表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イケメンに異世界転生したら森に捨てられてた件  作者: 八条院せつな
第4章 帰還への旅
170/175

第170話 里?

俺が叫ぶと、横にいるリリスも天を見て驚く。リリスは唖然とした表情で、ふわふわと降りてくる少女を見つめている。


「あれは!?リー……いや、そんなはずは」


リリスは茫然としてる。


「え?知り合いか??」


「……」


リリスの返事がない……。冷静なリリスが、先ほどから動揺しっぱなしだ。


「な、なんで雲の隙間から女の子が降りてくるんだ?」


「……」


リリスはその少女を遠目に見つめたまま動かない。


「リリス……!お前さっきから変だぞ!しっかりしろよ」


「……う、うむ……すまぬ」


返事がないリリスを俺は無視することにした。


(くそ……なんで空から少女が……)


位置的にかなり遠いところに落ちていっているように見える。落下速度は驚くほど緩やかだ。あの少女のところまで、俺の足なら間に合いそうだ。


(と、とにかくあの少女の落下地点まで迎えにいこう!落下速度がかなりゆっくりだから間に合う!)


「リリス!あの少女のところまで行くぞ!腕に入っていろ!」


「う、うむ!」


シュン!!


リリスが腕に格納されたことを確認すると、俺は足に強化魔法をかける。


「むぅぅ!」


ズァ!


両足に十分な魔力が満たされたのを確認すると、俺は膝を曲げて勢いよく伸ばす。


「はぁ!」


ドン!!


土煙をたてて俺はロケットのように走り出す。目標は少女の落下地点だ。


ドン!ドン!


地面を蹴り上げるたびに、地面がえぐられていく。速度がどんどん上がっていく。


シュン!!!


周囲から見れば、まるで風のように見えたかも知れない、ステータスが上がり続けている俺は走る速度も尋常ではない。おそらく時速30キロは出ているだろうと思う。


ズア!!!


落下地点に入り、俺は急停止。


ブア……!!!


土煙を上げて、俺は完全に停止すると上空を確認した。


「はぁ!はぁ!よし!間に合ったぞ!きた……落ちてくる……」


少女がフワフワと落ちてくる。まるで綿毛が空を舞っているようだ。日本のアニメ映画を思い出す。


「うわわわわ……」


俺は両手を前に出してフワフワ落ちてくる少女を抱きとめた。


フワリ……


まるで綿毛のように軽かった。しかし、その刹那。


ズン!!


重力を突然帯びたのか、少女の重さが俺の両手にかかる。


「うわ!」


とっさに両腕に力を込めて抱きとめる。


「ふぅ……あっぶね……」


俺は両手をゆっくり地面におろし、少女を地面に寝かせる。


「この子はいったい……」


少女を観察してみると、髪の色は桃色、リリスと同じ色だ。目を閉じている顔は妖精のように美しかった。年齢は13か14くらいだろうか……。肌は透き通るように白く、見ているだけで吸い込まれそうだ。


「なんて美しい子だろう……」


俺は少女の美しさに驚き、そう呟いた。目元は長い睫毛が太陽の光で輝いており。眉目のラインは、まるで国から依頼を受けた名工が10年の時をかけて削り出したかのような美しさだ。細い顎は、全体バランスを失っておらず、すべてが完全な配置に美のバランスを保っていた。


「リリス!出てこい!」


シュン!


腕から出てくるリリス。顔は驚いていた。


「や、やはり……!リ、リーラン!」


「え!?」


俺はその単語を聞き、地面に寝ている少女を改めて見つめた。


(リーラン……あの?)


「な、なんということじゃ……リーラン……生きておったのか」


「さっきから、リーランって……まさか、2000年前に死んだはずの?」


リーランという少女は、目を瞑って眠っている。


「うむ……しかし、死んだと思ってばかりいたが生きておったとは……」


リリスはかなり動揺している。


「魔王が出てきたと同時に、この子も落ちてきたよな……。まるで一緒に封印されていたかのように……」


「!!むぅ」


リリスは、思い当たるのか顎に手において悩み始めた。


「ん……」


少女が口を開き、くぐもった声を出した。


「あ……リリス、気がついたようだぞ」


そして、リーランと思われる少女は、ゆっくりと目を開いた。俺は警戒されないように極力おちついた様子で言葉をかける。


「……君!大丈夫か!?」


俺を見た少女は、俺の顔を不思議そうに見つめた。そして腕をあげて俺の頬を撫でる。


「な……え?」


頬を撫でられた俺は動揺を隠しきれない。


「カ、カリアース……いいえ?違うわ……貴方は誰?」


そう呟いた少女の顔は驚きと期待が入り混じっていた表情だった。


これがリーランとの出会い。2000年以上の時を経た奇跡の再会だった。


「リーラン!ワシじゃ!わかるか!?」


リーランと呼ばれた女の子は、叫ぶリリスを見る。そして、ただでさえ星のように大きい目を開いて凝視した。


「は、母上?!」


「リーラン……!」


お互い見つめ合う二人。


リーランは、ペタペタとリリスの顔に触れる。目からは涙が零れている。


リリスも、表情は驚いているが、目からは涙があふれている。


俺はそれを見て、もらい泣きしそうになってしまった。


「母上……死んだとばかり」


「うむ。死んだ」


「え?」


訳がわからないといった様子のリーラン。


「リリス……これはどういう……」


「ワシにも判らん」

(ちょっと整理しよう)

・里の封印を解除した。

・魔王が雲から出てきた

・雲からついでにリーランが出てきた。

・リリスもリーランもお互い死んだと思っているから驚く。


「これどういうこと?」


「うむ……なんとなく理解してきたぞ……。おそらくリーランと魔王、そしてリューグーは封印されておったのじゃ。解除によって、それぞれ解放されたということじゃろう」


「なんで、一緒に封印されているんだよ?」


「それはリーランしか判らんじゃろう。ワシ……リーランより前に死んでしまったし」


リーランは,俺とリリスが話しているところに、申し訳なさそうに口を挟んだ。


「母上……あの。その点については私が説明できると思います」


「そうか。では、あとで説明しておくれ。リーラン」


「はい。もちろんです。母上……、それと私から質問よろしいでしょうか?」


「なんじゃ?」


「母上は、死んだということですが。現に母上は今そこに……」


「説明が難しいのじゃがのぅ。ワシ死んでおるのよ」


リリスは俺に説明してほしそうに、チラリと見た。たしかに、今のリリスの状態を説明するには相当難しい。


「お、俺にそんなこと振られても……」


「そうじゃな……里に入ってからじゃな。すべては」


俺はそれに待ったをかけた。


「魔王が復活したことを全世界に共有しないと!俺らだけ逃げるわけにはいかないだろ?」


すると、リリスが頷いた。


「もっともじゃ。しかし大丈夫じゃ。里には発信機能がある。まずは里へ入るのじゃ」


リーランも口をはさんだ。


「魔王の傷は深くまだ癒えていません。数十年は動けないでしょう。それよりも!魔王がまだ近くにいる可能性があります。母上、はやくリューグーへ」


リリスは焦りだした。


「そうじゃ!早く。早く里に入るのじゃ。リューグーに」


「リューグー?」


「安心するのじゃヤマト、あの門がすでにリューグーじゃ」


「え?え?……どういうこと?里だろ。里の名前がリューグーなのか?」


俺は謎ワードである「リューグー」の説明を求めた。


「まぁそうじゃ。里とリューグーは同義じゃよ」


「でもどこにも里なんてないぞ?」


「そりゃ、そうじゃ。リューグーは地中に埋まっておる」


「ち、地中に!?」


「そうじゃ。封印されておるから起動せんとイカン」


再度 フリーズ中のヤマト

「リリス、もしかしてだけど。里って、村みたいなものをイメージしていたんだけど?もしかして……」


「龍人の里とは、巨大空中戦艦のことじゃが?つまりリューグーじゃ」


俺は口をあんぐり。


「早く言え!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ