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ゴミスキルだと捨てられた少女たち、実は最強の生活能力スキルだったので気楽なスローライフ冒険旅を満喫する  作者: 鳥助


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41.美味しい食事で強化

「じゃーん! 朝食はリドートーの照り焼きサンドだよ! あと、コーンスープ!」


 孤児院のテーブルの上に並べた皿の上には、照り焼きサンドとコーンスープ。


「「「わー! 美味しそう!」」」


 すると、八人の子供たちが目を輝かせて声を上げた。みんな、とても嬉しそうにして賑やかだ。


「さぁ、皆さん。この糧に感謝を捧げましょう」


 テレセスがそう言うと、子供たちはお行儀よく背筋を伸ばし、手を組んで祈りだした。その様子に私たちも同じように祈る。


「では、メルたちにも感謝をしてください。材料を用意したのも、料理をしたのもメルたちですから」


「「「メル、ありがとうございます!」」」


「本当にありがとうございます」


 みんなから感謝をされて、むずかゆい気持ちだ。でも、悪くない。


「さぁ、頂きましょう」


「「「いただきます!」」」


 それを合図に子供たちは照り焼きサンドにかぶりついた。


「うわー! 美味しい! こんなの初めて食べた!」


「うめー! なんだこれ!」


「パンがフワフワ! お肉がジューシー! 味が美味しい!」


 反応は上々だ。こんなにたくさんの人が美味しく食べてくれて、本当に嬉しい。


 私も一口食べると、ジューシーな肉と甘辛い醤油ダレが口いっぱいに広がり、それをフワフワとパンとシャキシャキなレタスが包み込む。


「この照り焼きサンドというやつも美味しいのう。まだまだ、わらわたちが知らない料理があるとはな」


「本当にメルは料理上手ですね。こんなに美味しい料理を、一度で作ってしまうんですから」


「褒めてくれてありがとう」


 朝からたくさん褒められて、本当に照れ臭い。まぁ、でもこれはスキルのお陰だと思う。熟練の料理人の如く料理が出来たから、私だって驚いている。


「メル、こんなに美味しい料理をありがとうございます。子供たちも喜んでいて、なんと感謝をしたら……」


「いいよ。大変な思いをしている子供たちを見捨てておけなかっただけだから」


「俺からも感謝するよ。それと、ちゃんと材料費とか支払うから、どれくらい使ったか覚えておいてくれよな。俺がちゃんと働いて返すから」


 テレセスとデルマに感謝をされ、あのことを確認された。そう、私が料理を提供するのに、お金を支払うと言ってきたのだ。


 それはとても助かることだけど、あまり無理はさせたくない。だから、出来る限り安く済ませるつもりだ。


 その為にも――。


「今日からガンガン魔物の肉を狩ってくるから、それを使ってくれ」


 食費を浮かせるためには、魔物肉を使うに限る。その分のお金は浮くし、魔物肉だから能力も手に入る。一石二鳥だから、やるっきゃない。


「でも、まだお主たちは弱いぞ?」


「いや、今食べたからレベルアップしてスキルも貰っている。これで、ホーンラビットやビックボアを狩れると思う」


「じゃあ、まずはホーンラビットと戦って、己の力量を計るのがいいじゃろう。その後、ビックボアと戦うがいい」


「うん、そのつもり。お前たちの分もちゃんと働くからな」


「それは、ありがたいのう! 思いっきりサボれるのじゃ!」


「もう、サリサったら……調子が良いんですから」


 なるほど、今日の予定が見えてきた。レベルアップしているのなら、ホーンラビット辺りは倒せるだろう。ビックボアはどうか分からないけれど、戦ってみるのがいい。


「じゃあ、今日はデルマたちの援護をしつつ、戦い方を教えるってことで」


「なんじゃと!? 休めないじゃと!? ゴロゴロしていたら、ホイホイと肉が転がってくるんじゃなかったか!?」


「流石に自分たちで食べる肉は取りに行こうよ」


「デルマがわらわたちの分まで働いてくれるっていうんじゃから、休んでも良かろう?」


「動いた方が食事は美味しいですよ」


「ぐぬぬ……それは……」


 ティナの言葉にサリサが悔しそうに顔に皺を寄せた。狩りに行くのは面倒だけど、美味しい食事は食べたいみたいだ。


「お金も稼がないとねー。サリサはがっぽり稼ぐんじゃなかったの?」


「わらわは特殊個体狙いじゃ! あやつを倒せば、がっぽり儲かる! それまでは、サボっても良かろう!」


「そう言って、出なかったらどうするんですか。ちゃんと、毎日稼ぎますよ。お小遣いのために」


「うぅ、お小遣いは欲しい……でも、サボりたい……」


 サリサは頭を抱えて、体をグネグネと動かしている。それを見ていた子供たちは真似っこをして、一緒にグネグネと体を動かした。


 なんだか、それが微笑ましくてみんなで笑ってしまった。


「大勢で食べるのも楽しいね」


「はい。いつもとは違う賑やかさで楽しいです」


 そんな光景を見ながら、今まで体験しなかった環境に心が穏やかになる。つい、見捨てられなくて協力を申し出たけれど、こんなにすぐに見返りが返ってくるなんて思ってもみなかった。


 冷たかった食事から、三人での温かい食事に。そして、大勢での賑やかな食事へと環境がどんどん良くなっている。


 しばらくはこの環境で食事が取れることがとても嬉しい。やっぱり、誰かと笑顔で食事をするのは心の栄養になる。


「うぬぬっ……お小遣い……サボり……うぬぬっ……」


「うぬぬー」


「うぬぬ?」


「うぬー!」


 サリサを中心に真似っこをする子供たちに癒されながら、朝の穏やかな時間が過ぎていった。

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