらく経つとまた視線を感じて。やっぱり相手は私を見ていて、でも目が合うとさっと逃げていく。
今日の綾瀬くんは変だ。
まだ風邪が治ってないのかな? なんだか顔が赤いし……。
おかしい。すごくおかしい。なんでだろう。たしかにそこにいるのは綾瀬くんなのに、でも。
何かが、違う。
また目が合った。私は違和感の正体を確かめようとして、じっと彼を見つめた。なぜだか今度は彼もすぐには目をそらさなかった。
先に顔を背けたのは私だった。心臓がドキドキして、頬が熱くて。
やっぱり綾瀬くん、絶対におかしい。綾瀬くんは綾瀬くんで、他の誰でもない。なのに、どうして……彼が別の人に見えるの?
どこかが違う。私がこの1週間見てきた彼と、今同じ教室にいる彼。同じ顔で、同じ声。周りの皆はまるで違和感なんか感じていないみたいだけど、でも……。
綾瀬くん、あなたは誰……?
今日はたしかバスケ部の練習は休みだ。月曜日の授業後は基本どの部活も活動しない。先生の会議の関係だったと思う。
今日の授業が全て終わり、私は迷った。
部活がないってことは図書室で時間を潰す必要もなくて。
迷っているうちに、いつの間にか教室から綾瀬くんの姿が消えていた。
先に行って、校門のところで待っててくれてるのかな。
会って話すのが、ちょっと怖い気もした。緊張、する。どうしてだろう……久しぶりだから? それとも、今日が最後の日だから……。
私はドキドキしながら教室を出た。




