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イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第4章 帰還への旅
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第169話 魔王

聖龍と別れた俺達は、もらった加護を調べるために、ステータスを確認してみた。


【ヤマト=フォン=ドラギニス】

『種族』半神半龍 ※はじまりの精霊

『職業』魔法使い見習い

『状態』良好

『魔法Lv』肉体強化Lv2 火魔法Lv2 風魔法Lv2 水魔法Lv2 土魔法Lv2  光魔法Lv2 闇魔法Lv2

『スキル』死霊耐性。ゲールクロー『疾風爪』。瞬転しゅんてん魂像ソウルヴィジョン水穿すいせん水月斬すいげつざん熱感知像サーモヴィジョン。冬眠。

『称号』二つの龍を宿すもの。全属性魔法使い。捕食者。龍人王への無礼者。龍王への無礼者。

『加護』聖龍王の加護(竜支配)


<アラート>

『称号』龍王への無礼者。が追加されました!


以下、加護項目が新たに追加されました!

『加護』聖龍王の加護(竜支配) ※対竜種に対して戦闘が有利になります。

※竜種と出会う確率を操作できます。


「……」


これ、なんだよ「聖龍への無礼者」って。


あ……あのサワサワしたやつか……。


「ヤマト。地竜と会わずにいけるか。やってみるのじゃ」


「わ、わかった!でも加護を使うのって、どうやればいいのかな」


「簡単じゃ。念じてみれば良い」


「よし……『竜種との遭遇率を下げろ』」


ポワ!


「!?」


俺は念じてみると、俺とリリスの体が一瞬光ったように見えた。


しかし、すぐにその光は収まる。


「これで遭遇率が下がったのかな……」


「まぁ、行ってみるのじゃ」


加護の力を調べてみるのも兼ねて山の登山を開始した。

聖龍の加護のおかげなのか、竜にも遭わず。俺達は竜の巣の山をとうとう頂上まで登りつめた。


「ほ、本当に遭遇しなかったぞ!」


「便利な加護じゃ。ほれ、そこが頂上じゃ。眺望が美しい場所で有名じゃった」


「おぉ……楽しみだ」


頂上に登ったのだが……。


頂上からの眺めは……最悪だった。


「な、なにこれ?下への眺めは、なんかドロドロ雲がうごめいてるし……なんか地獄みたいな景色だぞ」


「荒れておるのぅ……昔はこんなじゃなかったのじゃが……」


「悪魔の城みたいな景色だぞ」


「おかしいのう……ここの世界でも美しい

 眺望で有名なんじゃが……」


「何……リリス。竜の巣の頂上まできたけど。ここに何があるの?早く龍人の里にいこうぜ?向こうに下るのか?」


「何言っておる。里はここ頂上にあるんじゃぞ?」


「……」


……ヤマト、フリーズ中……


「え!?もうついたの!?」


俺はリリスの言葉に目をパチパチさせた。


「なんつー顔しておるんじゃ。アホみたいな顔をしておるぞ」


「う、うるせーよ!つーか、どこに里があるんだよ。ないぞ!?禿げ山しかねーぞ?」


周辺を見渡しても、山肌が露出した山々と大きな石がゴロゴロと転がっているのみだ。


「ほれ?あそこの巨石に手を置いてみぃ。龍の里への道が開く」


「あそこ?」


ふと見ると、巨大な石でできた鳥居みたいな門があった。どこか、エルフの転移門にも似ている。


「あ、あの門みたいなやつか。んん?」


その柱と柱の間に……。


「ようこそ!!龍人の里へ!! 」と垂れ幕がある。デカデカと。


「おい!だから何でここの世界の人達は、秘密の隠れ家に歓迎したがるのよ!」


「あ……昔つけた垂れ幕がまだ残っておるんじゃの……さすが龍人の技術」


リリスは変なところに感心していた。


「そこ感心するとこじゃないし!隠れるための里なんでしょ?!歓迎しちゃダメじゃん!」


「オヌシは気がついておらんが、この頂上に来るまでにいくつも分岐点があったんじゃ。知っている者しか来れん」


「そ、そうなの?」


「まあいい。それでは、いよいよ龍人の里に入るぞ!!」


「お、おう……転移門みたいなものなのかな?これって」


「いやはや、久し振りじゃ……懐かしいのぅ。開く方法じゃがな……」


リリスが門の開きかたをレクチャーしようとしたときだった。


【ダメ!!】


何かが聞こえた気がした。


ん?何か聞こえたような?


「リリス?何か言ったか?」


「いや?何も言っておらんが??」


「そうだよな、なんか若い人の声だったような」


【開……#で封#!】


なんか、ザァザァとノイズみたいな音がするらけど、小さ過ぎて聞こえない、、まぁいいや……。とにかく龍の里に入るぞ!


「よーし!それでは開けるぞーー、この石の門に手を当てればいいのか?リリス」


「うむ、手を当てると龍人かどうか自動判定する仕組みじゃ。当てるだけでいい」


「へぇ、よし……では手を……」


俺は右手を石の門にピタリと当てる。単純にそれだけだ。


ペタリ……


「ん?何も反応がないぞ?」


俺は首をかしげると……異変が起きた


ボコ!!!


俺が当てている箇所が凹み、掌の形になった。


「うわ……凹んだぞ!」


その直後だった。


サァァァ……


周囲が暗くなり、急激に気温が下がる。


「ん?暗くなったぞ?夜でもないのに?」


俺が空を見上げると、そこには暗雲が太陽を隠していた。周囲は真っ暗だ。


「あれは?雷雲?」


「お、おかしいのじゃ……第一なぜ門が開かない……」


リリスは異変に気がつき、顔をしかめた。


「リリス、なんか周囲の様子が……」


ドン!!


暗闇を切り裂くような雷が落ちる。



「うわ!雷!?」


ドン!!  ドンン!!  ザァァ……


雷雲から大量の雷が降ってきた。


「な、なんだ?……まじで様子が変だぞ。リリス」


「この雰囲気は……これは!まさか!」


リリスは雷雲のほうを睨んだ。


「リリス?どうした?」


ザァァ……


「あ……雨が止んだ。通り雨だったのかな?」


俺は雨が止んだのを感じて、再び空を見上げる。すると、雲の隙間から何か這い出してくるのが見えた。


「な、なぁリリス……あれって俺の目の錯覚?」


「……」


リリスの顔を険しい。しかし、若干怯えが入っているようにも見える。


「め、目の錯覚じゃないよな……あれって人の手だよな」


巨大な手が雲から出ているのだ!その手は何かをこじあけようとしているのか、周囲をまさぐっている。まるで巨人が空から片手を出しているかのようだった


ズア


一本の巨大な手首だったのが、もう一本増えて二本に増えた。


「も、もう一本出てきた」


雲と雲の間から二本の腕が出てくると、雲から世にも恐ろしい顔の怪物が出てきた!


「うお?!な、なんだ?あれ?骸骨?いや……ゾンビか!?」


リリスは、その顔を見て3歩ほど後退しながら呟いた。その顔は青ざめている。


「バ・バカな!ま……魔王!!」


「ま……魔王!?」


リリスは、魔王と言った?いや、確かにそういった。あれが、魔王!?


魔王は、雲からズルズルと出てくると、こちらに気がつくとニヤリと笑った。


「う……わ……」


俺はおぞましさで鳥肌が立っていた。生理的嫌悪の域を超えた、気持ち悪さだ……。すると、魔王が雲から完全に出ると、そのまま向こうのほうへ飛んで行ってしまった。


暗雲が晴れ雲が消えた。途端に太陽の光が刺して周囲の様子が明るく変化する。


「な……な……」


リリスはガクガク震えている。


「リリス……どうした!?しっかりしろ」


こんなリリスの様子を見るのは初めてだ。様子がおかしい。どんなときでも減らず口を叩くリリスが、こんな子供のように震えている……。


「お、おい……」


「ワシらは……魔王の封印を自ら解いてしまったのか?」


「え?」


リリスの言葉を俺は問い返す。


「リ、リリス……やっぱりさっきのが魔王って奴なのか?」


「うむ……確かに魔王じゃった……ワシの汚点。そのものじゃ」


「……ん!?」


俺は魔王が出てきた雲の狭間に目をやると、ありえない光景が眼に入る。


「あれは!?少女!?」


天から少女が、ゆっくりゆっくりと落ちてきているのだ。


「な、なんだ!?あれは?」

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