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二度目の世界で本当の自分に  作者: 夢辺 流離
7/60

VSジャガイモ

「ふんふんふんふ~ん♪」

 面接の翌日、出勤した私はご機嫌さんでモップをかけている。


 食堂、と言ってもファミレスほどの大きさの店である。

雑巾を先端に取り付けられるだけなんだけど、

屈んで学校よろしく雑巾掛けは流石にしんど…くもないけどこのほうが楽なのは間違いない。


 それが終わったらテーブルの上を拭いていく。

なんてことのない雑用なのだが、何故か楽しくて仕方がない。

調子にのってクルッとターン!

「こら!遊んでんじゃないよ!!」

「はーい、すみませーん」

 っと怒られちゃった、反省反省。


「それじゃ、これの皮を向いて置いておくれ」

 次に渡されたのは箱いっぱいのジャガイモである。

それも2箱

「あ、あの!」

 出て行きそうになるレイダさんを呼び止める。

「なんだい、文句でもあるのかい」

 少し瞳に力を込めたレイダさん。

「一つだけやって見せてもらえませんか?」

 実はやったことがないのだ。調理実習ではピーラーを使ってたし。

「なんだい、こんなものもできないのかい、貸しな」

 そういって包丁とジャガイモを受け取るとクルクルと器用に剥いてしまう。

「この芽の部分に毒があるから、包丁の角でこう、ちゃんととるんだよ」

「はいっ」

「ほら、さっさとやりな。口車にのせて私に全部やらせる気かいっ?」

「はっ、はい」

 再び包丁を受け取ってジャガイモと向き合う。


"スキル【調理:包丁】を会得しました。"


なんか出たし!いきなり非現実っぽくなったし!

一緒になったファンファーレにビビってなんかないからな!


 とは言え、それでいきなりうまくなったわけじゃない。

プツリプツリと細々皮が切れるのを繰り返して少し長めに続けられるようになって。

こういうのはいかに数をこなすかだから、 いい機会を得たものだ。

地道に剥いていって20個も剥いたころに


"スキル【調理:包丁】のレベルが上がりました。"


う~ん、ビックリするからこんなのいらないんだけど。

ファンファーレが5回ほどなった頃に、包丁じゃなくてジャガイモを動かしたほうがいいんだ!と気づいて動作が安定し始める。


 この日は他の作業を終えたレイダさんが途中から手伝ってくれてなんとか準備が間に合ったのだ。

一人でしっかりこなすのが目標だ!

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