序章
まばゆい光とともに、第二の人生がはじまった。
不運な俺に、まさかのまさか人生最後にラッキーイベントの転生だ。言うなれば生き返り、生まれ変わり、やり直し。
ジョブも遊び人と決定している、こうなったら色々開き直って遊んで遊んで遊びつくすぞ!
と意気込みつつも、早速の先行き不安。
どこだここ……私は遊び人、名前はまだ決めてない。
マジで説明不足チュートリアルかヘルプ機能カモン!
「チュートリアルカモン!」
応答がない、 どうやらそんなものは存在しないようだ……
なにこのハードモード。
状況を把握しよう。
現在地は森の中でモンスターと遭遇するとかなりまずい状況だ。だって俺遊び人。
幸い服は着ているが、いかにも旅人といった風貌。冒険者じゃなくて旅人……そこ重要。これ防御力0なんじゃないだろうか?
武器はまだない。
そもそも遊び人の装備できる武器ってあるのか?
あと地味にうれしい転生特典、年齢だ!
アラフォーおじさんだった俺だが、明らかに若返っている。
肌の艶と、肩こりがないことですぐにわかる。
肩こりがなくなっただけでも転生したかいがあったってもの。これでスローライフも捗ります。
顔をみてみたいなっておもっていると、幸いすぐ近くに澄んだ池があった。
顔を確認! 重要だよな顔って。人生の八割くらい顔で決まるよな。
うーん。前世はダンディズムを追求した渋いおっさんを目指したものだったが(なり切れていない)対照的に茶色い髪に、大きな澄んだ瞳、黙っていればかなり上物だ、イケメンというより、かわいい系だ。
ついつい、守ってあげたくなるような。さぞかし女装が似合おうぞ。
所持品:50G薬草5 簡易地図1
所持品とっても少ないです。
アイテムは、異次元ポケット的なアイテムボックスに収納されていて出し入れ自由なのが、とても嬉しい。
これだよこれ、巨大なドラゴンを倒したのに、大きすぎてドロップを持って帰れませんじゃ夢がない。
所持金の50Gに関しては多いのか少ないのか判別がつかん。
一応金貨になってるから、宿屋に何泊かはできるだろ?
できないようなら女神マジコロス。
つづいてステータスを確認 これは自分のことだからか、感覚的に把握できた。
名前 竹之内 隆 年齢16歳
LV1 遊び人
HP 30
MP 30
SP 30
力 30
知力 30
敏捷 30
防御力 30
幸運 300
取得スキルなし。
幸運は約束どおり高い!遊び人なのにMPがあるな、SPはあれか?なんか特技使うたびに減るてきな何かか。
防御マジ紙装甲 スライム倒せるのか不安だ。なにより武器がないとか……どっかで間違えてハードモード選択してしまったかな?
とにかく町を目指すしかない。
せっかくもっている簡易地図を取り出してみるも、現在地がわかりません。
俺のもってる不運な運命>幸運300ってことでしょうか?
おーい女神様、追加でポイント3000ほど至急おくってください。
……反応がない。無視されているようだ。
しょうがない。前か後ろ、右か、左か、四択だ。
幸運300に命を懸けて、棒が倒れた先に行く。
「トイヤー」運命を木の棒に託して倒れた先は右を示している。
オーケー女神様俺は俺を信じる。不運な俺を信じよう。行先は左だ。
町がなくても恨みません。いきなり強いモンスターと出会うことがありませんように
ありませんように、ありませんように強く願いながら歩き始める。
しばらく歩くと、道が見え、さらに歩くと、町にたどり着きました。
なんてことはなく。
しばらく歩くも変化なく、森はさらに深まるばかり、すでに最初の場所に戻りたくても戻れない。
戻らないんじゃない。戻れないんだ!
そうこうしているうちに最初にして最高の不幸。
モンスターと出会いました。さすが異世界、見るからにモンスター。
ただの狼やら熊の目が赤いとかそういうレベルじゃない。スライムやらゴブリンやら、レベル1でも楽勝なんてレベルじゃない。
あれは怪物だ。
つーかドラゴンだ。見るからにドラゴンだ。もう見るまでもなく、ドラゴンだ……転生後最速で死んだ記録でもつくれってか?
ここはもう逃げるしかないだろ。
すたこらさっさーしようとした直前に、
「ぐるるるう。」
あこれおわったかな???