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二度目の世界で本当の自分に  作者: 夢辺 流離
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クララのターン!


 「さっきから聞いておればお嬢様に対し無礼な真似をっ!」

「辞めなさいっゼパス!」

 そう言ってお付の人が私の手を掴もうとしてくるのを、

逆に掴み取り滑るように背後に回ると同時に腕を捻る。


「ぐっ、馬鹿な」


「お客様に快適なお食事を提供するため、給仕には強盗を取り押さえるくらいの腕はあるんだからね。」


いや、ねーから!と冒険者達が目の前で手を振っている。


「ゼパス、私がいいといっているのだから余計な面倒はおこさないで頂戴。ね?そういうわけだからゼパスを開放してくれないかしら」


 私は仕方なくお付の人の手を離す。

ゼパスは腕をさすりながら憎憎しげにこちらを睨んでいる。


「給仕って強いのね。知らなかったわ。秘書兼ボディーガードとしてうちで働かないかしら?」


「お断りします」

「やっぱり打目なのね…残念。それじゃあ、少しだけ相談に乗ってくれないかしら?」


 あ、これ最初に断らせておいて次の頼みごとを聞いてもらいやすくする交渉テクニックじゃない?

でもまぁ私はこの風変わりなお嬢様が何をいうのか少し楽しみになってきたのでレイダさんに許可をもらおうとすると、

しっかり見張っておきなと言われました。


「セレヴィアという名はご存知かしら?」

「ええ、確か服飾メーカーの」

 以前銭湯で辱められた時のお姉さんですね。

「知っているなら話がはやいわ。今では女性向けの下着や服に力を入れている大御所だけれど、なんでもそのヒントを街中で得たという話を聞いたの」


 …間違いないですね。


「これまで実用性のみだった下着にかわいさを付与したことに私は唖然としたわ。そんなこと考えもしなかった。余談だけど街角で聞いて回ったところ、かわいい下着をはいたことで、夫との夜の営みの回数が増したそうよ。」


 聞きたくなかったかもしれない、その情報。


「つまりお嬢様は何かしようと思っていてそのヒントになるようなものを探していらっしゃるということですか?」


「クララ。クララと呼びなさい。私もセレヴィアへこっそり行ってみて驚いたわ。女性達が嬉しそうに買い物をしていたの」


 何をいっているのだろう?


「男が働いてお金を稼いでいるのを貶めるつもりはないわ。だけど家のことを守っている女性が低く見られるのはおかしいと思うのよ。男は仕事帰りに酒場でお酒を飲んで帰ってきたりギャンブルをしたりと娯楽を楽しんでいたわ。一方で女性にはそんなものはなくちょっとした買い物を楽しむのが精一杯というのが現実なのだと思ったの」


 なるほど、多少行き過ぎだとは思うけど、一理はあるかも。


「そこで私は女性用の総合娯楽施設を作ろうと思ったのですわ。女性の、女性による、女性のための施設その名も『キマシ』タワーですの」

タワー=塔 キマシ塔ということですね。

誰だ、こんなスラング教えた渡来人。

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