遊び人は、パーティーの主導権を握る。
「ピッケル悪かったわね……でも本当にたすかったわ。」
「シャルと二人なら、ワイルドベアー二頭倒したこともあるんだけど、三人で連携して狩りをするのが初めてで……何していいのかわからなくなってしまったの……ごめんなさい。」
いつも強気のカリンが涙目になりながら謝ってくる。
明るく元気なカリンの落ち込む姿は、とても可愛い。
むしろいじめたくなる。
というか二人だけのほうが強かったんかい!俺の存在意義……所詮は遊び人よ。
「カリン気にしないで、まだまだ、俺たちのレベルは低いし、PTとして連携がとれてないだけだ、少しづつ連携取れるようになって強くなろう。俺とカリンとシャルがいれば、力もパワーも三倍だよ!」
そう、三人いれば単純計算三倍だ、嘘じゃない。
「ピッケルありがとう。私もピッケルの為にも頑張るわね!」
うん。まじで頑張れ。こうやってみるとカリンは意外と健気でかわいいな。
だが。頑張るだけじゃダメだ、結果の伴わない努力ってのは無駄な努力っていうだぜ。
「ピッケルさん、私もごめんなさい、つい夢中になっていまって、MP管理がおろそかになっていたのは、事実です。連戦だったら、どうなっていたことか。」
シャルロットは優秀なヒーラーだ。そしてとても綺麗だ、今もMPが底をつきかけ、肩で息をしている姿がなまめかしい。
シャルは基本的な戦い方は、俺が見習いたいほどだが、常に全力疾走なのがタマに傷。
肝心の時にMP切れて回復できませんでしたじゃヒーラーの意味がない。
むしろ俺とカリンがシャルロットのオーバーヒールに合わせるのもありか?
「作戦バーサク」
防御は一切無視し敵に火力を叩き込むことだけを考え勇者と遊び人が戦えば、恐ろしい火力になるだろう。
シャルロットのMP切れの前に敵を殲滅するという作戦だ。
うーん。きっとカリンとシャル二人だけの時はこんな感じだったのだろうか?。
一つの作戦としてはありだが、まずはオーソドックスな戦い方をマスターするほうが先だと思う。
っというか防御無新だなんて、痛覚遮断の魔法とかないとやっていけません。痛いのは嫌です。
「基本戦略の再確認をしよう。俺は敵の注意を引き付ける壁役、敵がシャルのほうに行かないようにするし、敵の隙をつくるよう立ち振る舞う。カリンは中衛として、俺が敵を引き付けてる間に、中距離攻撃スキルや、攻撃魔法で敵のHPを削る火力役。シャルは立ち位置や役割は変わらないけど、もう少しヒールの回数は減らしても大丈夫だ。俺たちもシャルの回復をあてにしすぎた戦いはしないから安心して。」
流れに任せてシャルロットのことはシャルと呼んでみた。
仮にも年上だ、怒られっかな?修道院とかカースト制で上下関係厳しそうだもんな。
「うんわかったわ。さすがピッケルね。」
「はい。わかりました。」
ん?無事に受け入れられたようだ。
もう一度再確認。
「シャル。カリン!一緒に強くなろう」
「はい。」「はーい。」
おっ「シャル」呼びで大丈夫みたいだ、名前は短いに越したことはない。
この際無駄な敬語も省略だ。
パーティー組む以上過剰な上下関係はなし。
本来なら勇者と遊び人なんて、職業カーストだと話すことすら許されないだろう。
この日は、結局はぐれゴブリンの村へ向かうことはなく、周辺で連携の訓練を兼ねた狩りをすることにした。
だって、はぐれゴブリンの巣、いうなればこのクエストのラストダンジョンだ。
どうせ、半端ない敵がいるに違いない。
俺はそういう星の元にうまれてきてるんだ。
その後の狩りでは、
ワイルドウルフとカリンの挟撃にあって死にかけたり、
カリンの必殺技が俺の横をかすめ、危うく死にかけたり、
魔物と勇者の二人を同時に相手どる伝説の遊び人だ。
シャルのヒールが瀕死の俺に飛んできたり、
シャルのヒールがHP満タンな俺にとんできたり、
シャルのMPがきれて、なまめかしくなったり。
色々死ぬ思いをしたが狩りは順調です。
だが、一戦ごとに確実に連携はよくはなっているは確かだ。
伊達に勇者ではない。
素晴らしい成長速度だ。
俺も頑張って強くならないと殺されかねない。
まぁむしろ俺が二人に合わせる様になったのだが……
カリンが必殺のスキルを使えば敵をカリンのほうに敵を投げ込むし、
シャルが過剰ヒールしそうになっていたら、相手の攻撃無視でこちらも捨て身の一撃。
場合によってはMPポーションを投げつける。
毎回綱渡りながら、レベルに見合わない伝説のゴブリーヌの火力のおかげでサクサク狩りは進む。
このあたり、俺のレベル帯には、まだ強すぎるくらいの強敵がでる狩場なのでドロップと経験値がとても美味しいです。
しばらく?いやいや魔王が攻めてくるくらいまではここでのんびりレベル上げしたいものだ。
とはいえ、野宿は嫌だ。
シャルがテントをもっているとのことだったが、いやだ。虫が怖い。
日没まで二時間といったところで、今日の狩りはお仕舞にして、ラクーンへの帰途へとつく。
「ピッケルみてみて!さっき拾ったの、なかなかのレアアイテムみたいなのよね。ワイルドキャットの耳飾り。」
金髪で見た目お嬢様なカリンの容姿にとても似合っている。
畜生卑怯だ、カリンのくせに猫耳は反則だ。
かわいい、今日あったすべての文句を忘れてしまう。生きていてよかった。
「私もこんなの拾ったんで、つけちゃいますね。ワイルドラビットの耳です。ちょっと私には似合わないかな?」
いえ。滅相もございません、聖女という名に恥じない美貌とスタイルと気品を兼ねそろえた、シャルがうさ耳をつけると。可憐って感じだ。
よし。決めた俺このウサギと猫とともに世界を守るよ!
どうか神様そのうさ耳猫耳に外せない呪いでもかけてやくれせんか?
転生後で一番やる気でたわ。
「二人とも、とってもかわいいよ」
俺も可愛さでは負けないよ!
ピッケルスマイルでお返しだ。
可愛いという言葉に二人もビクンっと反応する、そんな所もかわいい。
「ほんと二人ともか・わ・い・い・よ。」
二人とも顔を真っ赤にしている。
転生後初めて遊び人らしいことしている気がした。
そして、勇者と聖者が女の子だったことを再認識する。
見ようによってはハーレムじゃねーか。
命がけのハーレムだけどね……
あと、勇者からいろいろ攻撃受けて、
物真似できるスキルが増えた。
「チャージドスラッシュ」戦士系基本スキル
物真似時使用SP20 力をタメ通常の2倍の攻撃力を叩き込む。
「ブレイブスラッシュ」 勇者固有スキル
物真似時使用SP40 闘気を刀に宿し、中距離からの攻撃が可能、通常攻撃の1.5倍の攻撃力
このままじゃ燃費の悪い、勇者がでちゃうよ!
帰りがけ、俺はスキルの検証しながら帰った。
SPポーションがぶ飲みでね。スキル一つで救える命があるんだ。
「チャージドスラッシュ」は基本スキルだけあって、一度も失敗しなかった。
「ブレイブスラッシュ」は、勇者固有スキルのせいか、発動率8割程度。中距離攻撃だからSPに余裕があれば八割にかける価値はある。
「ファイヤーストーム」炎系上位魔法は、発動率七割だった。
強いスキルは思ったより失敗する。
実戦でいままで、失敗しなかったのは俺にとっては奇跡だな。
このまま、人間モンスターなりふり構わず喧嘩を吹っ掛け、物真似用スキルを取得しまくるべきか?
だが、物真似のクールタイム30秒とSPMP倍がネックだ。
連続技としては使えない。
「物真似」に頼り切った戦いはできない。
発動率から考えてもギャンブルだ。
そろそろ新しい遊び人固有スキルを取得すべきか?
とにかく、マイケル待つ宿屋屋へもどった。
一日狩りをすると流石に疲れた、特に精神的疲労が半端ないです。




