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GOOD LUCK〜十秒だけは異世界最強  作者: 染谷秋文
バロン王国と死の穴
36/72

三十六、ホワイトビーとクインビー

年末に向けて仕事が忙しくなってます。今年の投稿はあと一、二回になるかもしれません。


 


 出られない・・・?確かにこの通路の幅より明らかに女王の方がデカかったような・・・。

 だけどこんな巣を作ったくらいなんだし、新たな通路を作るくらい簡単な筈なんだけどな。

 女王を含めた蜂の中にそういうスキルを持った奴でも居るんじゃないのか?

 

  それに女王の部屋の中には、さっき見たものより一回りほどでかいシャルピアの花が咲いてたし、女王の周囲には卵や幼虫、そして蛹が無数に存在していた。

  卵にも種類があんのか、高さ一メートルはある巨大な卵と、ラグビーボール程の大きさの物。

  巨大な物は壁の一部に作られた窪みへハメるように置かれ、小さな物は地面に掘られた巨大な長方形の窪みに隙間なく敷き詰められて、そのどちらも液体ーー、少しマジックハニーとは違う色の何かに覆われてたみてぇだった。

  巨大な卵を包んでる液体は白っぽく、小さな物を覆うのは色味からしてブラックビーが運んでたマジックハニーだろうな。

  不思議な事に女王の部屋に居る幼虫は全てが俺達が食った奴の何倍も大きく、あの巨大な卵から生まれたのだと容易に想像が付く。

  小さな卵から孵化した幼虫は、蜜を運んで来るブラックビーが連れ出して幼虫部屋にでも連れて行くんだろうか?

  なんにせよ幼虫も蛹も、巨大な者ばかりなのは気になった。小さいのがイエロービー、デカいのがブラックビーの卵とかそんな感じか?


  そして何と言ってもあの部屋の異様さを作る要因は、壁一面に埋まる巨大な蛹だろう。

  卵や幼虫の数こそ十数個と十数匹だが、部屋の壁には見渡す限りの蛹が埋まっているのだ。その数は優に千を超えるだろう。

  さっき見た部屋のモノとは数も大きさも全く規模が違う。

  卵や幼虫の数と対比するに、蛹が成虫になるのにはかなりの時間を要するのだと思うが・・・それにしても多過ぎないか?キモすぎだあの部屋。


  それとデカイ卵や蛹を覆うあの白い液体、あれは多分、女王が作り出した蜜だろう。シャルピアが咲いてる部屋にわざわざ住んでるってことは、女王自身もシャルピアから蜜を創り出すことが可能なんだろう。

  そしてそれを口にするあの幼虫達は、将来の女王候補かなにかか?

  だが俺のイメージでは一つの巣にいる女王は一匹。魔物界では違うのだろうか?


  いやけどやっぱ、女王候補というには、あまりにも数が・・・。

 

  あれがブラックビーの蛹だと言う可能性も考えたが、恐らくそれは無いだろう。蛹の中に、羽化しそうな個体がいくつかあるが、そのどれもが女王の様に白い色をしている。

  イエロービーの蛹では、羽化直前と思われる個体の色は黄色だったんだから、ブラックビーの蛹は黒くなるはず。


  となると、女王候補的な何か特別な成虫がイエロービーとブラックビー以外に存在する可能性が高いと思った方がいいか。


  もし白い個体を見かけたら、一目散にグランの後ろに逃げる。


 うん、これに決まりだ。

 

 

「ならとりあえず見に行ってみっか!」













 カナタ達が女王の部屋に向かって進み始めてから数秒。



 ーーーーパリッ。



  突然、静寂に包まれる部屋に、乾いた音が木霊する。



 何かが割れるようなその音を聞いた女王は、ゆっくりと顔を上げて周囲を見渡し始め、軈てその視線が一点に集中する。




 女王は確信した。




 ーーー蛹が、羽化する。






 ******





 ビチャ・・・、ヌリュ・・・。


 暫しの静寂の後、女王の見つめる一つの蛹が壁の穴から這い出て来る。


 穴から顔を覗かせ、周囲を見渡す白い成体。


 成体は徐にその視線を下へ向け、眼下の存在を視認したその瞬間ーーー。



 羽を広げ、猛スピードで飛んだ。



 目指す先は、部屋の出口。ちょうど、カナタ達が到着したその場所へ向け、猛然と飛び立った。


『やべぇぞ!ありゃホワイトビーだ!』


『何!?まさかこのタイミングで羽化したのかよ!?くそっ、速ぇ!!ーーグラン、あとは頼んだ』


『おう!任せろ!』


 トトの店で購入した高級使い捨て魔法陣である念話の陣を使い会話するカナタ達であったが、その白い蜂はどういう理由か、女王の部屋に近づく外敵へ向け、部屋から出られない女王に代わるように空を切る。


『にゃは〜、強そうだにゃ。気をつけるにゃ』


 ポルトスが一歩下がり、グランが身構えた直後、女王の真上を飛ぶホワイトビーから、剣と盾が打つかるような金属音と火花が散ったーーーー。


『・・・・・・え?』


 まだグランとは距離があるにも関わらず、突然、空中で真っ二つに引き裂かれるホワイトビー。

 カナタ達四人は状況が飲み込めず、それをやった女王と空中で二つに分かれたホワイトビーを交互に見る。


『え、何やってーーー』


  『ホワイトビーが・・・・女王に殺されやがった』


  『ど・・・っ、どういうことだ?手塩にかけて育てて、やっと羽化したホワイトビーを殺したのか!?』

 

  殺したホワイトビーへ齧り付く女王を前に皆が混乱するも、グランだけはホワイトビーを食べる女王の姿を、その光景を見て、何となく理解していた。




  これは・・・、



  そうか・・・デス・バッドと似てるんだ。




  女王は部屋から出られない。魔物でも相手に戦っていなければ、そう簡単には強くなれないはずだが、此処まで入って来られる魔物はそうは居まい。


 この時グランは、女王にもデスバッドに似た仲間を食べることで己を強くするような力があるのだろうと考えていたのだが、実際には少し違う。

 女王の種族スキル・蜜造によって作り出された白い蜜は、摂取すると体を大きくそして強くする作用がある。

 それを食べ続けて己の体を強くし、自らが生み出したホワイトビーと戦うことで経験を積んで来た。

 一撃の元に両断されてしまったホワイトビーだが、その実力は長年生きたデスバッドをも凌駕する。

 女王は何百年も掛けて蜜を啜り、毎日羽化するホワイトビーと戦い続け、嘗ては互角だった同種達を一撃で屠るまでに成長したのだ。


  ホワイトビーが女王を見た瞬間に飛び出したのは、命令を受けたわけでは無く、本能的に危険を感じ逃げ出そうとしたからだった。


『お、おい、仲間割れか!?』


『どういう事かにゃ?よく分からないけど、女王が部屋から出て来られないのは本当みたいだにゃ』


  『ならさ、イエロービー達に囲まれてもとりあえずはこの通路にまで出てこられりゃ、女王の相手はせずに済むんだよな?

 あの広い部屋よりはこの通路のほうが狭いし、蜂との戦いも少しはやり易いだろ。

 それに遠距離系の攻撃ーーー、例えばポルトスの双嵐ノ太刀とかでさ、此処から攻撃し続けてりゃ女王でも簡単に倒せるんじゃないのか?』


『にゃ〜女王(アレ)はそんなに甘くないのにゃ』


『それにいくらボウズとポルトスでも何千って数のイエロービーに囲まれて兄ちゃんを守り続けながら戦うなんてのは不可能だぜ?

  何より、この一本道の通路のせいで、囲まれた後じゃせっかく見つけた幼虫部屋に辿り着くこたぁ出来ねぇんだ。マナの補給無しにこの巣に住んでやがる全てのビーを相手に出来る訳ゃねぇ』


『それなんだけどさ、多分この通路の曲がり方からして、幼虫部屋ってこの壁の裏辺りだと思うんだよ。

 だから、ここにガルーさんがギリギリ通れるくらいの穴を開けて幼虫部屋まで繋げちまえば、いつでも逃走及びマナの補給が出来ると思うんだが、どうかな?』


『おお!いいなそれ!』


『いい案だにゃ』


『うむ・・確かに兄ちゃんならそれも可能か・・・。なら幼虫部屋にぶち当たるまで地道に穴を掘るしかねぇな。飛び出した先がビーの溜まり場じゃねぇことを祈るぜ』


『ああ、それについては問題ないよ。グラン、どっちだ?』


 グランは賢者の加護によって、一度行った場所であれば正確な方角を知ることが出来る。

 カナタに問われたグランは幼虫部屋を指し示してみせた。

『ああ、さっきの幼虫部屋ならこの方向だぞ』


 その指が指し示すのは、カナタが手を着く壁の反対側の壁だった。



 ******




  「これで良しと・・・」

 物質変形(デフォルメイション)により、女王の部屋の出入り口付近から幼虫部屋への通路を設けたカナタ。

 早速、女王を倒す為の作戦会議が開かれている。


「つぅ理由で、幼虫部屋に道を繋げたはいいんだが、今回の真の目的はマジックハニーと言うよりは謎の二人組の発見及び捕縛だ。

 それには下層の探索が必要で、下層には強い魔物がウジャウジャ居る。

 ならやっぱマジックハニーは大量に温存しておきたい。だから、いくら死なないとは言っても、なるべくならイエロービー達に囲まれるような事態は避けるべきだ。

 仮に今回この巣のマジックハニーを獲り尽くしたとしても、蜂さえ残しときゃマジックハニーは復活するだろ?

 だから最悪なのはこの巣の蜂を全滅させることだと思うんだよ」


 グランやポルトスは、幼虫部屋への退路を確保したことで気兼ねなく暴れられると思っていたようで若干の不満を顔に出すが、下層の探索の為と聞き渋々カナタの意見を受け入れる形となっている。

 一方、女王との戦いを望まないガルーはカナタの意見を快く受け入れ、もう一度巣からの撤退を提唱するが、あえなく却下され作戦会議は続く。


「しかしよぉ、イエロービーを集めずに戦うのは無理ってもんだぜ?そんな甘っちょろい攻撃で女王は倒せねぇし、女王が切れて暴れ出しゃ自然と他の蜂も集まっちまう。さっきはホワイトビーを食うのに夢中だったから良かったようなもののよ」


「それはガルーの言う通りだにゃ」


「そう言えばポルトス、六獣騎士の副長の話を聞いてた感じだと、お前は別の巣の女王と戦ったことがあんだろ?そん時ゃどうやって倒したんだ?」


「にゃ?あの時はゼノス様やパーティーの二人も揃ってたから、巣を丸ごと壊滅させたのにゃ」

 

「そりゃ何とも・・全く参考にならねぇな・・。今回とは状況が違い過ぎる。

 しかしよぉ、お前ぇ何者だ?いくらAランク冒険者でも、この国の騎士団の副長と同じ任務に就くくれぇなら、この国に来て長えんだろ?

 なのに今まで見たことも聞いたこともねぇとは不思議なもんだ。パーティー名は何つぅんだ?」


「にゃはは、最近はあまり頻繁に活動して無いからかにゃ?ボクもガルーの事は知らなかったのにゃ。

 パーティー名は三毛猫団(ユニオンキャッツ)だにゃ。ガルー達の犬猫団《ドッグキャッツ》に似てるのにゃ!」


「三毛猫団・・てぇと、仲間もポルトスみてぇに猫人族なのか?だがやっぱ聞いた事ねぇな。それに最近は活動してねぇって、まだ若そうだが一体幾つの時にAランクになったんだーーーっと、話が逸れてんな。

 それより、イエロービーを集めないで女王をどう倒すのか、だったな。

 兄ちゃん、何か案は?」


「んー、そうだな・・。ブラックビーはゴールドハニーだったか?それを運びに頻繁に女王の部屋にやって来る。

 それに女王がポルトスの遠距離攻撃でも簡単に倒せないなら、出入り口付近からゆっくり倒すって作戦は無しな訳だ。

 なら、女王の部屋の蛹が入ってやがる複数の穴に壁の中からトンネルを繋げて、蛹のフリをして女王の視界の外から攻撃するってのはどうだ?

 ホワイトビーを覆ってるあの白いドロドロの液体にも多分マナを回復する効果くらいあんだろ?

 ポルトスは遠距離攻撃をしながら、壁の中を伝って穴を移動。グランは穴から部屋の中に忍び込んで直接攻撃。

 そんでイエロービーが集まって来たら蛹の穴に隠れてほとぼりが冷めるまで待機しつつ、マナを回復させる。

 こんな感じでどうかな?」


「だが、あの部屋の広さは尋常じゃねぇ。各方位に数個の穴を繋げるだけでも、相当な長さの穴が必要になるんだぞ?

 兄ちゃんはマナの量だけは多いみてぇだが幾ら何でも、そりゃ無茶だ」

 

「んにゃ〜、確かにそれは無茶だにゃ。それに女王の視界の外から遠距離攻撃しても、必ず逃げる前に反撃されるのにゃ。狭い穴の中に居ると逃げ遅れるかもしれないのにゃ」


「そうか・・、確かにそんな量の変形はやったこと無いから大丈夫とも言い切れないな・・・、なら他に案はないか?」


「カナタは頭がいいけどバカなんだな。

 女王の部屋から巣の外に細い逃げ道を繋げて、後はあの部屋で思いっきり戦えばいいだろ?」


「あ、確かに」


「ふん、ボウズにしちゃいい作戦だな」


「それしか無いのにゃ」


 こうしてカナタのトンネル工事は再び開始された。



 *****



 トンネル工事を終え、無事に女王の部屋から外への脱出経路を薄い壁一枚だけ残し確保したカナタは、流石に疲労感に苛まれたのか、幼虫部屋にて横になり糖分を摂取し、体力を回復させている。


 ポルトスとガルーに看病を任せるその間、グランはカナタの提案により女王の偵察に出かけていた。

 幼虫部屋から繋がる女王の部屋の出入り口に戻ると、シャルピアの大部屋がある方向から新たなブラックビーがやって来る最中であったため、穴の入り口にてブラックビーの通過を待ち、目前へやって来た所を竜爪で刈り取り、血を吸って投げ捨て、女王の姿を見据える。

 恐らく吸血鬼や竜の力無しで勝てる相手では無いだろう。何か攻略の糸口は無いものかーー?

 出来る事なら、一人になった今、このまま戦いたいところだが・・。


 その時、グランはあることに気がついた。


 女王が自分を見ているーーー。



 *****




  何かが起こっている。

  異変に気付きながらも、女王は自らの縄張りで起きている自体を把握出来ないでいた。

  自らの部屋へ続く唯一の道。

  有事以外ではブラックビーのみが通る事を許され、浸入する者はイエロービーであれ殺される。

  そんな場所から、何やら只ならぬ音がするではないか。

  戦闘が起きている事は確実であった。

  そしてその浸入者がイエロービーでは無いことも。

  いつも同じような間隔でやって来るブラックビーが、その音がしてからというもの、此処へやって来ないのだ。

 

  浸入者によって殺された事は明白であった。

 

  女王は歓喜していた。

 ブラックビーを殺せる力を持った者が此処へやって来る。

  それはいつ以来の事であろ

 う・・・。



  そんな時、蛹の孵る音が聞こえた。

 


  本日、三回目の音だった。



  女王は食事を摂りながら、浸入者を待った。



  だが食事を終えた頃、何時もの羽音が聞こえた。



 ーー浸入者は、殺されたのか?



  残念ではある。しかし、ブラックビーに殺される程度であれば、自分の獲物とは言えない。



  女王は、聞き違うはずのないその羽音がする場所へ目を向けた。

 

  浸入者を殺したブラックビーの様子が気になったから。

  傷付いていようがいまいが、そんな事は如何でもいい。

  ただ、どの程度の力を持った者が相手だったのかーーそれを見極める為に。


 だが、ブラックビーに変わった様子は見られ無い。

 やはりその程度の侵入者だったのか。


 女王は興味を失ったように項垂れ、再び部屋にゴールドハニーを運びに入れ始めたブラックビーを尻目に、自らの横に聳えるシャルピアの花を見上げる。

 

 そんな日常が戻って暫くした時だった。




 ズパンッ!!




 ドサッーーー。




  女王は目を見開いた。

  再び聞こえた非日常。その方向へ振り返ると、ブラックビーの頭が消えていた。


  女王は見逃さなかった。

  壁の死角から現れた小さな生物を。

 


 ーー獲物が


 ーーー生きていた。



  女王の胸が高鳴る。ブラックビーを一瞬で殺したあの小さな生物が、自らの元へやって来る。


  期待に胸を膨らませ、その時を待った。


  小さな生物は、ブラックビーの死体を口に咥えると、数秒でそれを投げ捨てた。


 ・・・・食った?だが、ブラックビーの体はそのままだ。


 何をーーー?

 

 しかし、直ぐに考える事を止めた。



  その小さな生物と目が合ったから。



  やっと、アレと戦える。



 女王が再び歓喜した。

 ーーーその時。

 小さな生物が向きを変えた。





 ーーー何をしている?



 ーーー待てっ、ーーー戦え。



 ーーー何処へ行くっ!


 


  その思いを嘲笑うかのように、小さな生物は女王に背を向け走り出す。



  女王は憤怒した。


 

  抑えようの無い怒りに任せ、それは撃ち出される。


  女王の放つそれは、一つ一つがブラックビーの毒針を大きく超える巨大な三十二本にも及ぶ凶悪無慈悲の猛毒飛針。

  他のビーとは異なり、それは女王の尻先にある極大の針管から吹き矢のようにして放たれ、チュリアンの毒針のように超高速を持って獲物へ飛んだ。


 

 凄まじい音が連続して部屋の外で鳴り、砂煙が立ち込める。

 全ての針は岩盤を穿ち、出入り口付近の岩盤は大きく溶けて崩れ、砂煙と混ざるように針の隙間からは煙が上がる。

 

  煙が晴れ行く中、次第に露わになる猛毒の飛針は、突き立つ岩盤の色を変て、瘴気のような物を放っていた。



  しかしそこにあの小さな生物の姿も、残骸も無い。




 ーーー逃したか。




  だが、何故か女王には確信があった。


  アレはまたいずれ此処へ来る。



  毒の影響で暫くはブラックビーも此処へは近づけ無いだろう。

 

 

  女王は小さな生物との再会に期待を膨らませ、眠りについた。

 


 ******





 やべぇーーー。カナタの作った道が完全に崩れてやがる。

 っつーー、腕を掠ったかーー。切り落として再生するしか無い。


 毒のダメージと再生が繰り返されるアレ、本当に地獄だからな。

 

 それにしても、今の音は絶対ヤバいよな?

 多分他の蜂が集まって来る。


 カナタは幼虫部屋でポルトスが着いてるから大丈夫だとして、女王(アイツ)をどうするか・・・。


 元々あった後ろの通路から幼虫部屋に戻るか?ーーーって、無理だな。針から毒が出続けてやがる。


 どうするーー?今なら本気でやれるし、女王も油断してそうだけどーーー。


 いっ、いいよな?

 だって道、崩れちゃってるし。このままじゃ帰れないし、女王を倒すしかないよな?



 よ、よし。ゴメンな、ポルトス。

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