吸収してできたモノ
探し周ったがあきらめて設備をあらかた破壊してから建物から出ることにした、外に出るとまだ結界があったが徐々に弱まっているのでもう大丈夫だろうと放置して、買い物を楽しんでるマキナを回収してギルドに帰ってきた。
ギルドに着くころにはすでに太陽は沈みきっており街は静まり返っている。
ポケットから時計を取り出して時間を確認する。
「もう10時か…」
こんな時間だからである。
受付によるとレティはすでに寝ているかもしれないらしい、それを聞いてユウキはすぐにレティの自室に行き、今まさに寝ようとしたレティをおこす。
「依頼終わりましたよ!」
「ユウキ…わざとじゃぁ、ないよな?」
「わざとじゃありません、偶然です」
「…………」
「で、依頼はどうだった?」
「地下に空洞があってそこから有害な物があふれていたために結界をはっていたみたいです、地下の空洞を調べたら魔物がいたので駆除、建物の住人は私が来る前にはすでに死んでいました」
「そうか…、お疲れ様報告書よろしく、私は寝るからな!」
ユウキを払いのけるように簡単な結界を貼ってからレティは寝てしまった、マキナもなんだか眠そうなのでついでに結界を壊して寮に帰った。
窓から帰宅し、マキナは荷物をリビングに置いたままユウキのベットに吸い込まれていった、ユウキは夜食を作って食べてから就寝した。
寝室に向かうとベットには20歳位の女性が寝ていた、マキナだ…以前にユウキが抱き枕になるという約束を覚えていたようだ。
ユウキはマキナに背中を向けてベットの中に入るとユウキに抱きついてきた、その姿ハエトリソウを彷彿とさせるようだ。
「……あ、夢か」
どこまでも続く真っ白な世界、上下左右の区別すらつかない白一色の世界、そんな幻想的な夢を見る時は必ず……。
「いい加減に私に体を返しなさい!」
もう1人のユウキが出てくる。
「雰囲気ぶち壊しだよまったく」
「そんなことより体をかーえーせー」
肩を思いっきりゆらす、あの戦いから戦闘は一切してない、ユウキが本気を出せば叶わない事がわかっているからだ。
「それは無理だってばぁ」
「あのう…」
「「なに?」てかなんでここにいるの?」
「それは私たちがあなたに吸収されたからです」
「私たち?、一人しか見えないけど?、そんで天使と悪魔を吸収したのは覚えてるけど、あなたを吸収した覚えはないよ」
「あの…私がその天使と悪魔です」
「あれ?、でも私が吸収する前って見た目は男っぽくなかったっけ」
今いるのは女性らしいラインが強調されており、地下で見た人と全然違って見える。
「我々天使や悪魔にとって姿や見た目に意味などありません、ですが……、なぜかあなたに吸収された時、私たちは一つになってしまいました、力も意識も価値観も……そしてなぜだかわかりませんがこの見た目で固定されました」
肌は日本人のような黄色で髪の毛はクリーム色、目は紫色になっており吸収した天使と悪魔の色の中間の色をしている。
「てゆうかなんでここに来ることが出来るのよ!」
「いや、あの、その…吸収されて気がついたらここに…」
「はぁ!?、なにふざけ、ってちょっと邪魔しないでよ!」
「すこしは落ちつけ」
もう1人のユウキは不満そうに何か呟きなが離れてくれた。
「そういえば名前は?」
「私たちは下級の存在なので個別の名前は持ってません…」
「そっか、ごめんね」
「いえ、私たちは…」
「じゃあ名前つけないとね」
「いえ、そんな…」
「名前がなかったら(天使と悪魔が合体した物)になるけど?」
「う、それは……、では私たちに名前を下さいませんか?」
「じゃ、じゃあ……名前はカルラで」
「カルラ……」
カルラは目を閉じて祈るようなポーズをとると微妙に光だす。
「まっ白な空間だから全然眩しくないな…」
なぜか淋しそうに呟くユウキを後目にカルラの背中に4枚の翼が生えた、その翼は天使と悪魔を吸収した時に生えていた翼と同じものだ。
「私たちの名前……これで私たちは……」
次第に辺りが暗くなる。
「起きるか……」
もう一人のユウキは吸収できなかったので残っています。
これでユウキの精神に3人目の住人が出てきました。




