共同浴場 序
雨が続き、稲刈りが遅れてシルバーウィークが潰れたorz
「お先に失礼しま~す」
い・よ・い・よ待ちに待った週末ですよ~。
食堂「ひだまり」の裏口には晩御飯目当ての野良ねこがたむろしています。こっそり、晩の賄のパンをあげているのは内緒です。
食事どころですから、衛生面には気を配らないといけませんからね!
今日はアンジェと一緒にご飯も食べる予定なので賄は辞退したのです。
「ごめんね、今日はあげられるものがないの」
といえば尻尾が一様にシュンっとおります。
ちょっとだけ罪悪感を感じた私は手提げの鞄からお昼ご飯のデザートにと持っていっていたクッキーを見つけました。
…ねこに食べさせたらまずいよね…?
鞄に戻そうとするも感づいたねこたちの瞳が怪しく輝き、次の瞬間には
ねこたちに取り囲まれてクッキーは食べつくされていました。
にあ~と満足そうに鳴くのを聞いてしかたないなぁと呟いて苦笑しつつ、顎やおなかを堪能したのでした。
「ごめ~ん、待った!?」
「ううん、今私も仕事が終わったところだよ」
まるでデートのようなお約束の言葉を交わしながらアンジェと合流です。
「…何?この光景。」
周囲にはギリギリ両手の指の数で済むくらいのねこが気持ち良さそうにうにゃ~と転がっていました。
「リデルの存在がマタタビだ!」
まずは私の家に向かい、荷物を置くと、お風呂セットを持って近所の共同浴場へ!今日の疲れを洗い流すのですよ。
アンジェがしきりに遅れたことを謝りますが、明日の朝の仕事を休む分、今日頑張っていて、ガノフさんにさっさと行け!と追いやられたんじゃないかなぁ。
"真実世界"で過ごして2月もすれば、自分の身体にも慣れてくる。"私"は女だった、と言っても男の身体で過ごしてきた"現実"での時間があるので、初めは照れたものだ。お風呂に入る度にドキドキで、身体を洗うだけで意識し過ぎてイケナイ気分になるところだったけど、流石に慣れた。
と思っていたことが私にもありました。
今日はいつもより早かったので、混みこみだったのです。
更衣室を埋める裸体 裸体 裸体。
女同士だと遠慮やためらいがないんですね。
"真実世界"がそうなだけなのかは分からないけど、タオルで隠すとかもなく、堂々としたものですよ!
スキンシップも大胆で、
「また胸、大きくなったんじゃない?」
なんていいながらニヤニヤ揉み揉みしている光景なんかも普通に見られます。
"現実"ではやはり一線を引いて接されていたのだなぁと嫌でも分かってしまう。
そんな思考の海に囚われていた私は、アンジェがいないことに遅まきながら気づく。先に行ったのか、一言声をかけてくれればいいのに…と思っていると下腹部に妙な熱量を感じて、視線を下げると、パン一のアンジェが屈んでいました。
「ちょ、ちょっと何!?」
慌てて後ろずさると、身体を捻って、両手でそれぞれ覆い、中心線を隠すようにしました。
「んや、それそれ」
アンジェはそういって私のパ☆ン☆ツを指差します。
「なんかかわいいの穿いてるなぁって」
そういえば自作のパンツを穿いていたのでした。
"現実"で作り方を調べた私は、必死で型を覚えました。"真実世界"へは、頭の中の知識・知恵意外持ち込めないからです。人差し指の第一関節ぐらい、とか必死に記憶したのに
身体のサイズが違い、狂いが生じたりといろいろ問題だらけで、レッグホール(足を通す穴)で擦れたりしないよう、微調整に微調整を重ねて
型を作り、やっと完成したのは、前身頃上部にピンクのリボン付きで、サイドを留める紐はちょっと大きめで、蝶縛りにすればそちらもリボンのようでかわいくなる。"現実"でいうランジェリーのような透けたようなのや、色合いはどうなっているのか分からず、シンプルなこれに落ち着いたのだ。
「リデル、誰か見せるような相手ができたの?」
ニマニマとアンジェがからかう。
その顔はなんか嫌だ
「ち、違くて!勝負下着とかじゃないから!」
「「「「「勝負下着!」」」」」
周囲のお姉さん・おばさま方の熱戦が私の股間部にあつまるのを感じます。
「確かに、純白に微かに自己主張するリボン、イケるわね」
「下着に凝る、という考え方はなかったわね」
「これなら旦那だって火がつくにちがいないわ」
喧々囂々と繰り広げられる舌戦。
ひとめ見ようと押し寄せられるお姉さま方にもみくちゃにされて遠い目になったのでした。




