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幸運全振りで異世界転生!職業遊び人で目指す異世界最強  作者: ひろち
遊び人は幸運チートで異世界に転生する。
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遊び人魔族と対峙する④

 いままで、完全にマイケルが意識を引き付けていた魔族の意識が此方を向く。

 まさに虫けらを見るような目線。

 視線が向くだけで、殺されたような感覚に陥る。

 蛇に睨まれたカエルのようだ。

 魔族に睨まれたピッケルである。


 マイケルが倒せない相手に俺にできること、いくつかのスキルと、チートな幸運。

 だが幸運はラッキーで魔族を殺してはくれない、考えて考えてその幸運を活かすしかない。


 考えに考えて最低限の戦術を練り上げる。


 魔族の注意を俺にひきつけ二人に町まで走らせる。

 基本戦略にしてこれしかないという戦略だ。


 まったくもって不本意だがしょうがない……だって男の子なんだもの……



「私が注意を惹きます隙を見て逃げてください。とても俺たちでかなう相手ではないみたいですね。町にこのことを知らせて。」


 二人だけにしか聞こえないよう、小さな声で言う。


「でもそうしたら貴方は……」


「私に逃げろっていうの?あなたが逃げなさい!私が注意を引き付けるわ。」


無駄に血気盛んなカリンさんだが、女を置いて俺だけ逃げるのは遊び人の美学に反する。


「このままでは、三人全滅でしょう?先に逃げてください。大丈夫です、これでも逃げ足だけは速いので!」


「でも貴方死ぬわよ。」


「奥の手がいくつかあるので、なんとかなります!俺は強いんですよ。ある程度時間を稼いだら自分も逃げます!二人は一刻も速く町へむかって魔族の襲来を報告すべきところに報告して迎撃の準備をしてください。絶対に死なないと誓いますから今は俺のいうこと聞いてくれ。時間がないんです。」

 

 二人とも躊躇いの顔をするが、渋々という面持ちだがうなずいてもらえた。

 これしか策はないのだ、この魔族はジャイアントオークとはレベルが違う。

 全滅だけは阻止しなくては、誰かが、マイケルの意思を引き継ぎ町へ報告しなくてはならないのだ。


 ちょっと前に死んだ身の俺が残るのが一番だろう?そして転生して、勇者になるんだ!

 目的はそれだ。


「ご武運を……あなたのことは絶対に忘れません。」


「この借りは絶対に返すから、生きてまた逢いましょう。その際はちょっとくらい抱きしめてあげたっていいのよ。」


 そうして二人が駆け出す。


 あとは俺次第、どれだけこいつの注意を引き付けられるかだ。

 ああ。生まれ変わったら、俺は勇者になるんだ!

 こんなやつ一撃で倒せる力が欲しい。


「ジャイアントオークは死にましたか。」


「この人間といい、なかなか楽しませてくれます」


 無駄に丁寧な敬語が余計に怖い。


「おまえの目的はなんだ、魔王軍は北の果てにいると聞くぞ、こんなところでなにしてるんだ。」


 精一杯の虚勢をはり、コミュニケーションを図る、相談あるなら乗るよ?何時間でも無料カウンセリングだ。

 えっと『おまえ』よばわりしたけど『貴方様』のほうがよかったか?


「貴方に教える義理はありません。知りたければ私の口から吐かせることですね。あなた方にできるとは思えませんが……女二人を先に逃がしましたか。命を捨てる覚悟ですかね。私的にはあの二人の命の方がよかったですが、あなたの命をもらって、そのあとゆっくり味わうとしましょうか。」


 力量差は完全にお見通しされている。ここで奥の手②を切ってみる。


「それはどうだろうな、おれは転生者だ。特別なスキルがある。俺と戦ったら只じゃすまないぞ。逃げるなら今のうちだぜ。」


 奥の手②「転生者」というパワーワードとハッタリだ。


 「なんとなんと転生者様でしたか、これはこれはこれはこれは!!生け捕りにして実験体として魔王様に献上すれば私の魔王軍幹部への道が開けるというもの!!貴方は生かしてやりましょう。なんという幸運!!」


 きたー生存フラグきた。これはなんとしても回収しなくては。

 でも?死んで転生しなおした方がいいよね?職業遊び人じゃこの世の中は生きていくのがつらすぎる。初心者の狩場に魔族来るとか設定おかしいぞ女神!!


「そうか……無駄な抵抗は無駄だとこちらもわかっている。俺はお前の実験体とやらになろうじゃないか?その代わり、後ろの二人は助けてやってくれないか?お前にとっては生きてても死んでいてもゴミみたいなもんだろ。」


 とりあえず、話を続けようね?

 生きていればだれか助けに来てくれるでしょ?


「人間のそういう所好きですよ。ひどく醜悪な生き物だが、時に自分より他者の命を優先する自己犠牲の精神がある。そこで死んでいる戦士も、あなた方を守りながら戦わなければもう少しいい戦いをしたでしょうね。私が戦ったどの戦士よりつよかった。あなた方がいなければ危うく私が死ぬところでした……おっと、どのみち勝ったのは、私ですがね。」


 いいぞ、もっと喋ろう!


「ですがその取引私には何のメリットもない。貴方は強引に実験体にすればいいし、ほかの二人は町に通報されないように、追い込んで死んでもらう。これが私の最善手でしょう?」


 っというと、さあ戦わんと魔族がこちらを向いて歩きだす……

 もう少しお話したかった……お友達になれると思ったのに……


 魔族さんの馬鹿。


 やはり交渉は無理だ。

 俺は咄嗟にポーションを飲むMP半減のポーションだ。数少ないマイケルの遺品だ。

MP自体はレベルアップ時に全回復している。


 さて話し合いの段階はおわってしまった。

 イケイケのくそ魔族だ、戦うしかない。


 俺は覚悟を決め……奥の手③を切る。


 遊び人らしく賭けにでる。

 いつも以上に気合を入れて! 


 幸運チートに希望を乗せて!


 「物真似:ファイヤストーム」


 轟音とともに、銀色魔族は炎の竜巻に包まれる。


 謎のスクロールで発動したファイヤーストームの「物真似」だ。賭けだったが無事に発動した。

 ファイヤーストームは炎系の上位魔法。

 威力は保証書付きだ。


 問題は、ファイヤーストームの消費MPが不明だって点と発動するかどうかだ、スキル説明では発動率三割だからな。

 MP軽減ポーションを飲んではいるが、ファイヤーストームがMP100以上消費する魔法であったら

MPが足りなくて発動しなかっただろう。


 無事発動したもう一つの要因は、チート幸運だ。

 発動率が大幅に上昇したのだろう、でなければ三割の確率をここで引ける俺ではない。


 残りはMP10、ギリギリだった。直前のレベルアップとMP使用軽減ポーションがなければ発動できなかった計算になる。



 魔族を中心に炎の渦が広がっていく。


「ほうこれは、炎系上位魔法の一つファイヤーストームですか……」


「無駄なことを」


 なんていってるが、ちゃっかり結界を張っている魔族。

 俺の奥の手を結界ごときで無力化するなんて卑怯だぞ

 男なら正々堂々体で受け止めやがれ!


 結界を張る、それは裏返せば直撃すれば、ダメージ食らうってことだろう。


 そして、俺だってこれで倒せるとはおもっちゃいないんだよ。


 ファイヤーストームの効果時間切れるまでに俺はマイケルの元に走り、マイケルの大剣を受け取る。

 あなたの遺品大切に使わせていただきます。


 奥の手④発動


 「おりゃあああ」


 と掛け声とともに魔族目掛けて大剣を投げ込む。

 大剣はそのまま、魔族に突き刺さる、ことなく、炎の竜巻に巻き込まれ縦横無尽に炎の中を飛び回る。


 さらに、俺のゴブリーヌも投げ込む。

 此方はそこまでダメージを期待していない。おまけ①ってところだ。


 奥の手④は、嵐の中吹き荒れる二本の剣作戦だ。


 そして30秒ほどでファイヤーストームの効果が切れる。

 残されたのは俺と魔族、瀕死もしくは死んだマイケルの三名だ。


 魔族を見ると……右肩にはゴブリーヌが刺さり、さらに複数の裂傷ができている。


 緑色の血?が大量に流れ出ている。さすが神剣マイケルだ!ファイヤーストーム自体より竜巻に巻き込まれ縦横無尽に飛び回った神剣マイケルによるダメージのほうがでかそうだ。


「人間ごときが私に傷をつけるとは! 貴様許さんぞぉ」


「実験体なんぞ生ぬるい、ひと月はかけてゆっくりなぶりころしてくれるわ!」


 寒気が止まらない。

 魔族やばすぎる、こんな生物を野放しにはできない、勇者頑張れ。


 敵の攻撃や魔法を回避する自信はない。

 相手が怒り狂っている間にMP回復ポーションを飲んで準備はできている。

 消費MP半減ポーションの効果もまだ持続中だ。


 敵が攻撃にうつる前に倒すしかない。


 奥の手その⑤を即座に発動させる。


 残された力すべてをかけてスキル発動「物真似:ファイヤーストーム」 


 正真正銘これが最後の一手二度目の「ファイヤーストーム」だ。


 再度魔族の足元から火が立ち上がる。


「なにぃぃぃぃ。まだ炎系上位魔法のファイヤーストームのクールタイムは終わっていないはず!」


 お前の結界魔法のクールタイムも終わってないでしょう?


 奥の手⑤は「物真似」による「ファイヤーストーム」連続使用だ。

 通常のファイヤーストームは炎の上位魔法のためクールタイムが長いが、物真似のクールタイムは30秒だ。

 つまりMPが許す限りにおいて、常時ファイヤーストームが使用可能……

 炎の遊び人の誕生である。



「貴様なにものだあああああ」


 断末魔の様に魔族が叫ぶ。頼む本当に断末魔となってくれ。


 【※読者の皆様へ】


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