クララ、ターンエンド!
後で修正するかもです。
「『キマシ』タワー、ですか?それは一体どういう意味なのですか?」
幸いというかどうかは分からないが、リデルはそのスラングを知らなかった。
後で"現実世界"で調べて、だれだこれを教えた奴、と呟くことになる。
「セレヴィアに情報を提供した者を捜し歩く途中の街で出会った渡来人の二人組みに教わったのですわ。なんでも女性同士の友情とかそんな意味があるのだそうです。こちらの世界では都合のよい言葉がなかったので話を聞いてこれだ!と思いましたわ。」
へーそんな言葉があるんだな~とリデルは思っていた。
「しかしセレヴィア以外にどこにこの話を持ちかけたらよいのか困っていたのです。それで、件の情報提供者に協力してもらえるよう探しているということですの」
「それは領主主導の事業ということでいいの?」
ふと気になって聞いてしまう。
「どういう意味かしら?」
「つまり、儲けを気にしない慈善事業なのかってことです」
私の発言に首を傾げている。
「では販売のターゲットについてはどう考えているのですか?」
「それはもちろん!女性全般ですわ」
ああ、これは…。
「クララが強制するならともかく、そうでなければどこの店も断るでしょうね」
「な、なんですって!?どういうことですの?」
テーブルを叩きつけながら立ち上がって吼えるようにそう叫ぶ。
「まず、ターゲットが女性、では駄目です。貴族と平民が一同に介するようでは問題を起こしますと宣言しているようなものです。貴族は平民と同じところで買い物など嫌がるでしょうし、平民は貴族相手に何かやらかしたらと恐れて近づこうとはしないでしょうね。クララの発想の要は悪くないとおもいますが少し想定が雑ですね」
「そんなことは…」
「さっきのお付の人の反応を見れば明らかでしょう。どうしてもやるというなら貴族用と平民用を別々に建てないと駄目でしょうね」
「そ、そんな…」
「ちょっと見通しが甘かったですね」
「貴方、名前を聞いていなかったわね」
「…リデルです」
相手は名乗っているし止むを得ず応える。
「そう、リデル。私からお願いするわ。貴方の力を貸してほしいの」
「はぁ。こちらでご相談にのるくらいでしたら」
しばらく考え込んだ後、それなりの笑顔で
「しかたないわね、それでいいわ」
と応えてお会計(お釣りはいいわ、とかはなく普通に払っていた。お忍びは案外慣れているらしい、残念)
帰り際、私の耳下で呟いた。
「何か悩み事かは分からないけれど、次に来る時は100%の笑顔での給仕を期待しているわ」
意地が悪そうに、さっきの借りは返させてもらったわとばかりに笑って帰っていった。




