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魔王国の宰相  作者: 佐伯アルト
Ⅷ エイジの女難

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310/313

2節 禁忌の深淵 ②

 エイジと別れ、単独行動のレイエルピナ。彼女は先程一つのケリをつけた。よって、その引き金に躊躇いはない。


「退きなさい、邪魔よ!」


 同類、同胞。だが彼等、彼女等は自我の無い人形。加えて、フルフェイスヘルメットで顔が見えない。そうであれば、然程気に留まることでもなくなっていた。


 少数ならばハンドガンや細剣を用いて最小限の力で倒し、多数ならば憎悪の焔とランチャーで消し飛ばす。更には腕を蹴り、敵の落とした銃を奪って倒していく。ヘルメットを真正面から貫くには威力不足だが、弾丸を魔力で強化する、或いは装甲の薄いところを狙えば、十分使える。


 その調子で温存しつつ、壁の見取り図を参考に、出来る限り最短で地下四階、最下層まで辿り着く。


 そして、一番大きな扉の前に立つ。


「ッ……ここね」


 生唾を飲み込む。緊張でやや手が震えるが、気合いで抑え込む。武器を幾つか取り出し、魔力を再充填。魔力回復薬を飲み干す。


「準備、万端。エイジは……待たなくて良いわね。にしても、何しているのかしら」


 エイジを待たないのには、訳がある。これ以上、自らの事情で迷惑をかけたく__


「いいえ! これ以上わたしの獲物を横取りされないようにするためよ!」


 そう吼えると、扉の横側の操作パネルの前に立つ。すると彼女は、左手のリストバンドを取り外す。


「……これ、使えるかな」


 その下には、バーコードが存在していた。それを読取機に翳すと、電子音と空気圧の音と共に、重厚な隔壁が開いていく。


「……そう、開いてしまうのね」


 複雑な面持ちになりながらも、前を向く。そして、扉の中へ。


 そこは、巨大な部屋だった。魔王城の修練場よりも広い。全体的に水色と白い雰囲気で……そう感じた瞬間、見つけてしまった。壁は緑青色だったが、白みは、ライトアップされた実験体という、グロテスクなオブジェ達のものだった。


「うえっ、気持ちわる……」


 できる限りソレを視界に入れないようにしながら、部屋の奥へと進む。


 その先、部屋の奥には、立派なチェアに座った白衣の男がいた。醜悪な顔の、壮年の男。雰囲気はフォラスに似ているが、それより余程邪悪だ。


 その背後には、何人もの研究員達が控えていた。彼等もこれから始まるであろうショーに期待するよう、ニヤニヤしながら制御盤を操作している。


「お待ちしていましたよぉ、最高傑作、217F!」


「ッ……その名で、わたしを呼ぶな‼︎」


 その男が口を開いた瞬間激昂し、バズーカを即座に構える。


「おやおや、待ってくださいよ。ワタクシは戦う力のない、か弱い研究い__」


「黙れ!」


「やれやれ……自己紹介くらいさせなさい」


 トリガーが引かれ、魔弾が放たれるが、それを遮るように薄紫ハニカム状の障壁が出現。レイエルピナとその男を隔てる。


「アンタの名前なんか覚える気もないわ。だって……もうすぐに死ぬんだもの」


「おやおや、粗暴ですねぇ。で・す・が。だからこそ屈服させし甲斐があるというものです」


「うわ、キモ……」


「さあ、絶望した顔をお見せなさい! 来たまえ!」


 ソイツは指を鳴らす。すると、部屋の中央が円形に、左右に開き。そこから何かが上がってくる。


「これって……」


「いけェ、重装魔導機兵!」


 先程から戦ってきた、仮称魔導タンク。斜めに四本ある足は、今は折り畳まれているが、全高はそれの倍はあるとみえる。フレームは金属剥き出しで、より無骨だが、その分強度は高いだろう。更に、関節部分には機関銃らしきものも見える。


 ボディ部分は一回り大型し、それが重なって鏡餅のような二段構造。きっと上部分は回転するだろう。蜘蛛のような目も、より増えている。上部に生える細長いアームの先端には、チェーンソーと砲とシールド付き。背部にミサイルポッドが二つ。加えて、これらの武装は一回り大型化していた。


「さあ、ヤりなさい!」


「はっ!」


 一人の研究員が防壁の中から出て来て、コックピットに向かって悠々と__


「ひぎゃ⁉︎」


 そこをレイエルピナに撃たれ、あっさり殺られた。


「フン、茶番ね。今のうちに壊してやるわ」


「チィ、オートモード!」


 撃たれた研究員が座っていた席に、苛立ったように近づくと、拳を振り下ろしてスイッチを押す。


「……来るか」


 コックピットハッチが閉まると、駆動開始。折り畳まれた脚は展開し、センサーが点灯、チェーンソーも回転を始める。


「先制攻撃よ、喰らえ!」


 バズーカを構え、胴体部を狙う。


 だが__


「チ、防いだか」


 起動直後だというのに、機敏に反応。腕を動かし、シールドで砲弾を受け止めてしまう。


「けど、隙だらけなのよ!」


 今度は一気に接近。腕を掻い潜ると、脚部関節に向かってぶっ放す。


「……硬いな」


 だがそれも、大したダメージを与えることができなかった。苦々しく睨みつける先で、魔導兵器は関節を折り曲げ、姿勢を低くすると__


「うそ⁉︎」


 大きくジャンプして距離を取る。高さ五メートルを超えるソレが飛び跳ねるするのは、なかなかにダイナミックな光景だ。


 おまけに相当の重量だ。着地の瞬間、地響きがする。これで姿勢を崩したところに、ミサイルと機銃が飛んできた。


「うっ……くっ!」


 得意でない防御魔術でなんとか防ぐと、斉射から逃れる。そして反撃とばかりにランチャーを構え__


「なかなかやりますね。ならこれはどうでしょう!」


 何事かしたようだ。レイエルピナの周囲の地面から穴が開くと、シールド付きの固定砲台がいくつも出てくる。


「クソが!」


 毒づくと、キャノン砲を二門背負って、周囲の機関銃から破壊していく。だが、妙に硬くて消耗させられる。


「これじゃ、埒が明かないわね……」


 壊しても壊しても、次々と新たな砲が現れる。そちらに気を取られていれば、機兵が撃ってきたり、踏み付けたり切り掛かって来たり。持久戦では不利だ。


「だったら……はああぁぁァァァ‼︎」


 神性、解放。重厚な魔力を纏い、黒い稲妻が迸る。


「くたばれ……破壊!」


 消滅の魔力を纏った砲弾は強力だ。さっきまでは破壊するのに数発必要だった固定砲台も、一撃でオーバーキル。上昇した身体能力で、敵の攻撃を掻い潜り接近。数発当たろうが気にも留めない。


「だああ‼︎」


 そして、一気に密着。砲撃で脚の一本を根元から壊し、ミサイルポッドをダインスレイヴで切り落とす。そのままコックピット部に深く突き立てると、憎悪の炎で包み込む。


「チッ、抜けなくなった」


 深く刺さり過ぎたレイピアは、無理に抜くようなことはせず、アーマーの上から飛び降りる。そして、着地の瞬間に掌を突き出して魔弾を撃ち、もう一本足を破壊する。


 足が二本壊されて、姿勢を保てなくなり崩れ落ちる魔導兵器。その胴体部に渾身の回し蹴りをして吹き飛ばすと__


「これで、終わりよ! 消えろ‼︎」


 両腕を突き出し、渾身の魔力弾を放って消し飛ばした。


「はぁ……はぁ……これで、どう⁉︎」


「ナント、これを壊すとは!」


 感嘆した様子。驚いてはいるが、取り乱してはいない。飽くまで想定通りか。


 その反応にムカついたレイエルピナは、消滅の魔弾を一発放ち、容易く障壁を溶かし消す。


「おや、障壁が」


「次は、アンタの番よ」


「ふ、ふふふ、スバラシイィ! なんという素晴らしい力! これが本物の神霊か!」


 突如ソイツは脈絡も無く、大仰に腕を広げると、発狂したように奇声を上げる。


「うっ……」


 だが、あまりソレに構っている余裕は、レイエルピナには無い。久しぶりの神性解放と、本格的な全力戦闘。その所為で、神の力が体を蝕み、軋む。


「では……贋造がどれほど真に迫るか、確かめてみると致しましょう‼︎」


「は?」


 その言葉と共に、下っ端研究員達が引き連れて来たのは、五体のホムンクルス。


 しかし、その特徴は__


「わた、し……」


「ええ、ええ! 貴女のタイプは、どうやら神と相性が良いようで! 神の能力、魔力を再現して投与しましたぁ! 言うなればこれは、擬似神性‼︎ 魔導機兵など比にならない、究極の兵器ですよぉ!!!」


 疑似的な神性を持つホムンクルスなどと__


「ッ……アンタら、どこまで命を馬鹿にしているのよ!」


「やりなさい」


 その命令に従い、レイエルピナと限りなく似た外見の、生気の無いホムンクルスは動き始める。粗悪だが強力な魔力を滾らせ、ゆったりと迫る。


「くぅ……」


 自分と殆ど同じ存在。その不自然で、歪で、不気味で、醜悪な存在であることを突きつけられて、レイエルピナの精神は揺らぐ。況してや、自分と同じ顔だなんて、やりにくいことこの上ない。


 だが……彼と共に約束した。故に、正気を取り戻す。


 敵を鋭く睨め付け、両腕を突き出し、特大の魔力を練り上げる。


「はああぁぁぁ!」


 その威力、密度、神気、重厚さ、格の違いは瞭然だ。眼前の全てを纏めて消し去れるだけの力が込められている。


「く、流石にマズイですね……では仕方ありません。止まれ!」


「えっ……」


 ビタッと、レイエルピナの動きが止まる。溜めていた魔力も霧散してしまった。


「なんで……」


「攻撃」


「くぅ……きゃあああぁ!」


 その無防備な彼女に、擬似神性を持つホムンクルス達が魔力弾で攻撃を仕掛けた。質は劣れども、同等の魔力。レイエルピナには堪える。


「ぐう……く……」


 服はところどころが破け、身体中から血を流す。腕にも足にも力が入らず、神性を維持したままの体はより大きく軋み出す。


「ワタクシは、マスターですよ? アナタの生みの親、創造主です。故に、ホムンクルスへの絶対的な命令権を持つのです」


 悠々と近づき、見下す科学者。矢張り自分はホムンクルスで、過去が体に残っている。こんな奴に逆らえないことが屈辱で、悔しくて仕方なかった。


 でも、今なら、まだなんとかすることができる。


「……力、借りるわよ、エイジ」


 封印能力。それを、今度は神の力ではなく、忌むべき生まれの方へ向けて使うのだ。


 効いた、そう確信すると、レイエルピナは力を込めて踠く。


「這い蹲りなさい」


「イヤ、よ!」


 反抗のセリフを吐き捨てる。ダメージが残り、中々いうことを聞かない体をなんとか動かして、立ち上がる。


「ナントォ⁉︎ ナゼです! これを克服できるワケがナイィ!」


 これにはコイツも、初めて動揺した様子を見せた。


「アンタだけは、絶対に許さない‼︎」


 無防備にも近づき、取り乱した仇敵の眉間に、拳銃を突きつける。


「ヒィ⁉︎ ヤメ__なんて。キヒ」


 尚も笑みを浮かべる。それにレイエルピナが一瞬たじろいでいる合間に、上からアンテナのような装置が現れる


「何、これ……」


「発動」


 手元のリモコンのスイッチが押されると__


「ぐ、あ……ああああああああ!!?」


 電撃が走り抜け、強制的に磔にされる。


「これぞ封神システム! どうやら制御できるようにはなったようですが、今まで解放しっぱなしだったのが仇となったようですねぇ。もうこれで、アナタは何もできない。帰って来てもらいますよぉ。それが嫌なら、死になさい」


「うああああああああ!!!」


 指先さえ少しも動かない。苦痛で神を封じる制御もできない。薄れる意識の中、ホムンクルス達が腕を構えるのが見える。


「……なんで、こんな肝心な時に、いてくれないのよ」


 悔しさで、涙が滲む。苦しさに、体が歪む。恐怖で、心が折れかける。


 絶体絶命。その渦中、脳裏に浮かんだ顔は、ベリアルではなく__彼だった。



「エイジ……助けて……!」



 瞬間__爆音と共に、壁がぶち抜かれる。


「何事ですか⁉︎」


「あっぶねぇ、ギリギリセーフっと!」


 壁の崩落で土煙に包まれる。その中から、影が歩み出る。


「はっ!」


 そこから数条の光が迸ると、装置が崩壊する。


「誰ですか⁉︎ なんてことをしてくれる⁉︎」 


 その問いかけには答えない。大きな破片も残さず消し飛ばすと、束縛が無くなり、崩れ落ちるレイエルピナに素早く寄って支える。


「うっ……グスッ……えい、じ」


「すまないな、遅くなった」


「来て、くれたのね……」


「助けを求める声が、したからな」


 優しく、しっかりと抱き止めて、魔力を分け与える。


「一度目は、この世界にいなかった。だから、救えなかった……。けどな! 今は、オレが、ここにいる!」


 目を覚まさせるかのように、真っ直ぐ見つめ、強く語りかける。涙を浮かべながら、小さく頷いたレイエルピナから体を離すと、外套をかけてやる。


「で、これが擬似神性ホムンクルスか。どこまで神を、命を冒涜してやがる」


 改めて、斃すべき敵を睨め付ける。その目つきは、嘗てない程に鋭く、敵意と殺意に満ちていた。


「やりなさい!」


 その号令に従い、ホムンクルスは何発も魔弾を放つ。それはエイジに直撃、煙に包まれる。


「ふ、ふん。あっけな__な、なんです⁉︎」


 爆炎の中から、大きな銃声が五発響く。横を見れば、額を覆っていた装置ごと貫かれ、眉間に大穴を空けたホムンクルス五体が力無く横たわっていた。


「魔導金属製徹甲弾。これなら、幾ら神の魔力で強化していようとタダでは済むまい」


 ハンドキャノンを構えていたエイジが、腕を振るって煙を吹き飛ばす。当然無傷。翼を広げて、後ろのレイエルピナも庇っていた。


「キサマ、フォラスにどこか似ているが、根っこは全然違うな。アイツは興味の赴くことならなんでもやりかねそうだが、良識がある」


 鎌をかける。真偽を問う必要があるのだ。それによっては……重要な仲間を一人、消さなければならないことになる。


「フォラス……ああ、あの裏切り者ですか。知り合いなんですねぇ」


「へぇ、知り合いだったんだ」


「ええ。語る義理はありませんが、特別に教えて差し上げましょう。彼はね、ほんの数年前まで、我々に協力してくれていた、支部長だったんですよぉ」


 そのことについては、エイジはデータから知っていた。だがレイエルピナは、信頼していた彼が裏切り者かもしれないということに、動揺を隠せない。


「ですが、あのクソ野郎は、こんな貴重な実験サンプルをみすみす取り逃してしまいましたぁ。しかも、魔王なんて呼び寄せた! これでは手が出せナイ!」


「……もう黙れよ、テメェ」


 ビキビキと、青筋を浮かべる。使う言葉の一言一句が神経を逆撫でする。


「なんと勿体無い! あの木偶は、ワレワレの研究の偉大さをこれっぽっちもわかって__」


「チッ、この性根の腐った、ドクソ野郎がぁ‼︎」


 最早、堪忍袋の尾が切れた。阿修羅も斯くやの形相を浮かべると、一瞬でクズに肉薄。


「がはぁ⁉︎」


 カスの腕を引き千切り、足をいで一瞬でダルマにする。


「成程。レイエルピナを救い、ベリアルを呼んだのは彼だったか。非道な実験こそしてたんだろうが、その功績でチャラだ。帰ったら感謝してやらんとなぁ」


 引き千切ったその腕をポンポン弄ぶと、一際高く放り投げる。そしてそれをビームで消し飛ばした。壁に飾ってあるグロテスクで、哀れな実験サンプルと共に。


「キ、キ、きしゃま……!」


「へえ、随分元気じゃないの。じゃあ、いいことを教えてやろう。オレは今、過去最高級に虫の居所が悪いんだよ!」


 相当胸糞が悪いのか、エイジはそいつの右眼を抉り抜いてから、胴体に腕を貫通させると、体の中から掻き回す。


「グが、ギぃィいイイ⁉︎ あ、ゴあァぁああああ‼︎」


「キヒヒ、キヒアハハハ! どうよ、体をグッチャグチャにされる気分は! 相当‼︎ ……痛いだろ?」


 何かを掴みながらその手を引っこ抜くと、絶命しないように、生命維持の魔術をかける。当然傷の治癒はしないし、痛みも消えはしない。


「テメェらも逃げられると思うなよ」


 ギロリと睨む。研究者達はその表情に恐怖を覚えた、その瞬間、体に違和感を感じる。


「ひっ…」


「ぎゃアァァ⁉︎」


 それに気づいた瞬間、激痛という言葉すら生温いほどの痛みが彼等を襲う。その体は、彼の手によってズタズタに引き裂かれ、握り踏み潰され、バラバラになっていた。


「あ?」


 それを、非道く無感動な目で見下す彼の耳に、ガシャンガシャンという音が、二方向から聞こえる。


「そんな……うそ」


 それを見たレイエルピナの目が、絶望に染まりかける。彼女が先程激闘を演じた重魔導兵器が、十機ほど迫ってくるのだ。


 しかし、その目が絶望に染まり上がることはなかった。何故ならば__彼がいる。その背中は、あんな機械より、余程大きく頼もしい。


「は、ははっ」


 助かる見込みなど無いにも拘らず、体の大半が欠損した激痛の中で、研究者達は微かな笑みを浮かべた。せめて道連れにはできるだろう。この男も、これには流石に絶望するだろうと。しかし__


「は…」


 絶望のどん底に叩き落とされたのは、研究者達の方だった。その間、僅か十秒。重魔導タンクは、全機スクラップと化していた。


 コックピットを殴り潰し、ボディがひしゃげる力で蹴り飛ばし。パーツを毟り取ったり、投げて叩きつけ。槍で貫き剣で両断、戦鎚で打ち、魔力で消し飛ばす。


 その暴れぶりたるや、乱暴な子供が玩具で遊ぶようだ。プラモデルを壊すように、容易く遇らってしまった。


「これがテメェらの最終兵器か? くだらねぇ」


 返り血とオイルで染まった体を浄化し、朝飯前とばかりに手を打合せると、レイエルピナに手を差し伸べる。


「はい、トドメは譲るよ」


「そう、ありがと。良い心がけよ」


 その手を取ったレイエルピナは、過去最高に清々とした、晴々とした笑みを浮かべると。


「あ、ああぁ……」


 怯え、逃げようとも、そうするだけの体は既に無く。


「消えろ、ゴミ!」


 にっこりと、ランチャーバズーカのトリガーを引いた。



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