13.【極秘任務】を発動せよ!!
――『Ω-716』の兵器格納庫。アンドロイド傭兵『ファントム』の群れを、勇気と知恵を振り絞って撃退したトリプルヒロインがそこにいた。
『シャッフル』より畠田レミと大森穂香。そして『エレメント◇トリガーズ』からは、アリスこと水瀬ありさの3人だ。
非常事態が解除され、緊張の解けた3人は、挨拶代わりにガールズトークに花を咲かせる。
「えーっ? レミちゃん、あたしのモデル写真見てくれてるの!?」
「もちろんです! アリスさんのロリータファッション、大好き♡ ホントにルイス・キャロルの本から飛び出してきたみたいで!」
レミは多感な17歳。パズルゲームで疲れた頭を、ファッション雑誌を眺めてリラックスさせるのが日課だ。色々読み漁っているうちに、モデルとして掲載されていたアリスに一目惚れしたらしい。
『不思議の国から帰ったアリスが大人になったら』というコンセプトのグラビアは、水色のワンピースにリボンとカチューシャという装いで、コアな人気を誇っているという。
「じゃあ、あたしのスリーサイズも分かる?」
えっ、スリーサイズ!? ちょ、ちょっと待ってください、それはマズイですよ! 男性読者が目を皿のようにして読んじゃいますって!!
「えーっと、B93・W58・H87です!」
「正解! ちゃんと読んでるわね、嬉しいわ!!」
……嬉しがっているのは今読んでいる男性読者の方でしょうね。中々のナイスバディで……って、私になにを言わせるんですか!!
等と私Mr.Gが、心の中でツッコミを入れている間にも、話題は穂香の方へと移る。
「穂香ちゃんは……ファッションよりも、ゲームの方に興味がありそうね」
「私は、アリスさんの『A.I.M.S』での遠距離エイムが凄いなと思っていました。……話の腰を折ってしまってごめんなさい」
「全然気にしないで。あたしのゲーム配信を見てくれたのね」
同じく17歳の穂香に対し、アリスは25歳。大人の余裕で優しく微笑む。
プロ意識の高いゲーム戦士である穂香は、トリガーズの配信を参考にFPSの技術を磨こうとする勉強家だ。
「アリスさんのエイム力は、スナイパーライフルで1.5キロ先の敵をヘッドショットで射抜くほどです。これほどの千里眼を持つスナイパーは他にいません!」
温和な穂香が珍しく興奮している。ゲーマーの血が騒ぐのか、アリスに向ける瞳は好奇心に満ちていた。
「ふ~ん? 興味津々ね。それじゃ、あたしがどれだけ凄いか試してみる? ―――貴女が『標的』になって……!!」
「ひぃっ!?」
「きゃはははっ☆ 冗談よ! 穂香ちゃん、肩が上がりすぎ。緊張しすぎだってば!」
「……もう、びっくりするじゃないですか〜!!」
小悪魔的なイタズラを仕掛け、子供のように無邪気に笑う。このギャップもアリスの魅力だ。恐縮していた穂香の表情も、あっという間に綻んだ。
「ところで、貴女たち『ツッチー』を見なかった? あたしの仲間なんだけど」
「ツッチーさんって、坊主頭にゴーグルをかけたタンク担当の方ですか?」
「そうそう! キッドとハリアーは連絡がついて居場所も分かったんだけど、ツッチーだけ繋がらないのよ」
キッド、ハリアー、アリスに続く4人目のメンバー、土屋将司こと『ツッチー』が音信不通だという。
彼はライトマシンガンを愛用する防御の要であり、FPSに役立つアイテムを生成するメカニック担当でもある。
「うちのメンバーにも、『豪樹』さんっていう大人のメンバーがいるんですよ」
「ひょっとして、高橋豪樹さん?」
「アリスさん、知ってるんですか?」
「あの人、ツッチーの先輩なのよ。一つ年上で近所に住んでたから、よくご飯を奢ってもらったって言ってたわ」
高橋豪樹は『シャッフル』最年長の26歳。ゲーム戦士たちを鍛えるジムのオーナーであり、レミたちにとっては先生のような存在だ。筋骨隆々の肉体にスキンヘッドが特徴である。
3人は「どこかな?」と、ハンガードックの作業スペースにある扉を手当たり次第に開けていく。
「もしかして、休憩室で二人揃って井戸端会議してるとか?」
「まさか! 外であんなにドンパチやってたんだから、気づくでしょ」
レミと穂香がフラグを立てながら、休憩室のドアを勢いよく開けると――。
「なぁツッチー、『ギミック!』って今いくらくらいするんや?」
「箱・説込みなら30万は下らないですわ」
「なんでそんな高いんや?」
「発売当時はスーファミに市場が移ってて、ファミコンソフトとしての流通量がごっつ少なかったんです。立派なプレミアソフトですよ」
「うちのダチが持っとんねんけど、買い取ってくれるか?」
「ホンマでっか!? 先輩、ぜひ紹介してください!!」
……ツッチーと豪樹は、休憩室でレトロゲームの買取交渉に勤しんでいた。
「この修羅場の中で何してんのよ、この坊主とハゲは……」
「いっぺん、おにぎりの具にして握り潰してやりましょうか?」
「レミちゃん、穂香ちゃん。二人とも、口が悪くなってるわよ……」
▶▶▶ NEXT▽
――さて、舞台は変わり、今回のビッグゲームを指揮・管理する『ゲームワールド・オンライン』の指令室。
『――ゲーム開始から10分経過。参加者20名、脱落者はゼロです』
「……分かった。やはり人選に狂いはなかったようだな」
AIナビゲーターの報告に頷くのは、WGC代表取締役社長、本宮マサト。
彼の指揮下で計画されたこのビッグゲーム。当然、第1ステージが単なる『ファントム』との小競り合いで終わるはずがない。
いよいよ本宮の手によって、ゲームが真の姿を現す。
「さぁ、始めようか。第一の【極秘任務】を……!」
社長がホログラム上の【CRISIS MISSION 1】と記されたコマンドをタップし、戦地へと送信する。
―――最初のミッションが、今、幕を開ける……!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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次回もゲームウォーリアー外伝をお楽しみに!!




